2019年4月11日木曜日

AI/RPAによる業務効率化は今までと何が違うのか


業務効率化は、コンピュータの導入によって、多くは可能になるはずだが、現実ではそうなっていない。AIやRPAが導入されたからといって、そう簡単に解決するものだろうか。
今までできなかった理由とは、以下のようなものだろう。
  1. コンピュータ化のコストの問題。
    1. 初期コストが高い。ランニングコストが安くても、これが怖くて着手できない。
    2. アナログな部分が多い。
    3. イレギュラー処理が多い。
    4. しょっちゅう業務が変わる。
    5. 現場のITリテラシーが低い。
    6. 膨大な現状把握が必要。
  2. 技術以外の「大人の事情」がある。
    1. 法改正が必要。
    2. 他社、他人のシステムの改修や情報取得が必要で、そこに拒否されている。
    3. 人減らしへの警戒。
    4. 上長や職場の関心が薄い。
こう並べてみれば、AIやRPAが導入されたとしても、上手くいくケースはほんの一部である、ということが良く分かる。

極端な話、会社内に全く同じ業務内容ながら全てのシステムを一から構築するような新会社を作って、徐々に業務を移管していくようなやり方の方が、上手くいくのではないだろうか。そしてその時には、AIやRPAは不要であり、全てが既存のSaaSに乗るようなことにもなっているのではないか。

今の時代、経理や総務のアウトソーシングもあるし、ビジネスツールも全部ネットで完結するものも多い。むしろ取引先のアナログに引っ張られる部分の方が多いのではないだろうか。であれば、そういった「デジタル~アナログ相互接続サービス」を立ち上げて仕事にする、というのも考えられるだろう。自社でAIやRPAを入れる必要はない。

となると、AIやRPAの用途が見えなくなってくる。既存のシステムをちょっとだけ改善することはできても、むしろ根本的な改善はできなくなり、深みにはまってしまう、というわけだ。

放っておけばそうなるだろうが、多分誰も止められない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ダイナミック租税とその指標

今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...

人気の投稿: