2016年12月13日火曜日

スマホが破壊してきたものとスマホを破壊するもの


時計。地図。カーナビ。本。カセットプレイヤー・ICプレイヤー、カセットレコーダー・ICレコーダー。単語帳。カレンダー手帳。メモ帳。電話帳。鍵束。ラジオ。ポータブルテレビ。CD/ビデオレンタル。固定電話。ガラケー。カメラ。懐中電灯。電卓。チケット、切符、ポイントカード。

駆逐するまでにいっていないものも多いが、結構な破壊力だ。まだまだ壊すものはあるだろう。データSIMがだいぶ安くなってきたため、第二のタブレットを持つ選択肢も増えてきた。これまで含めると、更に教科書や参考書、雑誌、マンガ(本)などの破壊が進む。免許証や個人ID、パスポートなどのIDカードにも道筋が見えてきている。

さて、ここで考えたいのは、「ではスマホは何に破壊されるのか?」である。上の例を考えてみると、スマホやタブレットが破壊してきたものは次のように分類できる。
  1. 見る、聞く、及びそのコンテンツに芸術的価値ないしは情報価値があるもの。(音楽、書籍、動画など)
  2. 自分の身分や付随情報を認識させるもの。(チケット、IDなど)
  3. 自分の周囲の状況を把握するもの。(GPS、カメラ、センサなど)
2.については、ICチップがあれば何でもよいことになる。1にはCPUと記憶装置、通信装置が必要で、3.では更に各種センサが必要である。また1.ではそれなりの出力装置が要る。

パーソナルに考えると、これにはHMDが適している。今のものはまだ大きく重く使い勝手が悪いが、電脳メガネくらいの使い勝手になれば、もはや違和感なく普通に使えるだろう。1.は今のGoogleグラスやHoloLensにも入っているが、これにCPU能力やセンサを足していけば2.3.共に入れることは可能だ。

ただ、1.をメガネに入れると、超短距離通信では使い勝手が悪くなる。少なくとも2,3メートルは通信したいが、この程度になると余計な通信を誘発してしまう。例えばSuicaの通信距離を2メートルにすると色々都合が悪いだろう。従って、腕時計やスマホタイプなどの別端末が2.として必要だ。

但しこれはUIである。実際にはバッテリの問題があるので、そう簡単にはいかない。避けたいのはメガネにケーブルが付くことだが、これはあるかもしれない。例えば胸ポケットにバッテリと母体(旗艦)があって、短時間ならバッテリで動くが、動画を見るようなときはケーブルを繋ぐ、などだ。

もし胸ポケットのそれにディスプレイが付いたらそれで終わりではないか、とは思わない。メガネ型にすることで大画面表示ができるからだ。だからメガネ前提ならむしろ、胸ポケットのそれはディスプレイ無しにしてもらい、その分大容量のバッテリを積んでほしい。

つまり、こうなる。電脳メガネ型のディスプレイは、殆どの場合常時着用する。それにはバッテリはあまり積んでおらず、必要なときのみ点くようになっていて、連続使用時間は1、2時間。音声はつるに仕込んだ骨伝導型。胸ポケットには母艦があり、ICカードリーダライタと大容量バッテリを搭載する。メガネ型ディスプレイへの巻き取り式給電ケーブルも内蔵する。センサ類は母艦に搭載する。カメラだけはメガネについていてもよいかもしれない。

操作をどうするかは問題だが、母艦の一面に、ないしはメガネのつるに、スライドパッドを設けておいてはどうかと思う。全部音声では少々心許ない。電脳メガネのように手を認識するとバッテリ消費が大きい上に精度が落ちて、スマホライクな操作は期待できないだろう。

母艦とメガネの通信距離がある程度確保できるなら、母艦は胸ポケット以外、例えばハンドバッグや尻ポケットなどにも入れられる。これなら、財布や定期入れと同様の位置付けで持ち歩けるようになる。


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