2016年12月16日金曜日
集団ロボット
SFでは、集団で動き回るロボットが、中央制御装置を破壊することで一斉に止まる、というような描写が見られる。有名どころでは「スター・ウォーズ ファントム・メナス」「サロゲート」などがある。だが、現実では起きないだろう。多数のロボットが動き回る社会では、個々のロボットは自律制御になるだろうからだ。
そして、平均的なロボットの大きさは、従来の人間の想定より小さくなる可能性が高くなってきた。勿論大きいロボットがなくなるわけではないが、小さいロボットが多数いる社会の方が理に適っているように思える。
例えば、災害救助用のメカで、蛇のように隙間に潜るものがあるが、それが何十台と次々に入って行って、協調して隙間を広げて、脱出経路を確保するようなことができるのではないか。また、大きいモノを移動させるというだけでも、大きさに合わせてロボットを作るのではなく、小さいロボットが協調して動く方が、フレキシブルに対応できるはずだ。
全てのロボットが均質な大きさ・機能である必要はなく、レゴブロックのように幾つかの特徴を持つパーツロボットがいて、必要に応じて組み立てられるようなものが望ましいだろう。人によってそれを何十台と持っておき、都度変形させて事に及ぶわけだ。
例えば、車椅子から自動車に変形し、到着したらまた車椅子になって階段を上って、最後にはベッドになって寝る。あるいは机になり、新聞を取ってくる犬になり、テレビのリモコンを取ってくれる。飼い猫の遊び相手になる。洗濯乾燥機から服を取り出し、畳んでタンスに仕舞ってくれる。不要になったら壁に並んでスペースを空ける。などだ。
「何をさせたいか」は人によって無限に広がる。このような協調動作のための動力、電力、合体機構を備えたロボットがある未来というのは、一つの楽しみである。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル
VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...
人気の投稿:
-
性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。 子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。 ...
-
http://techon.nikkeibp.co.jp/real/project/025.html 水と混ぜるだけでできるセラミックスで、圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度、接着強度、耐食性、とあらゆる面で優れているのだそうだ。また、混ぜ物ができるので、その特性をさらに...
-
CAS冷凍 については何回か書いているのだが、いわゆる冷凍睡眠にこれを使えないだろうか、と考えた。 不治の病を未来の医療に託すとして冷凍睡眠(実際には死んでから凍っているのだが)している人は居るし、火星程度より遠くに行くとなると冷凍睡眠の実用化は必要になるだろう。「20...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「 CAS冷凍 」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍には...
-
ディーン・ケーメン氏が発明した浄水器「 スリングショット 」の原理は、いわゆる蒸留である。つまり水を沸騰させて水蒸気にした後、冷やして水に戻す。汚水と蒸留水の間で熱交換を行うことで効率を上げている。 日本では、防災用の浄水器としては中空糸膜や逆浸透膜が殆どだ。これと蒸留式には...
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m18/04/20180409160607.html 復興庁が出した、東日本大震災における復興支援の報告書だ。 ざっと読んだが、よくある役所の成果報告書という感じで、タイトルからして「事例...
-
http://japanese.engadget.com/2017/03/28/ai/ これは、上の記事への反論である。 記事の流れについては先のリンクを読んで頂ければと思うが、大きくはその結論として①AIには想像力がない(苦手)、②日本人には世界に稀に見る想像力...
-
前田建設ファンタジー営業部 という有名なサイトがあって、ここでかつて見積もりがされたことがある。このときの結論は、関空に基地を置くロボット救助隊だった。 ロボット救助隊の目的は、災害から36時間以内に瓦礫を素早くどかして生存者を救出するイメージだ。もちろんこれも大事...
0 件のコメント:
コメントを投稿