2016年12月7日水曜日

超常現象否定派のていたらくについて

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初版の頃から好きで(立ち)読んでいる。ただ最近は知らないアニメの話が多くてちょっとついていけないのが残念だ。

作品のある場面における表現の矛盾を科学的に突くというものだが、それに使われるのは、主に数学、物理学、化学、生物学、地学といった高校生までの理系科目で、あまり高度なものは出てこない。だから、この本の中身になる部分は自分でも考え付くはずだ。更に言えば、そのテレビや本を見た途端に、その科学的視点でのウソは直ぐに見破れてしかるべきだ。もっとも、エンタテイメントとしてその嘘を大目に見るという視点は必要だが。

その先にあるのが、トンデモな主張を直ちに見破る目を養うことだ。だがこれは決して、超常現象があると主張する側に向けられるとは限らない。

以前テレビで見たことだが、霊能力を持つと称する人が、スタジオに持ち込まれた人形について見えることを話す、それにゲスト(心霊能力を否定する人)が反論する、という場面があった。
霊能者によると、その人形はある家で大切にされ、飾られていたそうだ。それに対する反論が、「スタジオに来るような人形だったら当然大切にされ飾られていたはずだ」(だから信用できない)、というものだった。

この勝負、反論者の大負けである。例えばコールドリーディングのような手法で、3枚のカードから1枚を当てるようなことは技術的(心理学的)に可能である。これはでたらめに言うと33%のところ、70~90%程度までに当てる確率を高めることができるが、その裏にはきちんとした理論がある。一方で、出てきた人形が大切に飾られていたかどうか、という命題を、その程度の理論で自信をもって言うことなどできるはずがない。つまり、反論者の反論がまるで論理的でないのだ。

もちろん、だからと言ってこれだけで霊能を証明することはできないが、反論する側がこの程度では、何時まで経っても話は平行線になってしまう。未だに超常現象を信じる人が多いのには、否定する側のレベルが低すぎる、という側面も否定できないのだ。

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