2016年12月27日火曜日

チーズはどこへ消えた?

価格:905円
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感想(28件)


言わずと知れたベストセラーだ。この場合はネズミの勝ちだったわけだが、なぜネズミより遥かに頭の良いはずの人間が負けたのか。人生訓とかビジネス書としての側面は別に譲るとして、科学・技術の側面から考えてみると、成功体験に対する「記憶の持続性」「脳内麻薬の強さ」という仮説が出てくる。
ネズミの脳と人間の脳、各々の強さは当然違う。どちらがより強いかは分からないが、当然ながらネズミはこれらが弱く人間は強い、と推測できる。もちろん、この場合は悪い方に働いたわけだが、良い方に働くこともあり得る。だから必ずしも強いことが悪いわけではない。そしてその使い分けをするには、状況の分析と理性が必要である。
思うに、ネズミの生きる社会と人間の生きる社会ではその特性が違うのだろう。ネズミの社会では弱い方が有利で、人間社会では強い方が有利なのではないか。恐らくネズミ社会が世の中では標準で、人間社会が特殊なのではないか。人間は記憶力が良い(良すぎる)ため、同じところに餌が出てくることを期待し、多くがそのように行動する。社会もそれを分かっているのでそこに餌を撒く。そういう構図だ。
これがもし迷路でなく、就職口の斡旋の問題だったり、スーパーの安売りを確実にゲットするための作戦だったりしたら、人間が圧勝したはずだ。そして、人間社会においてもそれが効かないジャンルの問題があり、それが起業や新製品のヒットだったり競馬の予測だったりする。そういうところで常勝できる人は、ネズミの感覚の持ち主(ないしは切替ができる)というわけだ。
まあ、そう考えれば、株で損しても腹も立たない。(?)

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