2018年3月14日水曜日
見えないものを見るカメラ
https://techable.jp/archives/71361
カメラに並列に置いたレーザー照射光を観測することで、死角になっている物体を認識するカメラや、雪の下や霧の向こうにある物体を認識するカメラが紹介されている。単一画素イメージングシステムと呼ばれているらしい。他にも、体内を撮影する応用などが考えられているようだ。
現在計画されている自動運転車のシステムで、物陰に隠れた人や動物などの飛び出しを、別の車やカメラが別の角度から撮影したものを伝える、というものがあるのだが、これはもちろんその車なりカメラがその位置を撮影していなければならない。このためどの交差点でもくまなく、というわけにはいかない。しかし当然このシステムなら自己完結するので確実に分かる。当分はまだ実験室レベルだろうが、何れ使われるようになれば、自動運転システムには取り入れられ、より安全になること間違いない。
また、霧に強くなることは、あらゆる交通手段にとって有利になる。ヘリコプターや航空機に取り付けることで、霧の多い地域で空港が新たに建設されたり、ドローンによる貨物輸送が簡単になったりするかもしれない。港においても離着岸が阻害されることなくなり、道路の通行止めや速度規制の頻度も減ることになるだろう。
そしてこれは「ロボットの目」においても重要な意味を持つ。ロボットは交通手段ではないが、自らが移動したりモノを動かしたりするため、こういった死角に関する情報入手は価値がある。そこまでを見越して行動を決定すれば、より安全により効率よく動くことができるからだ。
飛び出しを警戒する方だけでなく、飛び出す方の警戒にも役立つ。例えば子守ロボットがいたとして、子供が飛び出そうとしていたとき、死角に何かあるかを咄嗟に判断して大声を出す、といった応用もできるだろう。子守ロボットでなくそれがスマホやアイグラス型デバイスなら、正に自衛システムにもなりうる。
これを続けていくと人間の野生の勘が鈍りそうで怖いが、それでもわが子の安全には代えられまい。
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