2018年3月22日木曜日
SDGsと国家フェロー制
貧困や教育などの地球規模での均質化においては、国家レベルで庇護される者とする者が現れ、それも当面の間固定化される。一般論として言えば先進国はもっぱら庇護する側、新興国はされる側だ。現在の状況が良くないというのであれば、この庇護の規模はもっと大きくならなければならない、ということになる。これでは先進国のモチベーションは上がらない。
新興国が新興国のままである理由は、歴史的なものも大きいが、地政学的なところも無視できない。先進国の多くが亜寒帯~温帯に属しているのは偶然ではない。要は先進国はそもそも住みやすく、新興国は住みにくい土地柄なのだ。
そこで提案するのが、国家フェロー制だ。地理的条件の良い先進国一国に対し、条件の悪い新興国数国を割り当て、その国に対してだけ強い責任を持たせるのだ。もちろんその責任とは「貧困の撲滅」「教育の平等」「差別撤廃」など、SDGsの目的に沿ったものにする。具体的目標はそのまま当てはめる。
国の実力に応じて国数は調整してよいし、早い者勝ちで争奪戦をしてもよい。もちろんそれ以外の国に対して更に貧困を押し付けるような政策は許されない。(そこには別のフェローがいる)
フェロー国間は条約により、関税や通貨・言語・軍事協定などに一定の自由を認める。フェローである期間は「SDGsが実現するまで」で、その後のフェロー条約は続けても破棄しても構わない。
具体的な国の設定を工夫すれば周辺国も巻き込めるし、紛争を抑える効果もできる。大国の領土争いとは異なり地理的に不利益なので、無用な争いも減るはずだ。大国間の競争も、フェローを巻き込んだ総合的なものになる(相手のフェロー対象国の調子が悪いとツッコめる)ので、それも良い意味の競争になる。
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