2018年3月16日金曜日

BMIとAI


BMI(Brain Machine Interface)とAIに関する研究が進んでいる。

ここで、従来はAIと人間のインターフェースは主に言語で行われてきたのだが、もしかしたらネットワークの状態そのものを何となく転送するような技術が開発されるかもしれない、と考えてみた。

画像認識におけるAIの共通フォーマット(これが猫だ、というような)を見ると、どうもぼやっとしていて人間の脳の発光パターンのように思えてならない。考えてみれば脳もネットワークの一種であるから、同じネットであればいちいち言語化しなくても直接やり取りできるのではないか、と考えるのも自然だ。

従来のAI研究では、ニューラルネットの内部がどのようになっているかを知ることへの興味はなかった(結果に興味があった)のだが、例えば学習を終えたAlphaGoZeroのニューラルネットの発火係数をグラフにしてみたら、美しい星図のような絵が書けた、というようなこともありうるのではないか。だとしたら逆に、ネットに最初からこのパターンの絵を描いておく、というパターンが、望む知識毎に分かるかもしれない。

更にはそれを実際の脳に展開して、電気刺激だけで記憶を操るようなことができるようになるのではないか。ただ、そのときにはちょっとした懸念がある。

それは、そのパターンのほんのちょっとした誤差が、大きな誤解を生む可能性だ。卵を買いに行ってタンスを買ってきてしまうようなことが起きないのか、起き得るとしてどの程度の確率なのか、その確率はパターン毎に一定の範囲に収束するのか、というのがその問題だ。

これは今のところ全く未知数だ。更には人によって全く異なるかも知れないし、馬鹿と天才は本当に紙一重かもしれない。精度を上げたとしても時系列でどんどん変わっていくかも知れず、特定個人にしか適用できないとか、少しギアを外していた(計測を中断していた)だけで使い物にならなくなるかもしれない。

それらには一々対抗策を検討する必要があるが、そもそもどういう現象が起き得るのかが分からなければ対策もしようがない。そこは早急に検討してほしいものだ。そしてそこに目処がつけば、例えば脳波でなくとも脊髄とか、別の神経を見るだけでも類似のことが可能になるかもしれない。

さすれば、特定の訓練をすることによって、「思うだけで機械を動かす」ことは可能になるだろう。ただその時は、「キーボードを頭に思い浮かべてタイプする」とか、「特定の色と形をした標準的なアイコンを多数覚えておいて、それを一つ一つ思い浮かべる」とかいった、かなり特殊な思考法が必要になるかもしれない。今のフリック入力でも人間の脳は相当にヘンな能力を身に着けてしまっているが、そのレベルである程度成功してしまうとBMIはそれで標準化してしまう恐れもあり、ちょっと心配だ。

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