2018年3月30日金曜日
VR時代のUI開発の注意点
今のところ、VR用の汎用OSと言えるものは、Oculus Homeくらいだろう。他にないこともないが、普及の度合いとしてはレベルが違う。しかしそれとて視線でカーソルを合わせてクリックする、カーソルを操作する、というレベルでしか使っていない。OSと言えるような代物ではない。
今はいきなり全てをコンテンツに丸投げしているようなものだが、もう少し経ては小品も出てくるはずだ。すなわち他のアプリやOSの機能と連動して効率を上げたり、複数の種類の異なるアプリを別々に並列に使うようなことが必要になるだろう。そんなときには「OS」は必要だ。
そして、それらがプラットフォーム毎に異なっていることは、ユーザの混乱を招く。従来のOSと違って歩き回りながら使うものだから、互換性や暗喩のポリシーには今まで以上に真剣に擦り合わせて貰いたいものだと思う。少なくとも緊急時の危機回避は統一してほしい。
特定の緊急事態に関しては、通常のOSをオーバーライドして警告を出すような仕掛けをぜひ導入してほしい。つまりはじめからOSは複数の独立空間で動く専用のものが幾つか動いていて、最上位のものは全てに割り込めるようにする。それはバッテリの異常過熱、自動車などの接近、緊急地震速報、津波、火山噴火などの警告、線路に落ちそう、道路に飛び出しそう、などといった、秒単位の危険に対する警告である。
次に統一してほしいのは、本人が、周囲を確認しないと危険な場所にいたり、移動している場合の認識と、その認識に邪魔な部分に表示をしない機能だ。例えば歩きながら見える町の情報を知りたいとしても、歩行者にぶつかりそうだったらそこを避けて表示しなければならない、無理なら表示を一時抑制しなければならない、などだ。
視線認識の有無は今のところばらばらだが、これも同様に、注視しなければならないものを注視していないと警告が出るような機能もほしい。例えば信号が変わったのに確認していない、などだ。
アプリやファイルマネージャーの操作法統一などは、これらに比べればずっと重要度が低い。どこかが真剣に考えているのだろうか、ないならぜひ考えてほしいものだ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ダイナミック租税とその指標
今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...
人気の投稿:
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
科学者、医者等であっても発言が必ずしも科学的とは限らない。無自覚ならまだ可愛いが、むしろ素人を煙に巻く悪意すら感じることもある。 量的議論がそのひとつであることは言うまでもないが、もっと以前の問題として、論理が破綻していることの多さがある。 そのひとつとして、ス...
-
新型コロナウィルスへの対応で、医療機関の防護服やマスクが足りないことが話題だ。ゴーグルは違うが、その他は使い捨てであるところがネックになっている。作っても作っても、消費の方が激しい訳だ。しかし考えてみれば、そもそも何で使い捨てなんだろう。細菌兵器用の防護服は使い捨てではない...
-
ガートナーが出しているハイプサイクルによると、生成AIはまだ幻滅期の手前にいるらしい。つまり今後大きな幻滅を経て実用域に進んでいくことになる。その幻滅とは、人間なら当たり前にできることでまだ生成AIにできないことが多く分かってくることによる。そしてその幻滅期を乗り越えるのは、...
-
時代が進むことで、昔のSFが奇異に思えるようなことはよくある。抑揚のないコンピュータ音声や、わざとぎこちなく歩く人間型ロボットなどは、もはや過去の遺物である。スタートレックシリーズに出てくるトリコーダーもその一つだ。 トリコーダー本体、また医療用プローブを手に持って...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
卓上カレンダーのようなものを机に置いておいて、必要に応じてテレビ電話やフォトフレーム、緊急通報など、家で必要とされる様々な機能を集約する機械を考えてみる。 これは、従来は電話やFAXのような位置づけだったものだ。これら以外にも一家に一台の情報機器は考えられるので、それを切り替え...
-
コロナ禍ではあまり本ブログを更新しなかったが、この間は陰謀論が跋扈した時期でもあった。コロナは存在しない、ワクチンは危険、アビガン買いだめ、マスクは意味がないなど、実に様々な陰謀論が飛び交った。 この手の人は今だに存在しており、体感としてはむしろ増えている。それも、身の危険を...
-
自分の知る限りでは、VRChatのワールドで青空文庫が読める図書館があったのと、N高の教室メタバースくらいしかマトモな例がないのが、メタバース内で本を読む方法だ。本や書類がメタバース内で苦も無く読めるようになれば、電子書籍も含めて全部メタバース内に落としてしまいたい、とすら思っ...
-
映画と言えば、今でも娯楽のジャンルの一つとして確立したものではあるが、近年では衰退の兆しがある。そのたびに3DやCGなどのテコ入れが入ってきたわけであるが、ここにきて更に新しい提案ができるようになった。それがタイトルにあるインタラクティブ性の導入である。 とは言っても、...
0 件のコメント:
コメントを投稿