2018年3月25日日曜日

不燃燃料液配管


インフラ整備で一番問題になるのは上下水だ。つまりは液体を通す配管が必要である。これと電線の相性は悪い。同じ技術が使えないからだ。もし同じ技術を使おうと思ったら、電線側に揃えることは不可能だから、上下水側に揃えるしかない。

第一は燃料配管とすること。つまり燃料電池を前提として燃料を各家庭に配管することだ。これは今なら都市ガス管が相当するが、当然可燃性なので同じ扱いにはならない。

もう一つは、レドックスフローなどのフロー電池に使う媒体を使う方式だ。レドックスフロー電池ではバナジウム溶液が代表的なものになる。これは20Wh/L程度必要なので、例えば一般家庭1か月当たり300kWhとすると、15kLあればよいという計算になる。一日当たりでは500Lだ。これは大きめの風呂を溜めるのと同程度であり、配管としてはそれほど非現実的な量ではない。ただ、バナジウム溶液を上水と同じように配管を張り巡らせて流すのは、バナジウムの希少性からしてあり得ない。

そこで考えるのが、第三の方法だ。これは燃料配管の一種だが、流す液は液化ガスなどではない。ノルマルパラフィンエマルションだ。

これは、潜熱型蓄熱材、つまり冷暖房用の媒体としてよく利用される液体で、牛乳のような、水の中にごく細かいパラフィンの粒が大量に漂っているものだ。それだけで燃えることはなく、安全だが、このパラフィンは文字通り固体油で、ろ過して水を切って熱を加えることで液体油になる。一方の水は浄水して上水になる。

つまり、ろ過分離装置が必要にはなるが、ノルマルパラフィンエマルション管があれば、上水管と電気配管は不要になる。また面白いことに、本来の冷暖房用媒体としても当然使用可能、つまり地域冷暖房にも使える。

ろ過分離装置を前提とするということは、上水に強い圧力を加える必要はなく、また需要の幅も穏やかになる。殺菌も緩くてよい。配管技術は上水より若干易しい程度で十分になり、電柱は不要になる。通信はこの際無線で閉じてもらおう。

エマルションの混入率をどうするかが分からないが、上手くいけばインフラの経費を大幅に減らすポテンシャルがある。検討に値するのではないか。

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