2018年3月13日火曜日

火薬燃焼型空中ディスプレイ


従来からある空中ディスプレイの方式には、いろいろなものがある。
  1. 霧や煙にプロジェクタ投影するもの
  2. レーザーで空気をプラズマ化するもの
  3. 高速回転するLEDを使うもの
  4. 鏡やハーフミラーを使うもの
  5. 発光体を空中に浮遊させるもの
  6. 特殊な半透明スクリーンを使うもの
一番過激なのがレーザーだが、本当に空中に絵を描いていると言えるのはこれだけだ。空気をプラズマ化するので相当な高温になる、発光も単色になるなど問題は少なくないが、これ以外に考えられる方法でまだ実現できていないものがある。それが、

「超音波で空中に浮遊させた粉体をピンポイントで燃焼させる」

という技術だ。これを説明する。

超音波スピーカーアレイを使った「音響放射圧」で空中の任意の位置に圧力を生じさせる技術は、何年も前から既に実現されていて、これでごく小さなものを浮かせることは可能だ。これを利用して、特定の炎色反応を生じる粉(花火に使われるのと同等のもの)を連続的に供給し持ち上げてやることは可能である。

そしてこれに火をつけるのも同じく簡単だ。弱いレーザーをマトリクス状にして交差させ、その位置で発火点を超えるように出力を調整すればよい。つまり、任意の位置に粉を持ち上げて、そこでレーザーで点火する。粉の量によって光強度ないしは発光時間が変わり、粉の質によって色が変わる。

粉でなく、燃焼時間を制御できるような粒が開発できるかもしれない。それに加え、液晶画面のように、位置によって色を変え、それを何層も重ねれば、(解像度の問題はともかく)三次元で任意の色の立体を表現することが可能になる。

粒の供給や制御は相当に難しいと思うが、後は制御速度と精度のみの問題であり、原理的には問題はないはずだ。もちろん燃焼を伴うのでそれなりに注意は必要だし、粒の供給が必要な点は不利ではあるが、カラー立体映像を出す空中ディスプレイとしては相当に興味深いものになるだろう。

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