2018年3月4日日曜日
自己修復樹脂応用バルーンジャケット
寒い季節に活躍するダウンジャケットだが、これには欠点もある。圧力に弱く、例えば寝袋にすると背中が潰れてしまい、保温性に欠ける。水に濡れるとやはりしぼんでしまい、保温性が保てなくなる。
非常にマイナーだが、ジャケットを空気で膨らませる構造の保温機構もある。空気で熱を遮断する発想は同じだが、エアーベッドなどと違って細かく気室が分かれている。そうしないと、対流で熱が奪われるからだ。
構造が複雑になる分、壊れやすくもある。そして、どこか一か所でも破れたら、そこから空気が全部漏れてしまうので、断熱ができなくなる。この欠点を克服するのに、自己修復樹脂の特性を使ってみてはどうか、と考えた。
まず、気室は六角形として、その各辺の真ん中がお互いに繋がっているようにする。ここは、空気を膨らませたりしぼませたりするときの空気の通り道になる。
ここに穴が空いたり裂けたりしたときにどうなるか、がポイントである。この上下のフィルムは、一度切れても、切れ目同士を押し当てて放置するとまたくっつく、という自己修復樹脂で作るものとする。
但し、全面をそのまま露出してしまうと全部くっついてしまうので、自己修復しない樹脂でサンドイッチされている。ポイントは、この通常樹脂の厚さは、自己修復樹脂の厚さよりずっと薄く作る。というところだ。また、二枚の間でくっついているべきところ、すなわち各六角形の辺の大部分は、この保護フィルムがなく、露出している。
つまり、もし破れたとしても、空気を抜いて形を整えてやれば、切れ目同士が合わさって自己修復する、ということになる。
また、辺の真ん中の空気の通り道も、ごく細い露出を残しておくことにより、空気を出し入れする時には破れて空気が通り、定常状態ではくっついて断熱効果を高めるようなことも考えられる。
例えば冬山の登山で、バルーンジャケットが使われることはまずあり得ない。穴が開いてしまえば使い物にならなくなるようでは、それこそ命に関わるからだ。しかし自己修復機能があるのなら、検討に値するものが出てくるかもしれない。また、例えばテントの断熱なんてものは夢物語だったが、これなら可能性がある。
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