2018年3月29日木曜日
スキンディスプレイ
http://japanese.engadget.com/2018/02/20/skin-display/
皮膚に貼り付け可能な電子回路やセンサは幾つか見てきたが、ディスプレイというのは面白い。それに耐久性もあり、実用化には近い位置にあるそうだ。材質はゴムシートらしいから、作り方にもよるが防水性を備えることはできるだろう。無線給電によって接点なしに作ることも可能だ。
この技術の肝は、硬いLEDと柔らかい配線の接合負荷軽減技術にあるそうだ。すると当然、LEDではなくセンサやICチップでも同じ技術が使えるはずだ、と考えられる。すなわち、センサや計算機能も搭載可能である。
ただ、実際のところ、スマホや腕時計、指輪などに仕込めば済むことだ。皮膚に貼り付ける必然性がある用途は限られている。それはどのようなものになるのだろうか。
その一つは、温泉やプールだ。多くのプールでは腕時計不可だが、その理由は周りの人を傷つけないためだ。だがこれならゴム素材だからその心配はない。もし時刻と着信表示だけでも可能な軟質の手の甲(ないしは腕時計型)ディスプレイがあったら、認められるようになるかもしれない。
ただ、着信表示をするには携帯電話相当の半導体と電池が必要であり、ほぼ不可能だ。そこで考えるのが、LPWAを使った携帯電話~ディスプレイ間通信である。LPWAチップなら小さく作れ、消費電力も少なくてよい。携帯電話をロッカーに預けた状態でも操作可能で、ついでに携帯電話の盗難防止にもなる。
試作では数日皮膚に貼っておいても問題なかったそうだ。であれば24時間監視の何か、例えば生体モニタ的な用途にも使えることになる。心電図だと大げさだが、異常検知(心室細動や卒倒、異常低体温、てんかん症状など)、熱中症警戒、一酸化炭素中毒警報、などは考えられることだ。
肌に貼らずとも衣服に付けることを考えるなら、スポーツ選手には色々と応用ができそうだ。単純にゼッケンやスポンサー広告を流したりするのはその一つだろう。他にはラップタイムやルール判定(タッチ、ラインアウト、ペナルティなど)を表示することもあり得る。単純に鬼ごっこの鬼(タッチされたら入れ替わる)などにも使えそうだ。
手のひらに携帯電話を埋めるというのは「トータル・リコール(リメイク)」の描写だが、手の甲に貼り付けるディスプレイというのは結構普及するかもしれない。
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