2017年10月31日火曜日

機器移行の罠


スマホが便利になってきて、調子に乗って色々と機能を入れてきたのだが、ある日ハッとなった。機器移行が格段に難しくなってきているのだ。ここらで少し整理してやらないといけない。
  1. まずはFelica系のサービス。おサイフケータイなどに登録されているサービスの一つ一つは、移行の手順が違う。機種変更前に操作が必要なもの、手続きから変更完了までに時間制限などがあるもの、無効になってしまうものなど色々あるはずだが、把握していない。
  2. 2要素認証にスマホを使っている場合。これは2要素認証を一旦無効にし、新しいスマホで再度有効にするものが殆どだと思う。
  3. 指紋、虹彩、顔などの生体認証データを本体内に内蔵している場合。これは消すだけでOKだ。
  4. 本体内のみに保存されているデータ。これには、後からインストールするアプリだけでなく、プレインストールやOSレベルのものが含まれる。例えばWiFi接続やVPNの設定・パスワード、本人データなどだ。
  5. キャリアを乗り換える場合、キャリアメールを登録しているサービスへの変更手続きが必要だ。できればキャリアメール必須でないサービスが望ましいのだが、それしか認めないサービスもある。もちろんメールデータそのものも移行が必要になる。
  6. サービスの先に繋がっているサービス。要はアカウント連携だ。
  7. 意図せぬアカウント停止なども考えられる。不具合も含め、バックアップするのが望ましい。
それにしても、機器ローミング技術は一時期騒がれたのに結局は元に戻ってしまっている。何とかしてほしいものだ。こういうものはベンダの正しき対応みたいなものは期待できないから、AIで引っ掛けるような方法が望ましいように思う。

オンラインサービスはどんどん出ては消えて行っているので、メール登録だけでも何十何百とあるはずだが、把握できていない。これらは定期的に見直し、リストにしておくのが望ましいと考える。

今度やってみよう。(何時?)

2017年10月30日月曜日

ワイヤレス給電の未来


http://japanese.engadget.com/2017/09/19/30cm-pi-qi/

ワイヤレス給電は最初のQi以来あまり進展がなく、やきもきしている。実験では色々出るのに、製品になってくれない。そこへもってきてこのPiだ。

Qi互換なら普及も早いだろう。だが、Cotaの10mというのも侮りがたい。個人的にはCotaの方が魅力的だと思う。ワイヤレスというからには距離も重要だ。Cotaのトランシーバーはデカいが、あれは天吊にしてしまえばよい。そうなると最低でも真下の2m、斜めなら5mは欲しいところで、30cmというのはあり得ない。一方で、Cotaの送電能力は最大1Wと、Piの20Wに比べ余りにも少なく、これは厳しい。

市販されているような家電が全て無線にできるための条件を考えてみると、壁際コンセントの代替として30cm・200Wは欲しい。この200Wは冷蔵庫や洗濯機であり、エアコンは対象外だ。だがこれら大型家電は別に有線でも構わない。一度設置してしまえば滅多に動かさないだろうからだ。テレビが微妙だが、Blu-rayレコーダーと合わせてこれも有線でよいだろう。

無線にしたいもののなかで消費電力が最大のものはPCで、50Wあれば御の字だが、10Wでも何とか我慢できる。使用しない時間に充電すればよいからだ。だがその場合は、最低でも3mが必要である。30cmではダメだ。

遠くで電場や磁場を集中させるには、アレイアンテナを使って個々の出力や位相を調整する、またそれをリアルタイムで制御する必要がある。だがそんなことはとっくの昔にやっているだろう。恐らく問題は精度であり、またエネルギーが集中することで火事や火傷の心配があることだろう。10Wでも集中すればハンダが融ける。

精度の方は、搬送波の周波数を上げることがひとつの解決策になる。Cotaは2.5GHz帯だが、これをいっそ25GHz帯まで上げてはどうだろうか。それでも室内で使うには問題あるまい。またアンテナを広くとり、タブレットであれば裏面全面でくまなく受電するように分散すれば、エネルギー集中の問題は軽減される。

現在でもCotaは反射波を利用しているので、周波数が上がること自体は根本的な問題にはならないと思う。後は周波数帯の使用許諾が問題だが、まずは作ってみて動くことが実証されるのが先だ。そしてもしこの方式が可であれば、大型家電は面積も広いから、無線にできる可能性が出てくるというものだ。

2017年10月29日日曜日

薄味宅配食


カット済みの肉野菜を一食づつのセットにして宅配する、弁当を冷凍して宅配する。調理加工の程度は色々あるが、こういったサービスが広まっている。

個人的には興味があるのだが、家人の反応はいまいちだ。その理由は三つある。まず、素材の素性が分からないこと。これは農薬使用の有無や栄養価、素材の高級さ度合いなどが考えられる。次は味付けが固定であること。我が家は一般世間より薄味が好みであり、辛いものが苦手だ。三つ目は価格。個々に買うより高いのが一般的だ。

第一については宅配業者を選べば回避できる。第三は普及度合いによって競争が起きれば自然と下がるだろう。問題は第二だ。

素材のみのキットというのは余りなく、ソースが付いているのが基本だろう。それを捨てるのももったいないし、使わなければ調理の手間はあまり減らない。そこで提案だ。始めから「薄味です、味付けは必ず家庭で追加して下さい」と謳ったキットにするのだ。

この手のキットとコンビニ弁当の根本的な違いは、「一手間が必要なことによる(主に)主婦の後ろめたさの解消」にある。手抜きはしたいが、弁当が並ぶのは何となく後ろめたい。その隙間をついた商品なのに、味が固定されていたのが今までのものだ。これでは家庭の味にはならない。

濃い味を薄くすることはできないが、その逆は可能だ。始めから薄味にしておいて、家庭で味付けを足す前提の商品であれば、塩分が気になる人は出汁で味を付け、辛いのが好みなら辛子を掛け、あるいは子供と大人で味付けを変えてやることもできる。これは充分に「一手間」であり、後ろめたさの解消としては充分だ。

別に提案しているCAS冷凍と合わせ、素材をストックとして持っておいて、必要に応じて組み合わせることでオリジナルのおかずもできるだろう。キャベツを玉で買ってきて表面の何枚かを捨て、芯を捨て、とするよりも、この方がゴミも減るし、日持ちが良ければ買い物の融通も効く。後は企画の勝負だと思うのだが、如何だろうか。

2017年10月28日土曜日

家のOS


だいぶ前だが、有明のパナソニックセンター東京に行ったことがある。あそこには未来の家の展示コーナーがあるのだが、多くの情報は壁やテーブルなどに表示されていた。このために、各部屋の天井や壁などには多数のプロジェクタが埋め込まれていた。TRONハウスの時代はまだプロジェクタ投影はあまり現実的ではなかったが、今では安価なレーザープロジェクタが幾らでもある。恐らく未来の家は本当にあのようなものになるのだと思う。

ここをもう少し深彫りして考えると、部屋に汎用のプロジェクタが複数設置されていて、スマホのOSとは別のソリューションが動いている。これがスマホないしは本人識別と連動して、必要な情報を表示する。通常のOSは画面が定まっているが、こちらは画面の大きさや向きに様々なバリエーションがある。例えば映画を床に映されても困るだろうし、寝てもいないのに天井に映されても困る。だから表示域と解像度、人の位置についての情報から、何処に何を表示するかはインテリジェントな判断が必要になる。UIも音声と投影映像へのタッチが主流になるはずだ。

未来のコンセプトとしてデモをする人はいても、ここのOSを真面目に考えている人はどれほどいるのだろう。音声はそろそろ出始めているから、プロジェクタ投影も含めて総合的なOSを考えてみてもよい時期ではないだろうか。

従来の「何を映すか」に加え、「何処に映すか」を属性として毎回定めなければならない。それは、部屋の何処に誰がいるか、指示をしたのは誰か、あるいは誰に向けた表示なのかを配慮する必要がある。それは今まで無かった情報なので、付け加えるか推測するかをする必要がある。

もう一つは、映し出す大きさや形だ。場所によっては不定形(角のないテーブルなど)の場合もあるし、邪魔者(壁の時計やカレンダー)を避けて映す必要もあるはずだ。壁の色も色々だったり、立体的な意匠があるかもしれない。これらはリアルタイムで変化する可能性があり、つまりはカメラや距離センサなどでモニタする必要がある。

音声も、単純に部屋全体に聞こえるようにするのではなく、超指向性スピーカーを使って特定の場所にだけ出すようにする必要があるかもしれない。

これらの要素から、まず①部屋の何処に誰がいるかを把握するセンサ、②部屋の立体的な形状や色・明るさを把握するセンサ、③部屋に配置されたプロジェクタとスピーカーの位置や特性のインプット、④任意の形状のウィンドウ(穴空き、角欠けなど何でもアリ)に対して映したい情報(要素)を綺麗にレイアウトする技術、⑤個人を特定できる高度な音声認識センサ、⑥ユーザのジェスチャを認識するセンサ、⑦アプリ毎にその目的・提示対象・属性を類推するAI、が必要になる。

一般の部屋に簡単に導入できるようにするには、部屋の高い位置への設置が望ましい。これには、シーリングライトと交換する形や、高い棚の上への設置が考えられる。天井から吊り下げるのは、少なくとも賃貸では困難だ。

そうして設置しておいて、スマホを使ってキャリブレーションを行う。空間把握には、Project TangoやARKitなどが使われるのだろう。それが終わればいよいよ接続開始だ。

OSの基本は、アプリケーションが出す情報を、適切なタイミングで適切な場所に表示することだ。このため、アプリケーションはそれ専用になる。例えば画面設計は不要で、表示すべき要素個別の設計は必要だが、配置やサイズはOS任せになる。ボタンなど、GUIの入力は基本的には無くなる。音声又はジェスチャーでの操作になる。

複数のアプリケーションが表示されているときに、ユーザがどのアプリケーションに対して指示をしているかをOSが見極める必要がある。これは、表示されている画像に向かって行うことで実現する。また、少なくとも初期においては操作ミスやOSの判断ミスが頻発するので、一つ前の状態に戻す操作だけは確実に行えるようにしておく。

複雑な操作に関してはどうしてもタブレットなどが必要になるので、それも用意しておく。こちらは従来同等の操作体系になる。

基本ソフトとしては、カレンダー、時計、天気、スケジュール及びリマインダ、照明演出、静止画(フォトフレーム)、動画(環境映像・映画・テレビ・ネットテレビ等)、音楽、ニュース・キュレーション、レシピ、防犯防災、インターホン、音声/テレビ電話、コンシェルジェ(音声アシスタント:検索・問合せ・暇潰しなど)、旅行計画、くらいがあればよいだろう。HAはオプションでよい。

ソフトは基本的に独立ではなく、既存のスマホソフトやWebサービスと連動するようにする。スケジュールはGoogleカレンダーとか、防犯防災はYahoo!防災情報とかだ。表示のところだけをカスタマイズする。そうすれば既存のサービスも参戦しやすい。

シーリングライト型の場合、下向き(テーブル)、壁向き1~2箇所(方向可変)のプロジェクタを付けたタイプで、10万円以下くらいが初期のモデルであれば売れるだろう。少なくとも自分なら欲しい。

2017年10月27日金曜日

「知らないこと」の齟齬


以前の投稿『「豊富」な未来』において書いた言葉だ。AIが作成する豊富なニュース記事、事実の提示などが普及することによって、一定の共通するデータを基にした議論が、何時でもどんなことでもできる社会、というものを考えてみた。

単純には差別偏見の類が減る、ということは言えると思う。例えば犯罪の発生数は、いつの時代でも増えていると感じがちだが、実際には減っているとか、外国人が増えると犯罪が増えるという感覚が、実際の犯罪発生件数や外国人比率が数字としてわかることで間違いと分かる、といった類の話だ。また、議員がよくやる「詭弁」の類もチェックされることになるだろう。

米国でトランプ氏が大統領になったとき、(詭弁どころではなく)あまりにも発言に嘘が多いので、新聞がこぞってファクトチェックをやり出したが、あれは人手で行っている。このため偏りや恣意の懸念が払拭できないし、トランプ氏以外との比較にもなっていない。あれを自動で、例えば発言のテキスト化と同時ぐらいに行うことができれば、世の中もかなり変わってきそうに思う。

従来、音声でコンピュータに尋ねられることと言えば、行先への経路や天気くらいだったが、この社会では、「誰それが今発言したことは本当か?」「それはどの程度重要なことか?」「根拠は何か?」「世論はどの程度指示しているか?有識者は?自民党支持者は?」といったことが尋ねられる。あるいは、テレビの字幕で「ホント」「ウソ」と表示される。為政者にとってはやりにくいだろうが、ウソで扇動されるようなことがなくなれば、世の中は少しは丸くなるのではないか。

2017年10月26日木曜日

カードサイズ端末


最近のスマホはどんどん軽く薄くなってきたが、画面サイズはむしろデカくなる傾向にある。このサイズだと既にワイシャツのポケットからははみ出し、尻ポケットにも安心して入れられない。スマートウォッチは逆に小さすぎて殆ど何も表示できない。この間を埋めるサイズとして、名刺/クレジットカードサイズが考えられる。

この端末がスマホと大きく違うのは、胸ポケットに入れれば完全に隠れ、尻ポケットに突っ込んで椅子に座っても曲がることがないほど丈夫、というところだ。名刺入れや定期入れと同程度のラフさで扱える。当然防湿防水である。使用温度範囲も広くとる。バッテリの持ちも、スマートウォッチに比べても随分よくなるだろう。

スマートウォッチと同様、このカード端末(仮称)も独自OSであり、操作体系も異なる。表示の主体は「通知・表示」であって、例えば長文を入力するのには向かない。但しその表示面積は広いので、一度に多くの情報を表示できる。

複数の表示を、あるいは長文の表示をページ単位で切り替える、カード型の表記ができるとよいと思う。通知まではセキュリティ不要で出せ、アクションを起こすときに改めてセキュリティ措置を施す(パスワード入力など)ようにする。場所をトリガとして表示を切り替えることもできるようにする。

カードというサイズから想起できるように、これは各種のIDカードとして機能するようにする。例えば会社では社員証兼入退館セキュリティ、店舗での支払いなどにクレジットカードや電子マネーとして、あるいはSuicaとして、家の鍵として、各種会員証やポイントカードとして機能するようにする。それも位置連動として、不要な候補は出さないようにするのがよい。

もっと公的なものも入れてよいと思う。免許証、保険証、パスポート、国家資格証の類だ。これらはFelicaと連動して真正性を確認できるようにすればよいし、表示自体にもセキュリティを掛けるとよい。

スマホやスマートウォッチと異なり、ICカードに近いイメージでのセキュリティを確保する。簡単には故障せず、分解も困難であり、修理には何らかの公的認可が必要、などとしてやる。この前提で、公的証明書を多数集約できれば、初めてカードフリーな時代に突入できる。

位置や時間連動のリマインダもあると便利だ。帰りがけに頼まれた買い物をするときに買い物メモが表示されると便利だろうし、テレビで紹介された洒落た店を登録しておくと、近所に寄ったときに教えてくれる。今のスマホにもあるが、なかなか使いやすい場所連動のリマインダがなくて苦労している。あるいは、旅行日程アプリのようなものと連動することも考えられる。電車や飛行機などのチケットから入国審査カードまでこれに入れば、空港をこれだけで通過できる。

事前にある程度の作業をスマホやPCでやる必要があるにせよ、数日程度の旅行であればこれだけで済む、リマインダから支払まで全部これ一つ、という世界も、夢ではない。

2017年10月25日水曜日

電子会員証と電子スタンプの無償化


スマホ全盛の時代なのに、Apple PayやAndroid Payに対応する会員証やポイントサービスはなかなか増えてくれない。街の小さな独立系の店舗では、未だに紙の会員証にスタンプを押していたり、小さなチケットを発行したりしているが、この程度の店舗でも導入可能なくらいに敷居を下げてやらなければ加入してくれない。

その大きな敷居とは、「タダかどうか」というところだろう。実際には紙の印刷代などが掛かっているが、ランニングコストが月数百円でも抵抗がある。更に、スタンプに匹敵する簡単さが必要だ。

Android PayでもApple Payでも、バーコードやQRコードの表示をするところまではできるので、これを読むスマホとソフトがちょっとあれば良いはずだ。実は似たような店舗用サービスは存在しないことはないのだが、どうも商売っ気がありすぎて、無償で提供できるところまで行っていない。例えばバーコード付き会員証を有償で印刷しますとか、一日何回以上の利用が必要だとかだ。

そうではなく、店舗が用意するのはスマホだけ、しかもWiFiが繋がればよいので私物でも構わないし、当然中古でもよい。SIMカードすら要らない。後はWiFiがあればよい。Webサービスもタダで提供する。ここまですれば、採用してくれるのではないか。

Webサービスとして提供するのは単純なデータベースであり、そのような小さな店舗ならトラフィックも殆ど発生しないはずだ。AWSの一番小さなものでも充分対応できる。

もちろんこれだけでは儲からないから、Apple PayやAndroid Payに対応するのではなく、専用のソフトで実現するものとして、ここに広告を入れればよい。広告収入型にすることにより、ビジネスとしても完結できる。

2017年10月24日火曜日

今のスマホは薄すぎる説


最近のスマホはどんどん薄くなってきていて、そのせいか必ず背面カメラがちょっと飛び出しているのが定番になっている。不愉快極まりないのだが、フラットな適当な機種がないため仕方なく使っている次第だ。

個人的には以上薄くも軽くもなってくれなくて結構(タブレットやクラムシェルではまだ軽くなってほしいが)。それよりも持ちやすさや機能にもっと力を注いで欲しいものだ。

先ほどのカメラだが、スマホのカメラがコンデジに決定的に及ばないのが光学ズームだ。いくらデジタルズームが進歩しても、ズームアップしたときの解像度が落ちてしまうことを考えれば、子供の運動会をこれで済ませてしまおうとは思わない。また、本体が熱くなると撮影そのものができないが、いざというときこれでは使い物にならない。これは薄さのために犠牲になった機能の一例だ。

また、最近は全面ディスプレイが流行のようで、iPhone Xなどはちょっとやりすぎに思えるし、Galaxyシリーズのラウンドエッジは片手での操作がしにくく、誤動作も多いのが不満だ。先日もソフトが暴走し、電話が掛けられなくて焦ったことがある。機能性能を優先するのもよいが、信頼性が落ちては意味がない。

コンピュータシステムが複雑になると、機能そのものよりもシステムの健全性をチェックするソフト、いわゆる管理ソフトが増える傾向がある。例えばCPUやネットなどの高負荷をチェックしたり、暴走を監視する、メモリが減ってきたら警告する、などだ。スマホにもそろそろこういうものが標準で付いてきて、信頼性を損なう事態を事前に防止する仕掛けが必要なのではないかと思う。

閑話休題。もしあと1mm厚くてもよいから実現して欲しい機能があるとすれば何だろうか、考えてみると、やはりトップは光学ズームなのだけれど、現状では難しいだろう。以前提案したレンズなしカメラにズームの機能が付けられるかが分からないのだが、もしできるならこれをお願いしたい。もしかしたら、ズームを実現するためにはカメラを2台、3台と配置することが必要かもしれないが、レンズなしカメラならそれも可能だろう。またこのために計算能力も倍増するだろうから、バッテリと(専用かも)CPUを余計に搭載するというのはアリだ。

長時間稼動もお願いしたいものの一つだ。現状では毎日充電が必要だが、1週間に1回程度にまで減らしてもらえるとありがたい。これなら予備バッテリを常に持ち歩かずに済むし、殆どの小旅行ではACアダプタを持っていかずに済む。防災リュックに予備の電池を入れる必要もない。

防災という観点で言うと、FM/AMラジオを内蔵して欲しい。今のスマホにはワンセグが入っているけれども、あれではバッテリの消費が著しく屋内での感度が悪く、ほぼ使い物にならない。radikoもあるが、基地局が輻輳ないしは機能停止すればやはり使えない。また、FMラジオがあれば、緊急地震速報にも対応できるはずだ。携帯電話の基地局よりFMラジオの放送の方が信頼性は高い。

また、Bluetoothイヤホンが一体で納められる窪みがあると嬉しい。最近のBluetoothイヤホンは、耳の穴にも入るほど小さく、磁石で充電端子にくっつくタイプがあるのだが、これと前述のラジオが組み合わさると、ポータブルラジオも捨てられる。イヤホン端子も不要になる。

後は需要との兼ね合いになるだろうが、天候関連のセンサ(温度湿度風向風速)、ガスセンサ(排気ガス、一酸化炭素他危険ガス検知、アルコールチェッカ)、赤外線センサ(体温含め)、赤外線LED(リモコン、光学鍵)など、センサ山盛りにしてほしい。

2017年10月23日月曜日

機械学習の量的議論


人の脳細胞の数は21億だそうだ。今の機械学習に使われるノードの数に比べれば遥かに少ない。ハツカネズミですら4百万もある。

2016年にGoogleが発表した有名な猫の画像認識で用いられたのは、コンピュータ千台で3日間だという。画像は一千万枚、ノード数は画素数×9階層で、画素数は200×200ドット、RGB。ノード数は36万ということになる。

21億のニューロンに比べれば数の差は6千倍だが、人間の脳は正確な階層をなしていないから、複雑さはそれ以上だろう。この「36万」という数は、その学習に適切だから出されたわけではない。階層が多いと不具合が色々と出ることは分かっているが、それはあくまでその学習に対してであって、汎用のAI(AGI)を想定したときには、実は必要な不具合なのかもしれない。

何を言いたいのかというと、人間の脳と同等、あるいはそれ以上の規模のニューロンネットワークができれば、それだけでAGIとして成立するのではあるまいか。脳の記憶の仕組みは、セル単位で見れば意外に単純で、網の複雑さこそが記憶の本質なのではないか、ということだ。

「AIにできない」とされていることの一つに「少ない情報からの判断」というのがある。だが、これと比較されるべき人間は「少ない情報」の状態にはない。生まれてからその判断をするまでの間、視覚触覚味覚、あらゆる情報を(その判断とは関係ないとはいえ)何十年も得てきているのだ。AIと同じ比較をするなら赤ん坊(それでも胎内での経験があるから不公平だ!)とすべきで、当然勝ち負けは成立しないだろう。

肉体がないから脳と同じ経験をするわけにはいかないし、ネットに溢れる情報が人間の何十年かの体験と同等かどうかは分からないけれども、充分にセル数が多いニューロンネットワークにそういった情報をブチ込んだら、理由は分からないがAGIが出来てしまった、などということがないとは言えない。

それをどうやったら検証できるのだろうか、考えあぐねている次第である。


2017年10月22日日曜日

ネットカフェ+コインランドリー


タイトルだけで詳細を話す必要もないくらいだが、この二つを併設して自由に行き来できるようにする、あるいは同じ空間に作ってしまう、というのはどうだろうと考えた。

コインランドリーは最近ハイテク化しているらしい。中でもスマホでの仕上がり通知は興味深い。元々コインランドリーは暇潰しが必要だから、軽い飲食や雑誌を置くなどはされてきたわけだが、もし同じWiFi内でコンテンツ配信などと共に仕上がり通知が来たら、それまではオンラインゲームで遊んだりネットサーフィンで時間を潰し、通知をきっかけに長居せずに終わってくれるのではないか。

もし通知から何分以内に取り出さないとペナルティがあるとか逆に加算があるとか、コインランドリー独自のゲームと連動していたりすると面白い。ポイントで飲み物が得られるとか次回の割引を受けられたりするというのもよい。洗濯は定期的に必要なものだから、ゲームをした方が安くなるならゲームをするだろう。プラスプラスのモチベーションがあれば、ここも流行るのではないか。

2017年10月21日土曜日

規制の効果


出ては消える、繰り返し議論に上りつつなかなか結論が出ないことの一つに、暴力や性表現に対する規制がある。映画、ゲーム、書籍などにおいて、規制を掛けようとする側と阻む側の論争になる。

この論争が集結しない大きな理由は、学問的な背景を持たずに議論しているからだ。要は本当に規制が効果を持つのか持たないのかを、誰も調べていないのだ。

小規模な研究や片側の支援による(信頼できない)調査については幾つか見たことがあるが、何れも議論には不十分なものだ。だから、これに対する結論はただ一つ、「さっさと調査してみればよい」、それだけだ。

もちろん、公平かつ大規模な調査というのはそれなりにカネも時間も掛かるし、出た結論に対して反対側の意見の勢力からは異論も出るだろう。だからカネも時間も掛けた結果、やはりよく分からないままになる可能性は低くない。それは無駄なのだろうかと言えば、そうではないと思う。大した結果が出なければ、問題自体が大したものではない、どっちでもいい、ということなのだから。

個人的な意見としては、平均から著しく外れた極端な性癖の人たちを除けば、一定以上の極端な表現には生理的嫌悪を感じ、例え規制がなくなったとしても見ないと思う。全面解禁することで、そういった極端な人が起こす犯罪は若干増えるだろうが、母数が少ないので大きな影響はないと見る。

一方で全面禁止した場合は、平均的な人の欲望が昇華されない状態になるため、やはり犯罪は増えるだろうが、こちらは母数が大きいので影響は相対的に大きくなると見る。今の規制である「18歳以上」「15歳以上」などという制限は適度の範疇(本当に最適かどうかは分からないが概ね適正)にあり、大幅な増減をする必要はない。

日本にはないが、米国の銃規制なども意味は同じだ。調査してみればよい。こちらは生理的欲望云々とは少し事情が違い、犯罪と直結する話なので、正しく規制すれば大きな効果が出ると考える。あれで理解不能なのは、米国で提案されている銃規制は全面規制ではなく、登録制や事前審査をしようという話なのだから、「自衛のために持つ」はずの一般人に対してはさほど影響がないはずなのだ。それでも反対が多いというのはどういう意味を持つのか。修正三条がそれを認めないとも思えないのだが。

2017年10月20日金曜日

ウィンドウ文化は廃れる?


UNIXのX、Windows、MacOSで使われているウィンドウは長年使用されていたが、スマホでは全画面操作が基本である。タブは使われているにせよ、任意の大きさのウィンドウというのは時代に合わなくなってきているのではないか。

全画面、半画面があれば、後は1/4、1/8と分かれるのでよい。これなら画面設計も楽だし無駄なスペースもない。ファイル中心操作のWindowsではそれでも残る可能性があるけれども、マイナーになる可能性も否定できない。

今後、ウィンドウが生き残る場があるとすればVR、MRの世界だと思うが、それでも今のように完全に自由なサイズ変更が必要だとは思えない。あらかじめ定められたOSの指定サイズの中から幾つかを選べるようにする、という方が、自然だしユーザに対しても親切ではないか。例えばウィンドウのサイズによって押すべきボタンが隠れてしまうなどというのは不親切極まりないことだが、今のウィンドウでは普通に起こり得る。

タブレットやPCでは画面サイズからの制限があるが、VRなどではその制約はないため、形も含めてサイズはむしろ自由になるのだが、あまりにフレキシブルではUI設計が大変になる。映画に出てくるようなUIでも、サイズフリーなものはあまりない。ウィンドウ同士の重なりまで含め、ウィンドウ中心のUIは見直される時期にあると思う。

これはむしろ、VR時代のUIとはどのようなものになるか、という視点で語られるものになるのだろう。これについては別に検討してみる。

2017年10月19日木曜日

安室奈美恵の科学


先日、同氏が引退を発表した。世間はかなり騒いでいるようだ。自分もびっくりした。

氏が尊敬に値するところは、一流のダンスを踊りながらも口パクなしで歌い続けるところだ。これだけできる人は日本では恐らく氏くらいだろうし、世界中で考えても思い当たらない。

これを科学的に考えると、実は物凄いことなのではないかと考えている。

激しいダンスは、100m全力疾走とは言わないまでも、中距離走くらいの負荷は掛かっているはずだ。普通の人間はこれに対応するのに呼吸するのが精いっぱいで、歌うなどとんでもない。歌は、当たり前だが息を吐き続けなければできないから、吐いている時間と吸っている時間の比率(吐いている時間÷吸っている時間)は1を大幅に超える。恐らくは4か、それ以上になるはずだ。これに対して、普通の呼吸では1になる。このため、息を急激に吸うための肺の筋肉が強く、且つ気道を大きく開けて吸気のノイズを押さえるための喉の筋肉も強くなっている必要がある。

また、この状態では、肺の空気内の酸素量が少ない状態が長く続くため、肺から血液への酸素取り込み能力も強くなければならない。これは筋トレなどでは鍛えられない。生来のものがあったにせよ、何か特殊な訓練を行っているのではないか。

比率だけでなく、このサイクルは当然歌によって変わり、多くは2拍子の倍数で目まぐるしく変わる。例えば四分音符120(一分当たり120拍)だとすると1拍0.5秒だから、4拍で2秒、だいたいこれの倍数になる。2秒の場合もあるし、8秒の場合もあり得るわけだ。単純に肺活量が求められるだけでなく、体内の酸素量が歌の都合で激しく増減するのに耐えられなければならない。

もう一つ、ダンスをするということは、体が激しく揺れ、時には強い衝撃が掛かる。そのような状態で歌を歌えば、普通は衝撃に沿って音程や音量が乱れてしまう。ダンスをしながら歌うときに口パクが多用されるのはこのせいだ。それを避けるためのテクニックは二つあり、一つは衝撃を肺から喉までの期間に伝えないために、特に足から胸にかけての筋肉を制御して衝撃を吸収すること。もう一つは、胸郭の筋肉を緊張させることで衝撃にも揺るがないようにすることだ。恐らく両方やっているものと思う。

このためには、ダンスのための筋肉だけでなく、いわゆる内転筋の鍛錬が必要になる。肺にしても、単純な呼吸だけでなく、吸気と呼気の両方の筋肉を同時に緊張させてゆっくり吐く、といった動作が必要になる。

マラソン選手の呼吸や心拍は極端に遅いとか、赤血球の数が多いとかいう話は聞いたことがあるが、氏の場合も同様、血液や呼吸、筋肉などが常人をかなり超えているのではないかと推測する。バラエティで人間ドックに掛かったりするような人ではないだろうが、ちょっと興味がある事象ではある。

また、これも余計なお世話だが、アスリートとしても成功した人かもしれない。

2017年10月18日水曜日

ネットショッピング改革


かつての日本の至る所には、街の電気屋さんがあった。文房具屋さん、野菜屋さん、魚屋さん。それらは全て、スーパーマーケットやショッピングモールが吸収していった。これが全部通販に変わる兆候はないけれども、それがあるとすれば突破口は三つある。一つは、VRによるUI。二つ目は、実物のピックアップ。三つ目は、宅配ボックスの普及である。これらは全部が必須と言うわけではなく、どこから取り掛かってもよい。

まずUIだが、今のショッピングサイトのUIは、検索かジャンル分けに曖昧さと推奨を付け足したものが殆どだと思う。これが決定的に不満なのは、一度にせいぜい10種類くらいの商品しか見えないことだ。これがもし実際の店舗だったら、ざっと見回すだけで数百種類の商品が見えるはずだ。

Webブラウザの感覚からすると、Webブラウザ自体の操作も必要だし、せいぜい8~15インチの大きさしかないからしょうがないのだが、視界の広さが違う。操作しなくても首を廻せば見渡せる。同じ大きさに揃えた商品枠とは違って奥行きもあり、情報量の差は圧倒的だ。また、近づく、手に取るという操作がそのまま詳細を知ることにつなげられるから、最初の一覧で余計な表示に目を奪われることもない。

次にピックアップだが、今のネットショップは実物を見られない。工業製品ならしょうがないが、生鮮品でこれをやられると、時に大いに後悔する。しおれた葉物や痣のついたバナナが入っているとガッカリする。だから店舗に積まれたそれを手に取りよく見て納得した上で買いたい。これには人間を使うのははばかられるので、ロボットによるピックアップが望ましい。

この際、上のUIと一部が途切れていてもよい。つまり実物を選んで買いたいときは画面を切り替えてもよい。これが必要なのは生鮮品だけだ。また、実際の店舗をロボットが走り回る必要はなく、倉庫内でも構わない。UIはあくまで商品に早くたどり着く手段だ。

最後に受け取りだが、宅配業者を装った不審者も多いから、人によっては受け取りが怖い人も多いと思う。また、何時来るか分からないからその間待っていなければならないのが苦痛な人もいるだろう。その対策として有効なのが宅配ボックスだ。極端な話、スーパー内にあってもよい。会社帰りにパパに受け取ってもらうというのもありだし、近所のコンビニに設置してあればより短い距離で済む。

以上三点、全てとは言わずとも叶えてくれれば、ネットスーパーの類は大いに発展すると思う。

2017年10月17日火曜日

歩行者無線給電


サイバーダインのような外骨格サポーターの電源に燃料電池を使うことを別途提案しているが、これには燃料電池の小型化が必須となる。燃料電池の技術進歩の速度は遅く、満足できるものが出るまでには相当の時間が掛かるだろう。そこで、別の方法を考えてみた。それが歩行者給電である。

言うなれば、歩道に向けたワイヤレス給電だ。但し、実用化されているワイヤレス給電の到達距離は短く、WiFiルータのような設置法では無理がある。特に、外骨格サポーターの場合は消費電力が大きく、市販のQiでは心許ない。むしろ、自動車用に検討されているものを小型化する方が現実的だ。つまり、地面に埋める形態である。

自動車に使われる走行給電はkW級だが、歩行者の場合は100W程度で充分である。歩道に沿って給電素子を埋め込み、給電する。自動車の場合は30cm程度の距離があれば事足りるが、歩行者の場合は腰の辺り、1m程度あれば嬉しい。そうでなければ靴の裏に受電器を設置することになり、ケーブルが少々邪魔だ。

繁華街、(会社や学校の)自席、自宅、待ち合わせ場所などに各々設置しておけば、1時間程度が稼働時間のバッテリを積むだけでも、途切れることなく一日中装着していられるはずだ。

太陽電池を道路に埋め込む試みがあるが、これこそ歩道無線給電にふさわしいと思う。その場で充電し、その場で給電すればよいので、余計な配線が必要ないからだ。

この機構は、外骨格サポーターを使わない人にとっても有用である。例えばセニアカーや電動自転車に同じ機構を組み込んでおく。スマホの充電に使う。持ち歩きの医療機器にも使える。ドローンも歩行ロボットも、同様に充電できるだろう。

歩道給電があるエリアでは、ドローンやロボットが途切れることなく活動できる。これを積極的に使うことで、巡回しながら何かしらの作業をするロボットが使いやすくなる。宅配や郵便だけでなく、例えば上水を届けたり高齢者を見回ったりといったことも、ロボットでやりやすくなる。これより、都心だけでなく僻地でも充分に検討の遡上に上るはずだ。

こう考えると、「無線給電」は、電気・ガス・上下水道・電話・通信に次ぐ新しいインフラとして認められてもよいのではないかと思う。

2017年10月16日月曜日

外骨格給電機構と緊急アドホックネット


http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1081748.html

この手の製品は幾つかあって、最も有名なのはサイバーダイン社のものだろう。米国でも軍事用の開発があったはずだ。だが何れも実用にまでは至っていない。その大きな障壁の一つは、まちがいなくバッテリーだ。

本来なら、必要な使用時間は18時間程度、つまり寝るときには外して充電し、起きている間ずっと着けていられることだ。だが実際には1、2時間しか動かない。バッテリを十倍付ける、という解決策はナシだ。あまりに大げさで気後れする。バッテリの性能向上やモーターの性能向上はそう簡単には行かないから、このままでは普及できない。

この方法を解決する手段は二通り考えられる。一つは、補給が簡単になるようにすること。もう一つはマメに充電できるようにすることだ。

サイバーダイン社の場合、バッテリ容量は65Whで1時間程度とのこと。巷で2、3千円程度で売っている1万mAhのバッテリは36Whだから、これ二つ分だ。だから、1時間あたり2本の予備電池を持って歩けばよい、ということになる。例えば18時間のうち活動している時間を1/4と仮定して4.5時間、本数にして9本持ち歩けばよいことになる。大きさ重さは
不満だが、今すぐに実現できる手法ではある。

燃料電池や発電機と燃料、という視点で考えると、例えば

http://ttc-fuelcell.com/sfc/efoy/

この燃料電池は45Wで8kg、燃料消費量が1L/kWhとなっている。65Wで18時間だと1kWh程度が必要であり、燃料消費率・発電量としてはそこそこ及第点だが、燃料電池自体の重量が重く、サイズも大きすぎる。

マメに給電する方法としては、椅子の背もたれにワイヤレス給電機構を設ける、というものがある。自宅の椅子、自動車の座席、事務所の椅子に各々仕込んでおけば、自然に充電が可能だ。生活圏や地域で一定以上の普及があれば、これも可能だろう。

だが、どちらかと言えば燃料電池の方が有望と言えるだろう。充電椅子の普及を待ってい
る間に燃料電池が小型化され、燃料もコンビニで買えばよい。そうなれば、健常者にも普及し、走って通勤したり、生活圏が広がったり、という世界も夢ではない。

燃料電池と短距離ワイヤレス給電は両立できるから、外骨格を装着した人の腰の周囲にスマホをぶら下げておけば何時でも充電可能、ということもできる。すると外骨格は別の意味を持つようになる。身の回りの電気製品を全てこれで給電可能になるからだ。

これで最も有望なのは、アイウェアだと思われる。Google GlassやHolo Lensの大きな弱点はバッテリだが、常時無線給電可能ならもっと小さく作れる。また、Bluetoothイヤホンなどもこの恩恵に与れる。スマホは勿論だが、タブレットやノートPCも完全無線で長時間動作可能だ。

もう一つ面白い応用があって、この外骨格サポーターにはモーターが入っているが、実はモーターと発電機はほぼ同じものだ。何を言いたいかというと、このサポーターは、そう設計することにより、モード切替で発電機になれるのだ。

切り替えて足を動かしてやれば発電する。歩く必要はなく、膝を曲げ伸ばしするだけでよい。もちろん65Wも出るとは思わないが、例えば10Wであったとしても、スマホの充電には充分である。従って、緊急避難的な充電には充分に役に立つ。無線給電は理想だが、最悪USBポートが一つあればよい。

ネットワークには、アドホックネットワークと呼ばれる形態がある。これは、携帯電話のように基地局があるのではなく、個々のノードが相互に通信しあうことで遠くのノードと接続する、という機構だ。震災などでネットワークにダメージができたときに、携帯電話にアドホックの機能を付けておいて切り替えることで通信を維持する、というアイデアが昔からあるのだが、これをするとバッテリの消費が激しく、また激しくなくても何れはバッテリが減って切れてしまう。だから実証実験の域を超えることはなかった。

しかしこの方法では、発電機を常時持っているようなものなので、携帯電話のバッテリが切れずに継続的な通信が確保できる。当事者としても通信は切りたくないから積極的に充電するだろうからだ。

震災時でも通信の確保が保証される前提では、様々な追加の防災策をとることができる。災害状況が的確に把握できることは、対策の前提として非常にありがたい。

他の利点として、今までの感覚で言う帰宅困難者の数はぐっと減るだろう、ということも考えられる。燃料さえあれば歩いて帰る人が大多数になると見込まれるからだ。燃料の備蓄は、水や食料の備蓄よりずっと簡単だから、企業の負担も減る。

2017年10月15日日曜日

小規模BI


BIは今やタダで手に入る時代であるが、個人や中小規模の会社で導入するのは難しい。幾らタダでも構築にはノウハウが要るし、データを放り込むところも難しい。これをAIがある程度自動化してくれるとしたら。あるいは大企業でもよい。電子メールから飛行機の予約を抜き出してスケジューラ登録してくれるようなAIは既に存在しているから、同じようにメールやSMSを分析して経営分析データを作ってくれるシステムがあってもよい。

そうなると、小規模チームの優秀さや特徴、改善点などがミクロで分かってくる。これは結構重要なことで、小さいところはそれだけでも大きな業績改善に繋がるからだ。例えば配置をちょっと変える、ミーティングの頻度を変えるといったことだけでも、生産性は倍半分違ったりすることがあり得る。

ここでのポイントは、いかに簡単にBIを導入できるか、だ。このためには、市販のアプリの多くとAPIを持ち、解析の雛形を作っておく必要がある。また、グループウェアにあらかじめこの機能を仕込んでおけば、それだけでも十分に売り文句になるだろう。
標準的に必要な機能としては、
  1. メンバ間のコミュニケーションマップ作り
    1. 誰と誰がよく会話し、またはしていないか
    2. それが組織ないしはプロジェクトの属性とマッチしているか
  2. プロジェクトの健全性推測
    1. プロジェクト規模と活動量のバランス
    2. メール等に現れる否定的な言葉の出現頻度
  3. メンバの負荷バランス推測
    1. PCの立ち上げ時間、メール等の発信時刻、成果物の発信量
    2. それらの時間変動
などが考えられる。この程度であれば高度なAIを駆使せずとも組み込めるはずだ。

2017年10月14日土曜日

残業規制とIT


長時間勤務の何が悪いかと言えば、疲れ過ぎるということだろう。時間で規制するのは、規則の簡便性及び上限としての合理性があるが、本質的には疲労やストレスが問題なのだから、これを直接計測すればよいのではないか。

これには血液検査のような侵襲検査は頻繁には使えないので、非侵襲である①RRI(心電図計測)②フリッカ(画面を見て計測)③瞳孔反応速度(画面を見て計測)などを使う。これを、例えば2~4時間に1回計測する。

もし基準値を超えたら休まなければならず、別の基準値に達するまで再開できない。これにはヒステリシスを持たせるものとする。つまり、一度基準値を超えたら充分な休憩を取らなければならない。もちろん取らないこと自体もダメだ。

こうすれば、36協定などは必要ない。過労死はそもそも起こらない。測定を誤魔化すことは可能だが、それはサービス残業の危険度と質的には同じで、量的にはずっと少なくなるはずだ。検査は生体データを扱うから、鼓動の特徴量や虹彩認識なども同時に可能で、つまり本人以外のなりすましが難しい。

また、精神的なストレスや風邪などの病気が原因であっても同じように計測値は悪くなるから、いちいち理由を問わずとも済むので面倒がなくてよい。

これをもっと進めて、耳に装着するとかネックレス型にするとかして、働いている間は常に計測するような仕掛けがあってもよいかもしれない。

問題があるとすれば、数値が一定以上になるまで残業を強制されるようなことが起きるかもしれない。これも合理性はあるが程度問題で、あまりにもストレスがないのも仕事をしていないと見られそうだし、数値には個人差(数値に現れにくい人もいる)があるはずだから、数値の決定には慎重さが求められる。

2017年10月13日金曜日

地方へのロボット倉庫の普及


自動倉庫ロボットを導入するには数百万円が掛かり、決して簡単なものではない。だが、地方毎に同じ規格の自動倉庫が多数あったとしたら、話は少し違ってくる。

例えば、こんなことは考えられないだろうか。拠点に自動倉庫があり、トラックの荷台にも類似の自動倉庫が積まれていて、この間の積み替えを全て自動でするロボットがあったとしたらどうだろう。更にはその自動倉庫が冷蔵、冷凍にも対応していたとしたら。その間の通信が自動でできたとしたら。

トラックが倉庫前に停車し扉を空けるだけで、倉庫からロボットが出てきて必要な情報をダウンロードし、必要な荷物を降ろし、また積む。この間、運転手は何もしなくてよい。完了したらアラームでも鳴らしてくれればよい。また扉を閉めて、次の倉庫に向かう。もちろん次にどこに行くべきかは、コンピュータが指示してくれる。

従来と大きく異なるのは、出し入れが人間でなくなるだけではない。自動にすることで、荷物を配送先毎に纏めるという作業が必要なくなるのだ。これは、例えば6輪カートやボックスカートを配送先毎に割り当て、そこに乗せる荷物を選んで乗せ、ラップ等で固定する作業だ。これは倉庫内で行われることが多く、今までは目立たなかったが、実際にはこの作業にも人手が掛かっている。

この倉庫は、原則として無人でよい。預けるのも出すのもロボットが自動で行うからだ。もしトラブルがあっても、運転手はいるはずだから、監視カメラとスピーカマイクを使って指示を出せばよい。預けるのは無料、出すのは1箱幾らとして自動課金にすれば、キャッシュも不要だ。

そうしておいて、倉庫近くの生産者に使用を促す。入れるだけだから、生産者の負担はない。また場所が近くになるので、自前のトラックなどで来ても充分だ。必要になるのは箱のIDくらいで、IT的な操作も難しくないだろう。入れた時点で買い手が着いていなくてもよい。

倉庫に入った品物はその時点で競りに掛かり、行き先が決まる。行き先が遠くであったら、倉庫間の移動は網の判断で行う。つまり、買い手の最寄の倉庫まで、網専属のトラックが移動するわけだ。

倉庫間の物流はブラックボックス化され、生産者からも買い手からも見えなくなる。この行為は品物毎に行われるので、結局買い手は、自分の身近な倉庫に行くだけで全てが揃う。

この小型倉庫ネットワークは、従来の商社の役割を代替するものだ。中央集権でなくなるので、メリットが幾つか出てくる。まず交通網への負担が緩くなること。大きなトラックで高速道路を占有する、市場や倉庫の周りが混雑する、という事態が改善されることだ。

次に、トラブルに対する耐性が高まる。幹線道路が使えなくなっても、多数の迂回路が形成されるためだ。また、小さい倉庫があちこちに多数建てられることになるため、雇用も分散される。大型トラックで長時間ぶっとばすだけでなく、地元の何軒かを廻るだけの小型トラックなども出てくるので、負荷が分散する。

将来的に、トラックは自動運転で全部ロボットになる時代がくるはずだ。その前段階として、自動倉庫トラックと拠点自動倉庫の組み合わせが整備される、というのは、考えとしては自然だと思う。

2017年10月12日木曜日

冷凍ナッツ保存食


ナッツ類は、重量当たりのカロリー数が高い。100g当たり600kCalと、食べ物の中では最高レベルである。登山中の代表的な行動食で、ナッツやドライフルーツなどを混ぜた「トレイルミックス」というジャンルの食品があるが、高カロリーに加え、火を使わずに手軽に食べられ、常温保存が可能、中身を好みに合わせて変えることができる、等の理由により、昔から重宝されている。

非常食としてナッツ類を挙げている人は、意外と少ない。その理由を考えてみるに、市販されている3年、5年常温保存が可能な非常食と比べ、多くのナッツ類は3、4ヶ月から半年程度しか賞味期限が書かれていないからではないかと思う。ただ、これには一つ抜け道が存在して、それが冷凍保存である。

ナッツが劣化する原因は主に二つあり、一つは湿気を吸うことによるカビなどの繁殖、もう一つは油脂類の酸化だ。冷凍はこの二つを防いでくれるので、数年は保存することが可能である。

電気が切れれば中のものは直ぐ腐ってしまう、というのが冷蔵庫に対する世間の印象だと思う。だから冷蔵庫に非常食を入れようとはなかなか発想できないかもしれない。だがナッツに関して言えばこれは例外であり、冷凍庫にミックスナッツを入れておくというのは大正解だ。

電源が落ちたらまず要冷蔵・要冷凍のものを先に食べ、ナッツ類はそのままにしておいて、日が経ったら保存食の補助として食べる、というようにすれば、カロリーが稼げ且つ日頃食べなれているものを食べられる。例えば

https://www.amazon.co.jp/%E7%B4%A0%E7%84%BC%E3%81%8D-%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%84-%E3%81%8A%E5%BE%B3%E7%94%A8-2kg-%E7%84%A1%E6%B7%BB%E5%8A%A0/dp/B01KZB8GH2/ref=sr_1_3?s=food-beverage&ie=UTF8&qid=1505797406&sr=1-3&keywords=%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%AF

を1つ買っておくとすると、これは2kg入りなので、12,000kCalと計算できる。一般的な非常食でこれだけのカロリーを得るには、例えばカロリーメイト4本入りは400kCalだから30箱分となり、相当のスペースが節約できる。

ドライフルーツ1kgのものも同時に買っておいて、1年で入れ替えると決めておき、その際に自分でトレイルミックスを作って、小分けにして冷蔵庫に移し、それを少しづつおやつとして消費する、という運用も楽しそうだ。

2017年10月11日水曜日

ドローンポート網


日本のような狭い土地柄において空飛ぶタクシーを実用化するならば、翼を使うタイプでは困難だろう。もちろん広い土地のある田舎やちゃんとした空港があれば良い話ではあるが、これではタクシーと言うよりは安いチャーター便だ。

本当にちょっとした庭やヘリポートでも離着陸できるようにしようとするなら、ヘリコプターないしは多翼ドローンとなるが、前者は高額でありまた操縦者も人間であるので困難、つまり事実上はドローン型に限られる。

ドローンを前提とする発着場は、ヘリポートよりも規制が緩くなるだろう。これを仮にドローンポートと呼ぶことにする。ドローンポートはヘリポートより小さく、器材も少なくてよいはずだ。許認可も緩くなり、従って建設費も安くなり、数も多数作られることになる。

大雑把に言うと、空港とヘリポートは全国で各々百箇所程度しか存在していない。これに対し、個人所有のドローンポートを規格化して認める、更には物流専用の小型ドローンポートも作ることが可能だろう。そうすれば、数千数万、あるいはそれを遥かに超える数のドローンポートが作れることになる。

こうすると、人間による航空管制は困難だ。ポートを網として捉え、AIが発着許認可や指示制御を行うことで、行先を告げれば後は自動で目的地まで到着するような、全自動人流物流システムを考える方向性になるのではないか。

そこには、従来とは発想の異なる安全策がとられる可能性もある。幾つか考えてみると、
  1. トラブルで人口密集地などに落下するときに自爆することで破片を小さくし、安全性を確保するシステム。
  2. 同じくトラブルの際、ネットや粘着剤を発射して吊り下げ、安全に降ろすレスキュードローン。
  3. 複数のドローンが協調して指定ドローンを取り囲み、拿捕する、ないしは指定航路に押し戻すシステム。
  4. 落下に備えたエアバッグ、パラシュート。
  5. 周囲に送風機を備えたドローンポート。離着陸時の突風を軽減する。また、墜落時のショックを軽減する。
  6. 倉庫(ハンガー)直結のドローンポート。到着後そのまま飛んでハンガーに入る。
  7. ベルトコンベア式ドローンポート。コンベアに降りて自動で運ばれる。
物流の方が簡単に実現するのは承知だが、ここはぜひドローンタクシーで活用する方向性でお願いしたい(自爆はナシで)。

2017年10月10日火曜日

渦巻きバネによる携帯マットレス


通常のマットレスのコイルは円柱状に展開されるが、これを山型に展開するようにすると、潰れるときは渦巻状になり、完全に潰すことができる。キャンプに使われる簡易マットにこれを使うと、持ち運びに際しては薄く、使うときは快適なマットが作れるのではないか。

キャンプ用のマットとしては、ウレタンシートがよく使われる。だが、これは嵩張るので持ち運びに適していない。これを改善し、ウレタンを使用しつつも空気を抜くと潰れるものもあるが、穴が空くと使い物にならないし、寝たときの圧力や経年劣化でてだんだんへたっていく。単に空気を入れるものもあるが、これも穴が空くと使えないし、多くはビニールなので経年劣化して穴が空きやすくなる。

これに対し、樹脂渦巻きコイルを使うこの方法なら、空気を使わずとも畳んで留める(縛る、ケースに入れるなど)して小さくできる一方、経年劣化に強い。また、ウレタンマットよりも厚さを稼ぐことができ、寝る時により快適になる。

但し、空気層があるとは言っても殆ど空隙であるため、断熱性はあまり高くないものと思われる。コイル表面に薄膜を貼るなど、空気の移動を抑える工夫が必要になるかも知れない。

2017年10月9日月曜日

気体マットレス


直径1~2cm程度の薄膜樹脂製のボールの中に、特殊な液体を入れておく。これは30℃程度を沸点とするように調整した液体で、普段は液体なので潰れているが、寝ることによって体温が伝わると沸騰し、圧を得てボール状になる。

こうすると、持ち歩くときは潰れて板状ながら、寝るときには適度な弾力を持つマットになる。起きると自然に潰れてまた持ち運べるようになる。

問題なのは、日常でも30℃以上になることはままあるということだ。普段は放置するにしても、山に行くまでに膨らんでしまっては困るので、日本では夏以外しか使えない。この対策としては、もっと高い温度に沸点を設定しておいて、電熱で膨らませるということも考えられる。また、形状記憶合金も考えたが、問題は同じである他、金属なので錆びたり重かったりという懸念がある。

2017年10月8日日曜日

フリーズドライ浄水


浄水の一ジャンルに沸騰浄水があるのだが、沸騰がありならフリーズドライだってありではないか、と少し考えてみたら、意外とイケそうに思えてきた。

沸騰浄水の原理は、混じり物のある水は100℃近辺で沸騰するが、その近辺に似たような沸点の不純物がなければ分離できる、という原理による。一方で、フリーズドライは昇華が基本原理になるのだが、つまりその作業温度・作業圧において昇華し得るのが水だけなら、昇華したものは水だけになるはずだ、ということになる。

固形物は勿論、昇華点が違う化学物質は、ここで原理的に分離できることになる。残渣はカラカラに乾燥しているはずで、廃棄を容易にする。細菌やウィルスの類は、昇華と共に混じってしまう可能性があるので、フィルタを併用する必要はあるだろう。

もう一つの大きな利点はエネルギーだ。通常の水は15~25℃程度だろう。これが氷になる0℃と沸騰の100℃、どちらにより近いかを考えてもらえばわかる。だからエネルギー効率は高いのではないか。また0℃は人間にとって特に危険な温度ではないので、安全性という意味でも有利だ。

凍らせるには普通に冷凍庫の原理を使えばよいので、技術的には問題ない。まず汚水を凍らせて適当に砕き(あるいは始めからキューブ状や柱状などにして凍らせ)、気圧を摂動させながら換気し、換気を室温に晒せば結露して水が溜まる。残渣は取り出して廃棄する。また、連続的に取り出す機械も考えられるだろう。

原理的にはポンプを使う動力だけで良いので、下水処理として素直に使っても有用かもしれない。小型にして人力で動かす非常用浄水器も作れるかもしれない。問題はコストで、(冷)熱回収と再利用をいかに効率よく行うかがポイントになる。

2017年10月7日土曜日

位置通報サービスの統合


約4100台のタクシーを動く基地局に--渋谷区でIoT見守りサービスを本格運用開始

https://www.tepcotta.jp/

このサービスは、タグ自体には位置把握機能も長距離通信機能もない代わりに安価小型で電池も長寿命、一方で探す側はスマホに専用ソフトをインストールしておく、というタイプで、落し物タグなどとやっていることは同じだ。

この手のサービスは少々乱立気味で食傷している。そろそろ統合してほしいと思う。タクシーに乗せたこと自体はよいアイデアだとは思うが、クローズドサービスではやはり限界がある。このタグのソフトも乗せて、あれも乗せて、と来たら、パンクしてしまうだろう。

結論からすると、スマホのベースサービスとして搭載しておき、契約情報に基づいて業者に有料でデータを提供する、という仕掛けはどうだろうかと思う。これには二種類あり、一つは検知側だ。このサービスはオプトインでオンにでき、報酬が得られるようにしておく。通信費や余計なバッテリ消費が生じるのだからこれは納得できるだろう。とはいっても数円~数十円/月といったような、微々たるモノになるだろう。これなら、同じサービスに加入していなくてもモノ探しに協力できるから、皆こぞって加入するはずだ。

一方で契約側(探す方)情報の登録も、実物のタグをかざすだけとしておけばよいし、課金もケータイ払いを使えばよいとなると、これはベンチャーではなくキャリアの基本サービスとしてもよいくらいだと思う。ベンチャーはタグの販売で稼げばよい。見入りが一見減りそうに見えるが、検知ポイントが一気に増えるのでタグの実用性が上がり、販売台数の大幅な増加が期待できる。

2017年10月6日金曜日

制度の狭間でのAI枠


一般論として、「総合的な判断」が的確であれば、明確な基準による判断よりも結果は(平均的に)良いはずだ。この「総合的な判断」とはつまり、多数の因子を基にしてその明確な優劣をつけずに、また根拠も示さずに曖昧な判断をする、いわゆる「暗黙知」である。

日本ではよく聞かれるフレーズだが、往々にして恣意の疑いを排除できずに何時も問題になってきた。だがAIがこれを置き換えれば、恣意を排除することは(ある程度)可能になる。

これは本来の「明確な基準」そのものの存在を揺るがす事態になる。つまり、本来は総合的な判断であるべきものを、曖昧さを許すことによる恣意や制度の悪用を嫌って明確な基準にしてきたところを、もう一度揺り戻すことになるからだ。

この「制度」は、今まで人間が作ってきたルール全てに適用される。例えば自動車の制限速度、帰化申請への対応、ゴミ出しのルール、生活保護の判断、喫煙場所制限、建築基準、刑罰の軽重、裁判の証拠採用、まだまだ山とある。

だが、最初は恣意がないことの確認や精度の評価などが確立しないだろう。例えば、マラソンの代表選手の選考において、明確な基準で判断した場合とAIが「総合的に」判断した場合の優劣を知ることはできない。なぜなら、落ちた選手が他で良い成績を出したとしても、その大会では実際には走っていないからだ。

そこで考えられるのが、大部分は従来の通りに運用しておいて、「AI枠」をごく少数設ける、という考え方だ。例えば、複雑な事情で戸籍が作れなかった子供の被教育件や生活保護、控除条件の狭間に落ちて大きく損をしている人への特別控除、などが考えられる。これが一定の支持を得、且つそれが定常的になれば、少々制度に穴があっても問題は少なく、不公平感の低減にも繋がる。

基本的には救済策の狭間の救済、つまり控除漏れの控除のような使い方で始まり、詐欺まがい商法の懲罰化という方向性での使い方には慎重になるべきだろう。もちろんAIの賢さが充分になれば、その限りではない。

2017年10月5日木曜日

ご隠居AIとお局AI


AIの本質は暗黙知であると考える。他にも分類や認識というカテゴリがあるものの、根本は暗黙知であり、これらはその派生であるという認識だ。しかし、従来の技術と異なるところが二つあり、ひとつはそれが形式知化されるのではなく、暗黙知のまま明示される、という点だ。つまり「なぜそうなるのか」は分からない。もう一つはその量が膨大になる可能性があるということ。

これらを合わせると、人が理解(説明)できない、認識できない、管理し切れない量の知識がある、ということになる。そのように設計しない限り、その暗黙知で従来の仕事を自動化するということはもちろんないのだが、そうすることは簡単だ。組織が膨大になって個々の判断が甘くなれば、全体として一体何をやっているのか分からないまま仕事が進む、というようなことも起こり得る。

ここでこんな場面を考えてみる。一人の巨大な、その組織についてのことなら何でも知っているAIが居るとする。これを仮に「ご隠居」と呼ぶことにしよう。ご隠居は何でも知っているが、隠居の身なので経営に口出しをすることはない。だが経営幹部が相談に来れば、その望みをかなえる方法を教えてくれる。

その組織のA部の部長が、ご隠居に相談に来る。自分の部署の業績を最大化したいのだが、どうしたらよいか、と。ご隠居は答える。部長はその通りにすると確かにA部の業績は伸びた。だがB部、C部、D部の業績が落ち、会社全体としての業績は落ちてしまった。

そこで社長は、全体の業績を最大化することをご隠居に相談する。その答は、A部を潰すことだった。さすがにそれはできない、それをしない条件で、と問い直す。するとご隠居は、ではC部とD部の部長をクビにせよ、と言う。いやそれは、いやそれは、と色々条件を積み重ねていくと、結局何も変えないのが最適、という答になってしまった。

実は、どこかの条件を緩めれば業務を改善することは可能なのかもしれないが、それは何なのかはご隠居には分からない。それには二つの理由があり、一つは暗黙知だから、もう一つは条件の組み合わせが無限大だからだ。例えば人を何人雇うか、給料を幾らにするか、事業領域をどの程度拡大するか、どんなシステムを導入するか、などといった、普通の経営者が考えそうなことの組み合わせは、既に充分すぎる複雑さを持っている。問題空間が広すぎるのだ。

そこで、もう一つの「条件設定AI」が必要になってくる。これを「お局様」と呼ぶことにする。こちらは、経営者が妥当と思える条件の組み合わせを考えてくれるものだ。例えばA部を潰すのとC・D部の部長をクビにするは、経営陣にとってどの程度「マズい」ことなのか、といった情報を積み重ねていくものだ。つまり条件を絶対的なものとせず、どの程度その条件が厳しいのかをアナログ的に見極めていくものだ。

これにより、A部を潰すのはダメでも、新事業参入を条件にして2分割するだけならOK、今年は業績が下がっても、5年後までの平均で勝ればOK、といったような、より細かい条件を設定することができる。

こちらも暗黙知ではあるが、問題空間の大きさはずっと減ってくる。この二つを突き合わせることで、望ましい条件下で最適な伸びを出すことができる、というわけだ。

ご隠居AIは、いわゆるBIデータから自動的に構築できるはずだ。だがお局AIは、幹部へのインタビューが基本になるので、新たなデータ積み上げが必要であり、時代によっても変わるので、継続的な入力が必要だ。また、突き合わせも単純結合とは行かず、量子コンピュータのような突き合わせ方が必要になるかも知れない。

この考え方からすると、ご隠居AIの構築は簡単で、お局AIの方がむしろ難しいことになる。もしそうなら、これは業務知識ないしは顧客知識として、ベンダのコンピタンスになるかもしれない。

2017年10月4日水曜日

買い物管理


コンビニで扱う商品には全てバーコードが付いている。これはレジ打ちの速度向上や打ち間違いを防ぐためのものだが、考えてみればこれはユーザにも有用な情報だ。

スマホのカメラでバーコードやQRコードを読むソフトは既に存在する。これで商品のバーコードを読んで、Googleで検索すると、商品が何であるかくらいは分かる。だがこれはあくまで汎用の検索であり、必ずしも分かるとは限らないし、それ以上の情報は検索結果をいちいち当たるしかない。

もしここから、ユーザが欲しいと思う情報を自動で取得できたら、更にそのデータが連携できたら、色々と面白いことができる。どんな情報が欲しいのかと言えば、
  1. 商品名称
  2. 数量、容量、入り数
  3. ベンダ名・販売車・輸入業者、問い合わせ先情報
  4. 消費期限、賞味期限(これは今のバーコードにはないので別のコードが必要)
  5. 食品表示義務情報(保存方法、原材料名、保存方法など)
  6. アレルギー関連情報
  7. 栄養価
  8. 取扱説明書(PDFのURL)
  9. 付属品リスト(個々の付属品毎に同様の情報へのリンク)
  10. 電子保証書
  11. 電子リサイクル券
  12. 輸出入条件
  13. 梱包形態、梱包外形、商品サイズ、重量
  14. 6面写真(商品、梱包各々)
更に、購入店においてレシートをスキャンすることで、これらをリンクして購入記録として残すことができるはずだ。支払方法、消費税、購入金額、購入日、担当者等。つまり、レシートを一つスキャンすればこれらが全て分かり、既に買ったものについては自分で商品をスキャンすれば商品情報は分かる、というようにする。

これだけの情報を自動で得られれば、次の自動化が色々と見えてくる。
  1. 家族のアレルギー情報と付き合わせて、自動警告する。
  2. 消費期限情報を合わせて取り込み、アラームをセットする。
    1. 備蓄量と消費量を鑑み、アラームを早めにセットする。
  3. 定期メンテナンス(フィルタ掃除、消耗部品交換など)のアラームを出せる。
    1. 消耗品の購入を簡単にできる。機器をスキャンして消耗品一覧から対象を選び、店を選んでボタンを押すとカートに入る、など。
    2. メンテナンス終了をその機器に電子的に知らせる。メンテナンスランプを消す、など。
  4. 既に買ったものと突き合わせ、備蓄量が多過ぎるものは警告を出す。
  5. 備蓄量の多いものを中心にした献立を提案する。
  6. 備蓄量が少な過ぎるものは、買い物前に警告を出す。
  7. 防災備蓄の充分性を、家族構成と突き合わせて評価する。(水が足りない、栄養バランスが悪い、など)
  8. (大型のものが)部屋に入るかどうか(経路も含めて)、取り回しが大丈夫か、などが分かる。
  9. 既存の機器との相性が分かる。例えば浄水器と蛇口形状がマッチするか、200V対応、洗濯機パンに収まるか、など。
  10. 自動で家計簿を作り、評価する。家計の見直しの助けとなる。
  11. 付属書類の低減。また付属品も、オンデマンドで購入できる前提で付けない、ないしは直ちに確認することで余計な付属品を付けない、ということが可能になる。
他にも色々考え付くだろう。これらのうち、アレルギー関連情報は、ユーザにとって真剣に必要なものだ。商品情報の表示義務に続き、オンラインでの情報提供義務についても徐々に強化し、間違いのない仕掛けにして頂きたい。その他についても、直接的な効果は弱いかもしれないぜ、全体としてみれば「家計の最適化」に繋がっていて、無駄が減る分効率化が進むはずだ。

2017年10月3日火曜日

問合せへの敷居が下がる


今でもチャットによる問い合わせ対応は存在しているが、オペレーターは人間だ。

Amazonのような大手であればともかく、まだ多くの企業は対応していないし、ましてや24時間対応等は無理だ。だが最近、AIがこれらを払拭する可能性が出てきた。

先日、NTT ComがLINE上でのサポートを開始したが、これはAIエンジンを使っているそうだ。学習フェーズがどうなっているかが不明だが、個々の企業に合わせた学習データとエンジンを備えることで、僅かなカネで例えば7割の問合せに24時間対応できるのであれば、AIチャットによるサポートがデフォルトになる可能性は高い。もちろん複雑で対応できない場合は有人対応に切り替えればよい。

これは特に、製品だけは作るがサポートが甘い新興企業や、言語の壁がある外国からの参入組に有利に働くはずだ。つまり、製品が弱くともサポートが厚いことで儲かっていた企業にとっては脅威となる。サポートが均質化することで、商品自体の出来が際立つことになるからだ。

一方で、サポートAIの出来自体を差別化できないわけではない。上のような均質化が必ずしも起こるとは限らないわけだ。例えばAIエンジンの出来や学習の効率、提供する学習データの質などによって、AIチャットであってもサポートに差が出ることは考え得る。

一方で、サポートに対する敷居は下がるため、例えば各社にAI音声で同じ質問をして答えを統計的に処理する、というような、第三者評価も可能になってくる。エンジンがSaaSで提供されるようになれば、学習データによってのみ差別化されるから、これはダイレクトに企業の資産になる。

正直に言って、ソフトウェア関係の問合せで満足したことは一回もない。余りにも回答のレベルが低過ぎるからだ。ウソを教えられたことも多い。それ以前の問題として、電話が繋がらなくてイライラすることも多かった。AI導入によってこれらが少しでも緩和されるなら大いに歓迎だ。

2017年10月2日月曜日

富士山噴火への備え


3.11で原発の危険を甘く見ていたように、次は噴火を甘く見ていたと後悔するかもしれない。今の知識を振り返ってみる。

過去の富士山噴火の規模を見ると、溶岩や噴石などの被害はもちろん近隣で発生するとして、広範囲に火山灰が積もる。予測によれば、関東でも数cmは積もる。この量では電車、車、飛行機は全て動かない。

火山灰は直径0.1μm程度のガラス質の欠片であり、鋭い形状をしている。このため、多くのPM2.5対応マスクでは対応できない(2.5とは2.5μmのことだ)。このため、まず発電所では灰がエアフィルタを通り抜けて中で燃焼してガラスになり、焼きついてしまうため動かせない。また、人間がするマスクも、N95クラスではまだ不足で、N100クラスで何とか、というレベルになる。吸い込むと肺胞に刺さり、病気にかかりやすくなるとされている。火山灰は二週間降り続き、また数ヶ月空中を漂うそうだ。

また、濡れた火山灰は電気を通す。乾いた火山灰は鋭く、被覆を傷つける。送電線に濡れたまま積もると重量で負荷が掛かる。このため、電線がダメージを受け、回復にも長い時間が掛かる可能性がある。またこれに伴い、通信、ガス、放送、上下水も止まる。自家発電が可能な施設であっても、空中に漂う火山灰を吸い込んで焼きついてしまうため、動かせない。ヘタに動かせば火災の危険すらある。バッテリは唯一可能な電源だが、通信設備が動かないからスマホは使えない。照明がせいぜいだ。

つまり、全てのインフラは最低2週間から数ヶ月は回復不能である。支援物資もこない。ここから考えられる基本戦略は二つしかない。第一は初動で逃げ切ること。この「初動」とは、噴火から降灰までの短い時間を意味する。第二は備蓄のみで自宅待機後、やはり脱出することだ。

第一の戦略はスピードが鍵となる。噴火から東京に降灰するまでの時間は、2時間程度と言われている。降り始めから交通手段が動かなくなるまで更に1時間を見込んで3時間、この時間で降灰が1cm以下の地域まで避難する。東京の場合は北東方向、例えば宇都宮や水戸などが候補として考えられる。距離的な視点からすると、100km。

3時間で100kmとなると、徒歩では無理だ。自動車、電車、バイクが候補となる。このうち電車は安全確認ないしは停電で止まる可能性が高く、自動車は渋滞になるとかえって状況が悪化する。従ってバイク一択となる。そうなると、一人か二人ならよいが、家族連れではこの選択肢はない。

残るは持久戦だ。だがここにはもう一つの懸念がある。知っての通り、原発は緊急停止してもその後冷却をし続ける必要がある。これには電力が必要だ。電力会社が電気を止めたら自家発電となるが、これはエンジン発電であり、降灰時には使えない。するとメルトダウンの危険が出てくるのだ。これに要するのはせいぜい2日が限度で、もしそうなれば持久戦などやっていられない。

一番近い浜岡原発は富士山の南西にあり、風向きからしてここへの影響は少ないと思われる。地震が伴う場合もあるだろうが、緊急停止しても、浜岡以西より電力供給を受け続けられれば、火山灰が降っても冷温停止できるだろう。風が流れる北東にある一番近いものは茨城県東海村だが、ここまで来れば降灰は1cm以下と推測され、また更に北東から電力供給を受けることは可能だと思われる。

以上により、もしこれらの原発に火山灰が届き、尚且つ電力供給が遠所より受けられない場合にのみメルトダウンの危険が出る、と考えられる。だがその情報は入ってこない。もしメルトダウンしても遠いために爆発音などは聞こえないだろう。

このため、原発の無事を信じて(祈って?)篭城するか、吸灰の危険を承知の上で徒歩や自転車等で逃げるか、という選択を迫られることになる。

徒歩や自転車で脱出する場合、数cmの火山灰がどれだけ健康被害を生じるかを見積もる必要がある。2cmで健康な人でも被害が出る、1cmだと気管が弱い人に被害がある、という記述があったので、初動では市販の紙マスクでも役に立ちそうだ。ただ3時間程度でN95以上にすることが望ましい。また、半日に1回は交換する必要があるし、寝ているときも着用が必要だ。

また、ゴーグルが必要になる。これは水泳用のもので間に合うが、視界が悪くなるので専用のものがあるとよい。粉塵作業用の密閉ゴーグルは市販されており、千円も出せばAmazonでも買える。ただ子供のものはないので、水泳用のものを流用するしかない。

子供連れなら平均時速4kmなどは無理だから、3kmで計算するとして、100kmの移動には30時間掛かる計算だ。幾ら初動が早くても、灰をしっかり被ることになる。マスク、ゴーグルの他にも、ポンチョは必需品と見てよいだろう。また、100kmまで行かずとも、50km程度でタクシーに乗れるかもしれない。これには15時間掛かる。歩き詰めで、とは行かないから、2、3日の行程となる。

一方の持久戦について考えてみる。通常、人々が備蓄している水の量は、せいぜい二週間だろう。数か月分の水を備蓄している人等はごく少数のはずだ。このタイムスケールで事態が収束する可能性はほぼゼロだ。だから、備蓄が切れたら直ちに行動(脱出)を試みなければ、皆死んでしまう。その時点での脱出方法は、依然として徒歩だ。

ただ、こちらの方は一つだけ望みがある。東京都の年間降水日数は111日だそうだ。これを365.25で割ると、約30%となる。二週間あれば雨が複数回降り、地面や空中の火山灰は大きく減ると予想される。従って、備蓄を二週間として、これが切れた時点で徒歩で脱出することは、初動で徒歩で脱出するより吸灰が少なくて済む可能性がある。

ここで視点の抜けを一つ披露しておくと、噴火時点で職場や外にいた場合だ。会社の備蓄を2週間分も取っているところは皆無だろう。せいぜい1日~3日だ。それ以上会社にいても意味がないが、その時点ではたっぷり灰が積もっているという事態になる。

つまり、ゴーグルやN95マスク、できればポンチョも通勤鞄に入れておかないといけないし、篭城は無意味なので初動で自宅を目指さなければならない、ということだ。初動の方が灰が少ないはずだからだ。ポンチョがなければ傘が有効かもしれない。

なお、降灰に負けない情報機器が一つだけあって、それは衛星電話だ。このためだけに持ち歩くのもどうかと思うが、自治体や国の機関は当然、購入を検討すべきだろう。

2017年10月1日日曜日

家電のリース化


クルマには、2、3年のリースの後に乗り換えるか買い取るかを選ぶ、というサービスが存在する。家電は車よりずっと安いが、同様のことを検討できないだろうか。
これには様々なメリットがある。
  1. 所有権の放棄により流通が活性化する。一定額を払っているのなら乗り換える方がトク、という感覚により、買い替えサイクルに近い「乗り換えサイクル」を確立する。
  2. メーカーも売りっぱなしでなく一定量の回収を見込んで生産するため、規格化、リサイクル・リユース、メンテナンス性の向上、操作方法の統一などにモチベーションが働く。
  3. 極端に古い家電が家の中から徐々に消えていくことになる。古い機器の発火事故の抑止、リコールへの対応も容易になる。
  4. 故障時の対応は基本的に交換であるため、保証期間の設定は不要となる。
  5. 無用な高機能商品が減る。高機能商品はリース料金も高いので、使わないと分かれば即座に低機能商品にリース換えできるからだ。同じ理由で、ライフステージ(年齢や家族構成の変化)に合わせて家電を容易に交換できる。
  6. 不法投棄が減る。返さないと違約金が取られるからだ。
  7. 新基準、例えば消費電力やエコ規制などへの対応が短期間で進む。
  8. 設置や固定方法の標準化が進む。
  9. 引越しが容易になる(古い家電をリース終了し、新しい家で家にあった家電を再度リースすればよい)。家電に限らずガス製品も同じようにリースにすると、引越しにおけるガス対応(LPガス/都市ガス)や周波数問題対応(50/60Hz)も容易になる。
  10. 使われずに廃棄される商品は減り、皆製品寿命近くまで活用してから廃棄となるため、資源の使用効率が上がる。
デメリットとしては、家電の安売りやエコ減税のような景気刺激策が摂り難くなる、所有欲が満たされない、程度か。実際、現状のリース業者にも家電はあるが、割高であり機種が選べないなど、魅力が少ない。車にも車種が選べるように、家電にももっと、選択のバラエティと割安感のあるリース業者が出てきて欲しいものだと思う。

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