2018年12月4日火曜日
AI相性受験
最近の私立学校の受験では、単に詰め込み知識を問うのではなく、地頭を問う傾向があるのだそうだ。記述式が増えたり、時事を問うようなものもあるらしい。
こういうものには、問題もさることながら、採点にも難しいところがある。そしてもっと問題なのは、勉強の視点でしか受験ができていないことだ。それは校風だったりクラブ活動だったり友人関係だったり先生との相性だったりする。
自由な校風の学校に、成績は良いが自分で物事を決められない子が入ってきても不幸だろうし、厳格な学校に奔放だが発想が豊かな子が来ても窮屈なだけだ。
こういった総合的な相性の評価をするには、単に2時間の受験をするのではなく、もっと総合的な評価が望ましい。しかしそのコストは膨大であり、多くの学校では思いもよらなかっただろう。
もしここにAIが入る余地があるのなら、学校、生徒共に幸せになれる。この方法を少し考えてみる。
生徒に様々な問題を与えるというのは基本的に同じだが、まず与える問題は学問の試験だけではない。例えば、クラスのグループに分かれてアクティブラーニングをするのだ。その際に受験者がどの立ち位置に来るのか、どう協力するのか。場を盛り上げるのか、書記に徹するのか、リーダーシップをとるのか。あるいは意見を求められたときにどんな反応をするのか。
相手をするのは仮想人格であり、環境もVRである。もちろん同じ問題を現実の(既に入学している)生徒にもさせる。そこから、様々な観点で性格が導き出せるはずだ。もちろん筆記試験ではないので対策は困難だし、もしそれでも対策ができているのなら十分に本人には資格があるだろう。
この仮想人格は、ある意味でその学校の校風を反映している。その人格と上手くやっていけるのなら、実際に入学しても似たような(あるいは相性の良い)人格が集まり、やはり上手くやっていけるだろう。
グループワークに限らず、クラブ活動や修学旅行、登下校でのアクシデントなど、色々と問題は考えられる。これらから得られる性格ベクトルは、選考の大きな参考になるはずだ。
開発は相当に難しく、当面はこの通りに作るのは無理だろうが、例えば段階を踏んで細分化すれば、今からでも適用可能な考え方はある。検討する価値はあるはずだ。
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