2018年12月23日日曜日
しゃべる機械、聞く機械
Alexa、Googleアシスタントなど、しゃべる機能が家電についてくると、もう一つ期待したいことが出てくる。それは、機械同士が会話することだ。
もっとも簡単には、時計との会話だ。例えば洗濯機が、「洗濯機だけど、8分経ったら教えて」と時計に言って、洗濯を始める。時計が、「洗濯機くん、8分経ったよ」と言ったら、洗濯機は「OK、ありがとう。次は2分後に教えてくれるかな」と言って脱水を始める。
洗濯機にはタイマーがついているが、これなら洗濯機にはタイマーが要らない。時間を測る機能は、全て時計が担ってくれるからだ。そして時計は自分の仕事に誇りを持っているので、その計測は正確だ。だからオーブントースターのようにいい加減なぜんまい式タイマーとは違い、正確に測ってくれる。
この仕掛けの良いところは、音声が届く範囲がすなわち「場」になっているところだ。近くであることが物理的に保証されること、また通信ではなく原則として放送になっていることだ。「洗濯機くん」と言って相手を指定してはいるが、実際にはその会話は全ての機械が聞いている。だから洗濯機が洗濯をし終わる頃に乾燥機がウォームアップを始める、掃除をしている間には換気扇が自動で回る一方で食器洗い機はドアを開けない、といった「配慮」をすることも可能だ。
機械が一つ増えることで連携は多数可能になる一方、個々の機械の機能はシンプルで良い。これは機器のコスト低減にも貢献する。会話に人間が干渉して、やり方を変えることだってできる。「8分じゃなくて10分にして」と言えば、洗濯機は余計に洗濯をしてキレイにしてくれるが、それは洗濯機の機能として作りこまなくても良いのだ。
まあ実際には音声でなくてもいいし、通信で繋がっていればバリエーションは広がるのではあるが、インターフェースがヒューマンインターフェースと同じになれば、進み具合もわかるし干渉もできるし、何より親しみが沸くというものだろう。
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