2018年12月22日土曜日

複雑条件でのマッチングサービス


結婚相手探し、ボランティア、売ります買います、といったマッチングサービスは既に多数存在し、商用化しているものも多い。だが、まだマッチングが拡大する余地はあって、それはまだ余り気付かれていない。それは、極めて複雑な条件のあるマッチングサービスだ。

例えば、情報システムの導入やリプレースでは、マッチングという発想はしないだろう。しかしよく考えてみれば、例えば「昔自作したシステムを汎用のシステムに移植しようとしたときの難易度」というのは、マッチングの一種である。あるいは、社内で複数の似たようなシステムが立ち上がっているのが分かったのでこれを統合しようとしたとき、どのシステムをベースにどう改造するのか、というのには、各々のシステム間の「距離」(移植難易度)を最小にする、という目標が立てられるはずだ。

もちろん、フルカスタムで調査をするということは、今までもやられてきただろう。これを自動化する、標準化するなどというのは、新たなビジネスになるのではないだろうか。
例えばこんな感じだ。自治体が使っている業務システムの保守費用がかさんできて、これを何とか減らしたいとする。共同利用を進めたいが、自分の周囲の自治体は別の業務システムを使っていて、統合するのは困難だ。しかし遠くの自治体に、殆ど同じシステムを使っているところがある。これなら修正箇所は少なくて済む。

同一のベンダが提供しているシステムなら話も早いだろうが、そうでなくとも同じOSSを使っているとか、DRの考え方のレベルが揃っているとか、視点は色々あるだろう。システムの特徴を何とか指標にして、何を我慢すれば幾ら儲かるかが概算ででも分かれば、決断はずっとしやすくなる。

従来、これは顧客の提案が起点になったものだが、遠くの同業者まで覗きに行くのは困難だし意欲も沸かないだろう。ベンダが手動で調査し提案することで、顧客もベンダもWin-Winの関係が築けるのではないだろうか。

問題は、どういった指標でどういった調査をすれば良いのかが分からないことだ。これができないからこそ進んでいないとも言えるのだが、近年のオープンデータの流れを汲んで外枠から攻める(似たような環境の企業を付き合わせる)ようなことは可能に思える。検討の価値はあるはずだ。

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