2018年12月12日水曜日

フードオートメーションのAIフィードバック


コーヒー、カクテル、ピザ、ハンバーガー、オムレツ。これらは何れも、既にロボットが自動で作れるようになっており、商用化がほぼできているものだ。

マクドナルドのハンバーガーの味は、全国どこで食べても同じだと思うが、その理由はセントラルキッチンと厳格なマニュアルによるものだ。つまり、ロボットが調理したとしても問題ない。簡単なものから、例えばフライドポテトのロボット化などは、既に検討されているのではないかと思う。

今のところこれらは際物だが、そのうちこれが標準になり、人間が調理する方が珍しい、という時代もくるはずだ。このときに問題となるのが、新メニューの開発だろう。

例えば、バンズが2枚である前提のハンバーガーロボットに、バンズ3枚のハンバーガーを作れと言っても作ることはできない。設置された素材や調味料を変えるのも無理だ。チェーン店なら中央が考えるだろうが、これでは街の独立系の料理屋には使えない。

ハンバーガーしか出さない店なら専用の機械でも良いだろうが、普通の食堂ではそうはならないだろう。となれば、汎用の手を持つ人間のようなロボットが必要になるはずだ。これなら新しい素材にも対応できるし、調理法も変えることができる。

また、顧客の好みに合わせたり、調味料の量を調整したりするのに、AIフィードバックを掛けることは可能ではないだろうか。それらを摂動させ、アンケートを取らずとも、客の食べっぷりや表情を基にしてそれらを評価すれば、最適化は可能だ。

そうすると面白いだろうことは、店舗によって来る人はだいたい決まってくるので、店によって味が違ってくるだろうということだ。ロボットが作っているにも係らず、である。来る人の個性が見せの味を変え、更にそれが人を呼び込み、客が固定化するのだ。

機材や材料がセントラルキッチンで作られるとしても、調味料の量などがそれで加減できるのならば、固定客が着く。これが認められれば、中身はチェーンであっても外見を変えた半独立のような業態が出てくるかもしれない。

伸びよりも安定が得られるということは、低成長時代の今としてはむしろありがたい特性ではないか。それを目指す中央や店舗が出てきてもおかしくない。そういった時代が来るのかもしれない。昔のアメリカのドラマにあったような「XXの店」の、形を変えた復活である。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: