2018年12月5日水曜日
日本のドローン農業
https://jp.techcrunch.com/2018/11/07/2018-11-06-precision-farming-startup-taranis-gets-20m-series-b-for-its-crop-monitoring-tech/
ドローンで農作物を監視し、AIで効率化しようとするベンチャーの例だ。
IoTによる農業では、大量のセンサが必要である、と思われがちだが、ドローンで監視するようにすれば一台で済む。別に秒単位で情報が欲しいわけではないので、例えば一日に数回飛ばして監視する、というようなレベルで十分だし、鳥や野生動物の被害を避けるには監視塔でも立ててカメラで監視し、ドローンで追い払うようなこともできるだろう。
日本の土地は山がちで気象も複雑だから、だだっ広い平地に機械で力任せに作ってきたような米国型農業にはコスト面で勝ち目がなかった。しかし、こういったきめ細かい制御が可能になれば、その恩恵が大きいのはむしろ日本の方だ。
米国での恩恵は、せいぜい効率の向上といった程度だろう。大規模な病害虫の被害を未然に抑えられれば、何割というレベルで収益が向上するだろうが、日本の場合は活用できなかった土地が新たに活用できるようになる利益が大きい。また、土地の特性に合わせた作物の選択が可能になるので、付加価値の高い栽培が可能になる。その効果は何割ではなく何倍、何十倍という規模になるはずだ。
この記事にはないが、剪定、選定、収穫、仕分けにもドローンを使えるかもしれない。そうすればその価値は更に高まる。人が入り込めないような崖にも栽培できるし効率は最高となれば、くず地の価値が急激に増し、成金が続出することすら考えられる。
これはまた、農業人口の高齢化にも良い影響が出る。これで収益力が高まれば、若者も農業に進出する機会が増えるからだ。人口の都市集中緩和にも役に立つし、地方活性化にも芽がある。
農水省とAIは、意外に相性が良いのかもしれない。これは国主導での研究が望まれる。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ロボットシェアリング&困窮者向けジョブマッチングモデル
近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕...
人気の投稿:
-
高市新総理がかつて主張していた「スパイ防止法」。巷でもスパイ防止法の制定を望む声は強いのだが、調べてみるとそんなに単純な話ではない。特に、世間のイメージと実態はかなり異なっていることが分かったので、ここでメモしておく。 まず、「スパイ防止法がないのは日本だけ」とよく言われて...
-
たつき諒氏の予言が話題になっているので、私も一つ予言をしてやろうかと思う。 2025年7月5日を中心とした前後1週間(計2週間+1日)の間に、日本の太平洋岸を震源とする、最大震度6強以上の地震は、起きない。 地震予知三原則である①地域の特定②時期の特定③強度の特定、何れも満...
-
古くは仮面ライダースナックやビックリマンチョコ、最近では万博パビリオンの時間指定チケットやマクドナルドのちいかわグッズなど、何かと話題になっている転売の是非について考察してみた。これももちろん生成AIを使って、なかなか面白い結論が出た。 最初は万博場ビリオンについて議論したのだ...
-
高市首相は安倍氏と同じ積極財政論者で、就任直後からその方向に舵を切っている。プライマリバランスゼロ目標を事実上反故にし、戦争でもコロナでもないのにいきなり17兆円もの補正予算を組んだ。ちなみに安倍総理が初年度に打ち出した補正予算は10兆円であり、それと比べても突出している。 こ...
-
世の中の話題はAGIを通り過ぎてASIに進んでいる。AGIがGeneral IntelligenceならASIはSuper Intelligence、即ち人類を遥かに超えた知性ということらしい。 2045年にシンギュラリティが起きると予測したのは、人工知能研究の世界的権威であ...
-
「生成AIはミーハーである」の回でも少し触れたのだが、生成AIの回答は一次的には誤っていることが多い。それを指摘してAIが回答を修正していく様を見て楽しむ、というのが最近のマイブームだ。 どういう指摘をしているのか、と自己分析してみると、興味深いことに陰謀論者との議論とあま...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
一時期流行したベーシックインカムもいったん廃れたが、完全に潰れた訳ではなく、一部の市民や政治家は諦めていない。また何度も復活するだろう。そしてまた萎むだろう。 世間がベーシックインカムに反対する理由は主に財源と配分であろう。MMT信者のおバカ提案は論外だが、そうではない真面目な提...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
クルド人と地元の人たちとのトラブルに見られるように、日本で外国人排斥運動が起きている。 世の中は近年、融和より対立を好んでいるように見える。その代表は右翼対左翼で、トランプや安倍のような対立を煽る風潮の流れを汲んでいる。生活保護者への批判、女性女系天皇、憲法改正などでも同様の...

0 件のコメント:
コメントを投稿