2018年12月25日火曜日

Samsung DeXの詰め


https://www.galaxymobile.jp/apps/dex/

あまり流行っている様子がないのが気になるが、DeXには注目している。まだSamsungと心中する気にはなれないが、このような使い方の提案は大いに気に入っている。これでPCが不要になるかもしれないと思えば、その効用は計り知れない。

出歩く際にはスマホで、出先や会社、在宅勤務では使いやすいI/Oが整っている。何れにおいても会社ないしは自宅環境を直ちに再現できる。スマホを外せば機器はタダのドンガラになるのでセキュリティは万全。これは非常に便利だ。ただ、コンセプトは良いとしても、詰めが甘いのが気になる。
  1. ノート型のDeXステーションを提供すべきだろう。かつてASUSが出した「PadFone 2」のノート版や2in1版だ。しかも複数のサイズでラインナップする必要がある。但し、PadFoneそのままではスマホのサイズが決まってしまうから、以後の開発に制約が出る。これを解消する工夫をすべきだろう。
  2. 企業ユースなら、既存の認証環境との接続を保証する必要がある。ADを始め、主要な認証環境への接続が可であることをアピールする必要がある。
  3. VDIへの考え方を整理すべきだ。今のDeXはローカルのみで、VDIやリモートデスクトップ系のソフトへの接続に言及がない。
  4. ローカル環境と会社のイントラ環境の切り分けやシームレス化についての考え方を整理すべきだ。例えばSharePoint連携やFTP・WebDAVのようなファイル連携をどう考えるか、OneDriveのような大規模オンラインストレージとどう向き合うか、などだ。
  5. 当然、DeX環境と企業環境の接続に際してのセキュリティには言及すべきだ。スマホは外界と直接接しているから、ウィルスを持ち込む契機になるからだ。
面倒であれば、GoogleやMicrosoftべったりでも構わない。例えば認証にGoogle認証を使い、GoogleファミリーリンクやG Suiteの仕掛けを転用するなどでも良い。要は、大画面とキーボードを使える環境がシームレスに実現できれば良いのであって、ソフトで色気(独自性)を出すのはまだ気が早いだろう。

一つの考えとして、ローミングのキーとして使うという方法が考えられる。以下はそのアイデアだ。
  1. ノートPCやデスクトップPC様のハードウェアは、基本的に「ネットブート端末」である。これは、市販のノートPC等の設定をちょっと弄るだけで作成できるし、Chromebookのようなものでもよい。
  2. ブートイメージは、スマホの中に存在し、スマホがイントラネットと接続した状態でないと、端末はブートできない。(キャッシュはない)
  3. スマホが複数ある場合には、あらかじめペアリングした端末のみを信用する。あるいは選択できる。
  4. スマホは認証機能を兼用する。即ち、ネットブートした後にイントラの認証を受けるに当たっては、スマホの生体認証やパスワード等を必要とする。
  5. ブートイメージは、ChromebookのようなブラウザOSか、Windows Remote DesktopのようなVDIソフトである。
  6. 操作の間、端末は常にスマホと通信連携していて、通信が切れればログオフ状態になる。
必ずしもこの通りでなくとも良いが、これなら自宅でも会社でも普通に使えるだろう。自宅と会社の機器を揃えれば、重い機材を持ち運びせずとも良いし、プライベートと在宅勤務で同じ機材を使えるから楽で良い。是非とも検討してもらいたい。

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