2018年12月2日日曜日
遠隔でない遠隔医療
遠隔医療というと、自宅ないしは介護施設や老人ホームで日々の健康診断、と想像してしまう。しかし、これをもっと積極的に利用しようとすると、別の形態が考えられるのではないか。
患者の行き先は病院である。え、意味ないじゃん、と思うなかれ。その病院には検診機器も看護師も医者もいるし処置室もあるが、診察するのは全て遠隔医療である。
患者は病院を選ぶことができるが、選ぶのは遠隔医療の病院であって、実際に行く病院ではない。つまり、どの遠隔医療病院の診察を受けるにしても、実際に行くのは地元の同じ病院である。
そこに医者や看護師がいるのは、投薬や処置及び医療機器を操作するためであって、その意味ではベテランである必要はない。医療用語が分かり、遠隔医師の指示が理解できれば十分である。
病院である以上は、ある程度高度な診断や処置は可能である。この点が既存の遠隔医療と決定的に違う点で、緊急手術や特殊な器具・機器が必要な検査・処置以外の大部分は、そこで全て済んでしまう。処方箋の発行も当然可能だ。医師同士の協働であれば、現在の遠隔医療の法的問題は、ほぼクリアできる。
遠隔医療病院は、遠隔医療専門で運用できるので、例えば24時間運用としたり、高度に専門化したりすることができる。看護師は不要であり、病床も要らない。消毒も白衣も不要である。高速通信とコンピュータ機器やテレビ会議システムなどは必要だが、多くはクラウドに逃がすことができる。
患者としては、自分の病気が困難なものであったとしても、遠くの専門病院に通う必要がなくなるし、例えば混雑しているときには都度医者を変えるようなこともできるだろう。
地元の病院としては、不得意な病気は遠隔医療を推奨することが簡単になるし、もし遠隔医療になっても自分の病院から患者がいなくなることはないので、収入がいきなりゼロになることがなくなる。また、高度な遠隔医療病院と日々接することで経験も積める。
過疎地域であっても、これは有効だ。全てが遠隔でなくとも、簡単なものはローカルで、難しくなれば遠隔で、とできる。医者が不要になるわけではない一方、経験の浅い医者でもいざというときは助けを請える点、安心感が違う。
今の遠隔医療モデルに、ぜひこの形態も付け加えて検討してもらいたいと思う。
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