2018年10月31日水曜日

プール・温泉用ITデバイス


プールや温泉に行くと、着たものはロッカーに預け、ロッカーの鍵を持ち歩くことになる。店によっては手首に装着しておいて、店内の購買に使用するような仕掛けがある。しかし、プールに本当に手ぶらで行くのは不安だし、他に時計も持ちたい、スマホもできれば、と考えてしまう。貴重品だし、緊急の連絡が入らないかと不安だ。

そこでスマートウォッチではどうだ、となるのだが、多くのプールでは腕時計は禁止だ。そりゃそうだ。手を振り回して他人にでも当てれば怪我をしかねない。ネックレスをしている人は多少いるようだが、目立たなければとがめられないだろう。

そこで、ネックレス型のデバイスを考えてみる。まず形状だが、もちろん周囲は樹脂で覆い、とがったところがないようにして安全性は確保する。当然防水である。

概観としては、時計の盤面程度のもの。ソニーがシリコンバンドに盤面をはめ込めるスマートウォッチを作っているが、あれが良かろうと思う。腕時計型バンド、ネックレス型バンド、バッジ型クリップを添付しておく。

機能としては、Suica、時計、スマホの通知を表示する機能を持つ。カメラは、温泉の場合は逆に付けてはいけないので、恐らくナシだろう。通知機能としてLED、バイブレータ、表示(バックライト付き)、タッチパネルを持つものとする。充電式電池を内蔵する。

通信は、昔だったらBluetoothかLANと言いたいところだが、今時であればキャリアLPWAがあるのでこれを使うことにする。ユーザはLPWAのIDをスマホと連携しておき、スマホには専用のソフトを入れておく。後は簡単で、スマホに通知が来ればそれをLPWA経由でデバイスに飛ばせばよい。

通知は元々簡単な文字しかないので、情報量はごく少ない。届いたらバイブとランプで知らせ、盤面を上に向けることでバックライト起動、スクロールで選択、スワイプで既読、とする。それだけでよい。ちょっとだけ履歴を辿れるようにしておくのも良いだろう。既読をスマホと連動させられればなお良い。設定は全てスマホからとする。キャリアLPWAはキャリアとの契約が必要だから、連携もオンラインで行え、デバイスでの操作は不要だ。

今のスマートウォッチと根本的に異なるのは、表示にモノクロ液晶マトリクスとバックライトのみを使うところだろう。余計なアプリをインストールできず通知だけと割り切ることで、解像度が低く低消費電力の液晶を使うことができ、CPUやメモリも殆ど必要ない。これは大幅にバッテリの性能を向上させるはずだ。少なくとも一週間、上手くすれば数ヶ月はもつように作れるだろう。

他にも、アプリケーションをインストールすることはできない、GPSや活動量計もない、脈もとれないなど、ないない尽くしだ。活動量計くらいは付いていても良いだろう、と思い勝ちだが、これも電力を消費するので避けたい。

これなら、普段は簡易スマートウォッチとして使い、Suicaとしても使える。プールや温泉ではネックレスバンドに付け替えて、スマホはロッカーや貴重品入れに入れたままにできる。充電も、月に一回なら苦にならないし、もし忘れても数分充電すればしばらくは使える。

対応する施設なら、ロッカーの施錠をこれ(Suica)で行い、施設内での買い物もSuica対応にすれば、財布やロッカーの鍵を持ち歩く必要がない。特にロッカーは、施錠と支払いが同時に可能だから、使い勝手が向上する。

Suica自販機と自動回収機を置いておけば、入場券代わりにできる。これもカードではなく、ネックレスタイプとする。自分で持っている人は自分のSuicaを使い、もっていない人はそこで買って、帰りには残金とカードのデポジットを回収する。自動ゲートを導入してやれば、入場券を買うのに長蛇の列に並ぶ必要もない。チャージ機も入り口と中に幾つか置いておく。

スーパーやコンビニの多くは既にSuicaに対応しているから、普段でも殆ど財布の出番はないはずだ。またこれなら、オサイフケータイのない格安スマホを持っていても、不便を感じないだろう。

今のところ、LPWAのサイズとアンテナが不確定要素であり、またSuicaがなぜかApple Watch以外で使われていないことに対する不安(技術的なのものか会社方針などのせいか)はあるが、技術的には大きな問題はないように思われる。キャリアとの契約と、月額料金が掛かるネックがあるが、月々300円以内くらいで収められるはずだ。

自分で考えておいてなんだが、Apple Watch含め、今の世の中のスマートウォッチには惹かれないが、これには惹かれる。どこか作ってくれないだろうか。

2018年10月30日火曜日

バッテリー電車


https://japanese.engadget.com/2018/09/18/40/

日本でも電化されていない線路はまだあるだろうが、これからはむしろ電化せず、バッテリーで走るようにした方が良いかもしれない。

電車がバッテリー化すると、車両は重くなり、効率は悪くなる。一方で設備費は車両基地だけに集中し、沿線は線路の点検だけで済む。信号にしても、もはやIoTセンサで情報だけ飛ばせばよいので、線路沿いの電線は無用だ。切り替えポイントだけは必要だが、現在電化されていないようなところでは、基地周りに限られるはずだ。

このような電車は、災害に強くなる。ディーゼルに比べれば劣るが、普通に電車にするのよりは遥かに強い。電化すれば、普段は周辺に排気を出さずに済むし、非常時だけは基地に発電機を置いておいて発電すればよい。

都心の電車でも、バッテリー電車が有効な場合がある。例えば、全車両の2割程度をバッテリー車両にして、停電時でも最寄の駅にゆっくり移動するくらいの余力を得ることができる。また、最低限の冷暖房を効かせることができれば、待機中であっても乗客が消耗することはないはずだ。

また、電車自体にピークカット機能が付くわけだから、普段でも電力会社に貢献できる。運営会社自身でも発電所があると思うが、そこの制御も楽になるわけだ。電線自体の給電能力を下げても動くわけだから、安価にすることもできるだろう。

全てをバッテリーにせずともよい。少しづつバッテリー電車の比率を上げていくことは、それなりに社会貢献になると思う。

2018年10月29日月曜日

BtoB物流ロボット


物流にロボットカーを使うというのは、随分前から検討されているものと思う。ただ、コンシューマ向けではまだ制約が大きいだろうから、BtoBでやろうと思うのは普通の発想だ。そして一番熱心なのは宅配業者や郵便局ではないか、と思うのだが、どうも外からはそう見えない。

例えばクリーニング業者とか、コンビニとか、BtoBで末端の店舗とのモノのやり取りをする業種は多いが、そういうものは宅配業者では扱わない。各々チェーン店内で専用の運送網がある。これを宅配業者が一部請け負うようなことはできないだろうか、と考えるに、ロボットカーは適任だ。

このロボットの形態は、軽自動車からキャビンスクーターのような数種類のサイズからなる。コンテナは業務形態に応じて複数用意する。例えばクリーニング用の縦長、食料用の保温保冷、ケータリング用の振動角度吸収型などだ。配達の頻度などから、専用のものを用意するか、流しを拾うかを決める。

専用のものは、従来と同じく個々の業者が持っている配達網を行き来する。しかし車の資産管理は宅配業者であり、代替車を出してメンテするようなところまで請け負う。流しのものは、街のあちこちの充電スポットに待機していて、呼び出しに応じて対応する。当然こちらの方が安い。また、こちらは基本的に「相乗り可」である。つまり、コンテナ積載量に余裕がある場合、呉越同舟(ことなる業者の荷物を一緒に運ぶ)があり得る。

コンテナはある程度標準化して、つぶしが効くようにしておく。例えば複数のクリーニング業者で共通のコンテナ(通函)を使う。専用のものはもちろん専用でもよい。ロボットカーのサイズはイコール最大積載量の違いであるので、これは物流頻度の予測によって宅配業者が最適化する。

荷物の配送依頼と到着の連絡は、スマホ上の専用のソフトで行うようにする。そして荷物の上げ下ろしは店舗の人間の仕事だ。業務契約しているのでその場での支払いはないし、受け取りはスマホのチェックで行う。

こうすると、個々の物流網を持つよりはコストが安くなるはずだ。多少配達は遅くなるだろうが、それはコストとの兼ね合いになるだろう。

また、例えばコンビニなら定期便で受け取るようなところが大部分だろうが、これなら臨機応変に対応できるため、少量多回数にできる。急に雨が降ったり予想外にモノが売れたときの追加補充に便利だ。

宅配業者は、同じロボットカーを使って拠点間配送が行える。これは顧客がいない隙間時間に自動で行われるため、ロボットカーを有効活用できる。
ビジネスモデルとしては一応成り立っているので、有望だと思う。

2018年10月28日日曜日

Evernoteは要らない


先日、Evernoteが大規模なレイオフをしたことが話題になった。この少し前、個人的にEvernoteから撤退した。なんだか妙にタイミングが合っていて、一人苦笑してしまった。

Evernoteを最後に使ったのは何時だろう、と思い出そうとするほど使っていなかったのがその理由の一つだ。一時期はあれほど使っていたのになぜだろう、と考えてみたら、Evernoteを前提としたソフトが幾つか使えなくなり、その都度がっかりしていたのを思い出した。

Evernoteは基本的にテキストを保存するシステムだが、以前は手書きのメモを保存できたり、定型フォーマットを使って日記のようなこともできた。持ち物リストなどは簡易DB的に使えたし、写真を添えた外出の記録にも使っていた。それが今や全滅だ。フリーフォーマットのテキストのみが残っている。

ちょっと気がついたことをフリーフォーマットで書く、それのみであれば、KeepでもOneNoteでもできる。専用のフォーマットなら簡易DBや日記のサービスがある。

Evernoteが良かったのは、各々個別のシステムに入ることなく、全部を一つに纏められるところだ。横断検索したり、とりあえず記録して後で整理する、などができた。それがEvernoteのアドオン的ソフトの魅力だったはずだ。

撤退はしたものの、各々の機能に関して言えば、未だかつてのEvernoteアドオンの方が魅力的、つまり今の移行先の使い勝手は悪い。本当はまだEvernoteを使いたいのだ。しかしそれは本体の魅力ではなく、アドオンの魅力だ。彼らを粗末に扱ったEvernote本体の罪は重い。

2018年10月27日土曜日

OpenStackの行く末


Walmartが、Microsoft Azureと契約を結んだそうだ。OpenStackを捨てたわけではないが、OpenStackの最近の勢いのなさを見ると心配になってくる。

CloudStack、OpenStackは、各々プライベートクラウドの標準的な構築モデルとして進化してきたわけだが、プライベートクラウドそのものが今や下火である。独自クラウドでもこれらを使ってもさして変わらず、AWSやAzureを使うのが主流になりつつあるイメージがある。二極分化と言っても良いかもしれない。

その差の大きな原因は、クラウドそのものではなく、その上で動くサービスの多様化だ。AWSの上で動くサービスの数はもはや把握しきれないほどで、便利なものもいっぱいある。しかしOpenStackではそれらを全て自力で構成しなくてはいけない。もちろん自分で調整できる強みはあるものの、量で圧倒されている。それが悪貨であっても、駆逐されるには十分だ。

今後、プライベートクラウドは駆逐されていくのだろうかと考えるに、さすがに軍事や政府系ではこれはなかろう。自治体はだいぶ駆逐されるかもしれない。そんな中でプライベートクラウドが生き残るには、AWSのような高機能化が必要になるはずだ。

OpenStackは進化が速く複雑なことで有名だが、そこで技術者をとられていては前に進めない。プライベートクラウドが生き残る道は、「アプライアンス化」しかないと思う。すなわち、ハードウェアとしては単純なものを用い、接合も適当にすれば繋がること、信頼できないハードを除外したり性能のボトルネック検知するのを自動化する、などだ。AWSに存在する同等機能をデフォルトで実装するのもアリだろう。

要するに、ローレベルのことを一切気にせずに構築でき、上位のアプリケーション開発に集中できるようにすべきなのだ。このためには移植不可、全部新規開発、というような大胆な設定をしても構わないから、ローレベルでの細かい改造は一切不可、自動調節にすべきである。

このためには当然、ある程度の冗長化が必要であり、従来の細かいチューニングに頼るよりは計算機資源が多めに必要となる。これを呑んだ上で、上位を簡略化する。アプリケーションの方が高いわけだから、ここが簡単にできることを示せば十分に生き残るチャンスはあるし、このクラウド自体をパブリッククラウドにすることでシームレスなローミングやBCMが可能になる。

OpenStackはオプションが多すぎるのだ。もっと上位レベルのシンプルさを目指してカプセル化を進めれば、まだ生き残るチャンスはある。

2018年10月26日金曜日

Alexaデバイス


amazonがEcho対応の電子レンジや時計を発表して、話題になっている。

電子レンジは興味を惹かれなかったが、時計は興味を持った。こういった単機能デバイスに単機能なりの機能を付け加えるというのは、今後の家電進化の方向性かもしれない。
時計の場合は、音声でタイマーをセットすると残り時間を表示してくれる、というものだった。このように、時間に関する指示なら時計が反応する、というのはとても自然だ。同様にカレンダーも考えられるだろう。スケジュールが近づくとカレンダーの表記が変わる、時計の表示が変わる、というのは直ぐに考え付く。

これと同様な発想で、身近な家電やインテリアをインテリジェントにしていく、というのはアリだろう。つまり、単純に制御するのではなく、その機能から想像できる付加価値(おせっかいと言っても良いかも知れない)を付けるわけだ。

「おせっかい」と言ったが、「気付き」ないしは「気付きの材料」と考えても良い。例えば冷蔵庫にスケジュールをただ表示するのではなく、イベントや帰宅時間、冷蔵庫の中身から考えた献立の提案や作り始めるべき時刻の提案、あるいは足りない食材のリストアップと発注の提案などがあれば、おせっかいかもしれないが参考にはなるはずだ。そしてそれはスマホに表示してももちろん良いのだが、冷蔵庫に表示した方が直感的だ。

何に何ができたらどう嬉しいか、これはアイデア勝負であり、日本人は得意だろう。さまざまなAlexaデバイスを発明して、世間を沸かせて欲しいものだ。

2018年10月25日木曜日

Metro WiFiとJRのWiFi


東京の話になるがご容赦頂きたい。

東京メトロは、全車両にMetro WiFiを導入することを既に決定している。該当車両では、車内でWiFiを快適に使うことができる。一方で他の私鉄やJRは、駅でこそ設置しているものの電車自体には一部の特急などを除き設置していない。

これがどういう意味を持つかは明らかだ。電車に乗っていると、駅に近づくたびにWiFiに繋がろうとして通信が止まり、上手く捕まえられずに四苦八苦した挙句、繋がったと思ったら発車してまた切れる、ということを繰り返すことになる。

ホームでも端の方はWiFiが届きにくいことが殆どで、つまり駅のWiFiもエリアが狭く、動かずに使わなければならない。コンコース内を歩いていても繋がったり切れたりを繰り返し、ストレスが掛かることこの上ない。

中途半端にやる方がやらないより迷惑だ、ということは珍しいが、この場合は真実である。WiFiの設置は、駅よりも電車内を優先すべきだ。これはぜひ進めて頂きたい。くしくもオリンピックでWiFiに慣れた外国人が多数来日するから良いタイミングではないか。固定WiFiのエリアやキャパ確認も含め、もっとカネを掛けてしっかり充実させて欲しいものだ。

2018年10月24日水曜日

AIによる未来予知と誘導


米国の警察で導入されている犯罪発生予測システムは、結構な成果をあげているようだ。人により異論はあるだろうが、これはある種「予知」であると言える。

なぜ予知ができるのか、答えは結構単純だ。人間の感情や行動は、周囲の環境やその変化、履歴などに大きく依存している、つまり同じような環境や履歴を経験すれば同じような行動をする傾向がある、ということだ。

番組で取り上げられた健康食品がスーパーから無くなる、なんてのは単純な例だろうが、満月の夜や温度湿度が高いと犯罪が増えるとか、天気の良い休みの日には外に出たくなる、なんてのは納得できるだろう。これがもう少し複雑になっただけだ、と考えれば理解できるのではないだろうか。

犯罪ではなく消費行動の予測であれば健全だし、これに宣伝の相乗効果を計算させるというのはアリだろう。雨の日に傘を売るのと同様、もっと微妙な消費行動予測と商品を結びつけることで売上を伸ばす、そのために効果的な宣伝を打つ、ということは可能なはずだ。

例えば、寒い日におでんや焼き芋が売れるというのは素人でも想像がつくが、微妙な天気の日に何が売れるかはあまり分かっていない。こういった隙間をつけば、売上はまだ伸びる余地(予知)がある。

2018年10月23日火曜日

SNSキュレーション


GnosyやSmartNewsなど、キュレーションメディアは幾つかあるが、ソースは基本的にWebサイトだ。しかし、現代人の多くはtwitterやInstagramなどから情報を得ている。そう考えると、SNSを対象としたキュレーションがあってもおかしくない。

個々人の検索技術やタグなどのテクニックを元に学習して、そういった工夫をせずとも好みの情報を引き出せるのなら、ユーザは何も考えずにそのキュレーションを通してSNS見ればよいだけになる。

これと既存のメディアキュレーションを適度にミックスすれば、もう人は情報を得るのに何の努力もしなくてよくなる、といった世界が実現するのかもしれない。これはもはやバカの量産と言えなくもないが、それでも儲かるならやらない手はない。

2018年10月22日月曜日

地上地下インフラセット


インフラ整備がない山奥などに別荘を建てたい、というときに、地下に掘って埋めるタンクと屋根の上に乗せるパネル、家の中に置く制御機をセットにたものを売る、という提案だ。

地下に埋めるのは、合併浄化槽をベースとした水リサイクルセットだ。屋根に載せるのは、太陽電池兼雨水収集セット。屋内に置くのは、蓄電池とこれらの制御機器等である。
建物を設計する際、このキットのスペックをベースとして、各々が設置可能なようにする。マニュアルに従って設置するだけで、上下水道と電線を引かずに済む、というわけだ。

タンクは、通常の合併浄化槽の他に清水タンクを擁する。清水タンクは常に紫外線ランプで殺菌されており、基本的には雨水を浄水器で浄水したものが貯められる。一方で合併浄化槽の排水は野に放たれる。下水があれば下水に接続する。

雨水は太陽電池パネルから誘導される。合併浄化槽の曝気は、太陽電池の発電でまかなう。キットにはLPWAが入っていて、遠隔から機器のコンディションをモニターできるようにしておく。例えば清水の品質が低下したら使えないから、アラートを出す。

キットにすることで調整や専門知識をできるだけ不要するのが目的なので、少々効率が悪くても良い。メンテナンスフリーにする方を優先する。家のサイズ別に数種類を用意しておいて、最大使用電力や水道使用量の上限を明示する。土地によって発電量や降水量は異なるので、それに合わせて大きめのものを選択する。

4人常時滞在レベルで400万円くらいでどうだろう。既存のものにちょっと手を足せば良いので、それほど非現実的な数値ではないはずだ。自治体の補助があればなお嬉しい。

言うまでもなく、これは別荘向けだけでなく、インフラ未開拓地(下水未設置)なら何処でも有効だし、今は整備されていても将来的にインフラを縮小する予定のある地域(コンパクトシティ化など)でも有効である。また、タンクを地上に設置することが許されるなら、仮設住宅にも有効である。これには下水ポンプを付け足すだけで済む。

尚、これには通信とテレビが入っていないが、これらは最初から無線で繋げる前提であり、キットに入っている必要はない。

2018年10月21日日曜日

英語キーボードに想うこと


一時期と違い、海外の新製品が同時に日本で手に入ることは無くなってきた。それだけでなく、特定の海外モデルが日本では永遠に日本では発売されないことも珍しくなくなってきた。一般的なノートPCなどの場合、ここにはキーボードの壁があり、ベンダとしても難しいところなのだろう。

日本語のJIS配列は厄介だ。変換キーはまだしも、なぜ記号の位置をわざわざ変えたのだろうと思う。これさえなければ、英語キーボードのものを輸入するのに抵抗感がなかったものを。

これで一番困るのは、パスワードの入力だ。パスワードはアスタリスク(*)で表示されるので、打った文字が正しいかどうか分からない。シフトは気をつけていても、記号の位置が違うことに気付かないと、何回も打ち間違えてロックされてしまう。

かといって、全部英語キーボードにしてしまえ、とはいかない。学校や会社で使うのはJISキーボードだからだ。両者を使い分けるのはまあ可能だが、カミさんや子供に強要はできない。

最近、Chromebookに興味が出てきているのだが、国内展開モデルよりもAmazon.comにある機種にどうしても目が行ってしまう。魅力的な機種が日本に入ってこないのは残念なことだ。個人的には英語キーボードにはそれほど抵抗感はないのだが、また今後もこの傾向(最新機種が入ってこない)ことを思えば英語キーボードに慣れておくべきとは思うのだが、まだ躊躇することしきりである。

2018年10月20日土曜日

多言語同時展開拡声器


先日の防災EXPOで出ていたのが、多言語拡声器。例えば「地震だ、身を隠せ」的なメッセージを複数用意しておき、多言語で繰り返し再生するというものだ。

日本語の次は英語、中国語、韓国語、・・・というふうに流すのだが、どうも後ろの方では随分と時間が掛かってしまい、まどろっこしい。そこで同時に発声してはどうかと思うのだが、そうすると今度は聞き取りにくい。

そこで考えたのだが、①ほんのちょっとだけ(例えば1秒)ずらして再生する、②声質を変えて再生する、③各音声の長さを揃える、というのを工夫してみてはどうかと思う。

声質とは、例えばロボット、男性、女性、子供、とすれば4種類、更に高い声と低い声で8種類、などとするものだ。そうすれば人間はその中から自分の国の言語の音声だけに集中でき、声が混じっていても聞き取りやすい。且つ、災害の緊急時に一刻も早く情報を伝達できる。

この拡声器は定型文を再生するだけだが、この方法なら同時通訳で同じことをできるのではないか。この場合は2秒くらいずらしても良いと思う。拡声器で日本語でしゃべると、2秒づつ遅れて英語、中国語、・・・といった合成音声が流れるものだ。

どうだろう。これは結構使い勝手がありそうではないか。

2018年10月19日金曜日

球体ドローン


今のところ、小型と言えどもドローンは回転する羽根があるため、簡単には近寄れない。これに対して、網目のようなカバーを全身にまとい、指一本入らないように覆ったものであれば、室内で飛ばすことは可能だろう。

充電台も、ドローンの下部の凹凸を合わせたものを作っておけば、位置決めも合わせて上手くやれる。必要に応じて飛んできて、用が済めば元に戻る、ということを繰り返せば、バッテリの少なさも問題にはならないだろう。

そういうドローンを一家に何台か買って置いておく。これは今のスマートスピーカーの次に位置するもので、スマートスピーカーが動かないのに対し、これは「呼べば飛んでくる」という体験ができる。もちろんスマートディスプレイ内蔵にすれば映像も確認できるから、使い勝手はこちらの方が上だ。

例えば、お客さんを奥まで誘導するとか、宅配業者に対応するといった、簡単な来客対応が可能だろう。食事の時間に家族を呼びに行くのにも使える。また、スマートスピーカーと違ってコミュニケーションロボットとしても使える。例えば単なる雑談や、伝言記録などができるだろう。

他に面白いのは、監視だ。監視カメラは定点観測しかできないが、これなら巡回監視ができる。例えば1時間に1回、室内と庭の周辺をぐるっと回って異常を検知することができるし、空が怪しければ空の様子を頻繁に見に行って、雨が降ったらすぐ知らせる、といったことができるだろう。

ロボットアームが付けば更に色々できるとは思うが、そこまでできずとも十分に興味あるソリューションが開発可能だ。検討に値すると思う。

2018年10月18日木曜日

寸胴の断熱


レストランの調理場と言えば、高温高湿の悪環境、というイメージがある。セントラルキッチンがあるチェーン店の場合はそうでもないらしいが、独立系、ラーメン店などは未だにそうだと思う。

調理に加熱が必要なのと、どうしても洗い物が大量に出るためしょうがないのだが、これを改善しようとは思わないのだろうか。

例えば、寸胴の断熱だ。寸胴は縦に長いので、加熱する底以外からは放熱することになる。ここをちょっと断熱してやるだけで、調理場は涼しくなるし、光熱費も抑えられる。同じようなことは、食器洗浄乾燥機でも言える。乾燥機の外側を断熱すれば、乾燥効率が上がるだけでなく、職場が暑くならずに済む。庫内の蒸気だって、冷やして水にしてから排出すれば蒸れずに済む。

フライパンにしても、煽るのではなく混ぜる方を工夫すれば、火力を節約できるはずだ。また、加熱したお湯の破棄にしても、単に流しに捨てるのではなく、蓄熱体に熱を移すようなことはできないだろうか。そうすれば湯気の発生は抑えられ、湿度は低くなるはずだ。

アメリカでウルトラマンを作ろうとしたときに円谷プロの人が驚いたのは、怪獣の着ぐるみに冷却装置を付けていたことだそうだ。スーツアクターなんて暑くて当然、というのが従来の発想だが、あちらは俳優の労働条件には厳しいので、例えば洪水のシーンで水の温度管理をしなければならない、などというのがある。日本ももっと、職場の労働環境に敏感になるべきではないか。快適に働け、エネルギーも節約できるのであれば、もっと儲かるに違いない。

2018年10月17日水曜日

超小型核爆発炉の改良


以前、「超小型核爆発炉」という提案をしたのだが、ここで必要だったのは、十分に小さい核燃料の液滴を作ることだった。そしてその後に超音波による液滴制御技術を知った。この両者は組み合わせられそうだ。

高温で液化した核燃料を、超音波液滴制御技術て滴下する。これを水の中に落とし、中心部まできたら四方からレーザーを照射して、レーザー圧縮を行う。この水槽は実は衝撃波水槽であり、その一瞬に超高圧状態を作り出す。核燃料は水中で核分裂を起こす。

衝撃波水槽は、潜水艦の耐圧性能を調べるために使われる設備だ。このため、核分裂の一瞬は空中のような飛散を起こさず、水中の小さな範囲でのみ反応し、燃え尽きる。そしてその後の灰は、比重が重いため、水槽の下に落下する。もし反応が続いていても、水で遮断されるため放射線は漏れず、冷却も継続的に行われる。

この場合、熱は全て水に吸収されることになる。高圧にするので100℃で沸騰することはない。水槽の周りに熱交換器を設置して冷やせば、また使うことができる。

核燃料の液化にもレーザーを使うようにする。これによって一度に大量の核燃料が活性化することはなくなる。地震が起きればレーザーを止めればよいし、溶けかけた核燃料はそのまま水に落としてしまえばまた冷える。今の原発と違って冷やし続ける必要はない。

一見、良いこと尽くめに見えるのだが如何だろう。後は定量的な判断が必要だが、これ以上は専門家の領域だ。

2018年10月16日火曜日

クラウドがデフォルトになる


何の、というと、それは開発のプラットフォームの、である。

ハードウェアの構成がOSで隠されたように、(従来の意味での)OSはクラウドで隠される。例えばOpenStackで隠される、AWS Lambdaで隠される。ハードウェアやOSの選択はベンダの内部情報に止まり、外から見えるスペックとベンチマーク等のみで評価される。そういう時代がくるのではないか。

極論だが、ノートPCやデスクトップPCですらその影響を受け、ノートPCを立ち上げるといきなりAWSコンソールが現れる、というような体験になる。ノートPCの中身は複数のワンチップマイコンだが、OpenStackに準じて繋がっている。そんなイメージだ。

まだクラウドOSのデファクトのようなものは現れていないと思う。AWSではまだプライベートクラウドに載せるには荷が重い。従ってもっと簡単なOSの登場が望まれるところだ。負荷分散や管理などは全て自動となり、場合によってはネットで外と繋いでメンテされ、ユーザには見せないようにする。

なぜクラウドにする必要があるのか、と言えば、アプリケーションからハード依存性を取り除くためだ。Chromebookのようにアプリは完全にアカウントと紐付き、且つプライベートな環境で実行される(セキュリティや通信不良対応や課金の節約などのために)。ハードが故障してもローミングが一瞬ででき、性能が不足すれば単に買い換えるだけで済む。ハードの違いはただ形状と価格と性能だけ、ソフトは関係ない。

一方でソフトはどうなるかというと、全部Lambdaをコールするようになる。DBやファイルも全てURLで指定し、DB自体もLambdaで書かれている。ファイル(ソフト自体のファイルも含め)はオプションでオンラインバックアップないしはオンライン同期ができる。もちろん業者は選べ、暗号化はデフォルトで有効だ。業者はユーザのファイルを見られない。ローカルでのバックアップも可能で、URLが違うだけだ。別の専用ストレージを立てて対応する。

速度が落ちてきたら、買い換える代わりに外部クラウドに分散することができる。もちろん有料である。その外部クラウドも、例えば家族用共通サーバのようなものを指定できる。もちろん買い換えればバックアップを元に自動再構成される。最初から外部クラウドを前提として動かすことは、VDIとほぼ同等の体験になる。

実行する実体はその内容にアクセスできない、といったような、安全な実行の技術も取り込むことで、世の中のアプリケーションが大いに抽象化され、ソフトウェアも作りやすくなる、といったような、新しい時代の基礎となるのではないかと期待している。

2018年10月15日月曜日

雨水だけで生活できるか


オール電化にして蓄電池と太陽電池を組み合わせれば、エネルギーは自給可能だ。だが水はどうだろうか。上下水道から完全に切り離された生活は可能だろうか。

人は一日当たり300リットルの水を使っている。その内訳はトイレ(約28%)、風呂(約24%)、炊事(約23%)、洗濯(約16%)、残り(洗面など)で9%となっている。家族4人で1年間に使う水の量は、438キロリットル(kL)ということになる。

水道に頼らずに水を得るとなると、まず思いつくのが雨水だ。東京の年間降水量を1500mmとして、1平米で溜めるとすると、その量は1.5立方メートルになる。1立方メートル=1000リットル(1kL)であるから、1平米当たり1.5kL。家族4人で年間に使う水の量から逆算すると、292平米が必要、となる計算だ。

この広さは、都会では到底望めない広さである。マンションならほぼゼロと言っていい。田舎なら何とか可能な広さではあるが、それをくまなく集めるには相当の苦労が見込まれる。屋根だけではなく庭全部に降り注ぐ水を集めなければならないし、雨は毎日少しづつ降るわけではない。年間降水量の季節差は5倍程度はあるから、半年分を溜めるなら200kLのタンクが必要となる。小学校のプールで360kL程度であるから、これまた非現実的だ。

つまり、雨水を浄水するだけで何も我慢せず再利用もせずに水道の代わりをまかなうことは不可能ということになる。ではどうするのかと言うと、節水と再利用(浄水)だ。もし再利用が完璧なら、そもそも節水は不要となるのだが、その計算はどうなるのだろう。

一家4人で一日に使う水の量は300L×4=1.2kLである。一方、家庭用の合併浄化槽の容量は1~3kL程度だ。3kLの浄化槽の先に1.5kLの浄水タンクを設けておけば済む、という計算になる。しかしこれはトイレの排水も再利用することになり、心理的抵抗が大きいし、万一浄水器が故障すれば、その汚水を飲む羽目になる。蒸発したり飲んだ後に外部で排泄するなどによって減る分もあるはずだ。やはりこの案は悪手である。雨水を使い、節水だけで乗り切る、というのが良いのだろう。これをベースに考えてみる。

合併浄化槽3kLと、同量の雨水タンクを併設(距離は離す)ものとしよう。雨水は屋根から取って誘導するものとする。合併浄化槽からの排水は、そのまま下水に繋ぐものとする。

まずは、3kLの雨水をどの程度の日数で溜められるのかを計算してみる。無降水継続日数の記録を見ると、東京で21日とある。これを基に、余裕を持って30日を目標として考えてみる。東京の降水量が最も少ないのは12月で、51mmだそうだ。1平米では51 × 1000 × 1000(mm3) = 51kLとなる。つまり、0.06平米の取水面積があれば十分となり、これなら問題ない。

次に、一人一日300Lであれば、一月では300×4×30=36000L=36kL使うことになる。これを3kLにするわけだから、8.3%にまで使用量を減らさなければならない、ということになる。一日当たり一人25L、4人家族で100Lとなる。最初の比率で計算すれば、トイレは336Lから28Lに、風呂は288Lから24Lに、炊事は276Lから23Lに、洗濯は192Lから16Lに、残り(洗面など)は108Lから9Lとなる。

まずトイレだが、これは浄化槽の排水が使えるはずだ。またコンポストトイレなら通常は水の使用量をゼロにできる。残り100L。

風呂はこの時点で不可能、シャワーでも無理、となる。風呂の容量は200~300Lあるからだ。つまり、風呂に関してはどうしても再利用前提にせざるを得ない。循環風呂にするものとして、定期的な入れ替えを考慮し、使用量を1/10にするとなると、29L。残り71L。
洗い物だが、食器洗い機を使うと8割は減らせるそうだ。ただ、炊事は洗い物だけではないので、トータルで5割削減として、276÷2=138L。ここで破綻となる。

洗濯に風呂の残り湯を使うのは、循環風呂前提では困難だ。ここでは浄水器を通して洗いとすすぎ1回目をその水で行い、最後のすすぎ1回だけを新しい水で行うことにする。すると水の使用量は1/3になるので、92L。

最後の洗面は、一人一日当たり27(L)使っている計算になるのだが、洗面と歯磨きだけでこれだけというのはちょっと驚きだ。恐らく洗面台に水を流しっぱなしで想定しているのではないか。洗面器に溜めてやれば2Lもあれば充分だから、合わせて3Lとしてやると、4人分で12L。

全部合わせると、0+29+138+92+12=271Lとなる。全然足りないが、意外にも風呂は大きく節約でき、炊事洗濯で困ることになった。

炊事は口に入るものなので清潔な水を使いたい。しかし今のままでは既に破綻しているので、炊事に必要な水を1/4にした上で、風呂と洗濯の浄水再利用をもっと徹底して、例えば1/10とか1/20とかにしないと追いつかない。という計算になる。

被災時でもないのにこんな節約をするのは割に合わない。雨水をこの3倍、9kL/月まで使用できるようになれば、今の計算のままで普通に生活できる、ということになる。水の採取は屋根だけで十分で、問題はタンクのサイズだけだ。

庭がある家なら、この程度の貯水をすることは不可能ではない。例えばクロスウェーブのような貯水槽なら、庭いっぱいに貯水できるから、9kL程度であれば簡単だ。3平米×3m掘るだけでよい。あとは9kL/日の十分な浄水能力を持つ浄水器が必要だ。これは雨水が前提なので、それほど汚れることはない。プレフィルタに加え、市販されている逆浸透膜浄水器で十分だろう。循環風呂は市販のものがある。洗濯向けの水循環が必要だが、これは逆浸透膜でなく中空糸フィルタの安価なもので十分である。

初期投資はそれなりに掛かるが、水道料無料であるし、停電になってもポンプで汲み上げればほぼ使い放題、というのは大きい。一軒家を持つ人なら、検討するのは悪くない。

2018年10月14日日曜日

LTE-MとNB-IoTと迷子タグ


LPWAについては何回か言及しているが、こちらはLTE網を使ったLPWAということで、これはこれで興味がある。

LTE網を使うということはSIMが必要で契約も必要で月額支払いも必要、災害時や混雑時の制御もキャリア依存、というところはちょっと不満があるが、日頃の通信の安定性は高いし、設備の新規設置が不要、特にLTE-Mは速度がそれなりに速いのが注目だ。

キャリアLPWAとノンキャリアLPWA、どちらが生き残るか、という議論はしない。両方生き残るだろう。というのは、LTEが届かない地域や場所は幾らでもあるからだ。そういうところでキャリアLPWAの出番はない。一方で、数km以上の広範囲に渡るチェックが必要な用途では、概ねキャリアLPWAが勝つだろう。従って、この切り替えや双方のフィッティングは、ビジネスとしては必ず発生する。

先日、サムソンがLTE-Mを使った忘れ物タグを発表した。GPSを内蔵しているが、それ故か、週一回の充電が必要になる。従来のBluetoothを使ったタグは半年~1年などなので、使い勝手はかなり異なる。個人的にはどちらもしっくりきていない。

まず、タグとしてはボタン電池で1年もって欲しい。電池の交換も必須だ。そして探すときはLTE-MかNB-IoTを使うので、(ほぼ)必ず通信できる。それをトリガとしてGPSを動かすようにすれば、無駄に電力を使うことはない。GPSが使えなくてもLTE網で大雑把な位置は分かる。そこで、ノンキャリアLPWAを使う。歩き回りながら電波強度を調べれば、100m程度までには近づくことができるだろう。そこまで近づければ、LPWAの電波強度を落とすことで10m程度に絞り込むことは可能だ。

探すためのソフトは地図と連動させ、電波強度を落として絞り込むところまでソフトで作り込んでやることはできる。スマホにノンキャリアLPWAのチップを搭載することは難しくないだろうが、まあBluetooth接続の外付けでよいだろう。タグとセットで売ればよい。これで購入数万円+月額100円であれば、迷子タグ及び自動車の盗難防止タグとしてはほぼ完璧だ。

技術的に難しいところはないので、KDDIに直ぐにでも作って欲しいところだ。また、盗まれやすい高額品(自動車やコンピュータ等)には、オプションでいいから仕込んでくれると嬉しい。

2018年10月13日土曜日

グループチャットUI


ピザ屋にチャットで注文する、というサービスは、既に始まっている。Amazon Echo経由で注文することもできる。Amazon Echoのレシピでは、更に第三者への接続が可能だ。音声でやるかチャットでやるかはともかく、複数のソリューションへの入り口が一つになった、という考え方はできる。これはもう新しいUI、新しいOSと言ってもいい。

以前にも、これを機として音声UI・音声OSの仕様を確立せよ、という話をしたことがあるのだが、その後の歩み寄りなどは一切見られないのが悲しいところだ。

さて、SNSをベースとする場合にはもう一つ、有用な使い方がある。それはグループチャットだ。あらかじめ相手を複数招待しておいて、その中の会話で複数のエージェントに一斉に仕事を依頼する、というのがそれだ。どんなものがあるかというと、
  1. 友人と旅行会社(ないしは旅館サイトと交通予約サイト)を交えて会話しながら旅行計画を立てる。途中でエージェントは予約状況や金額などの情報を逐次伝え、決定したら予約まで完了している。
  2. ホームパーティを計画していて、ケータリングと花屋と酒屋とレンタルルームのエージェントが一緒に会話し、予算から日程までを会話しながら決めていく。最後には予約から支払いまで終了している。
  3. 新製品の試作品を作るのに、複数の工場と会話しながらパーツの分担や設計の修正を話し合う。最後には発注から今後の予定までが完成している。
  4. 会議を計画するのに、要人の秘書(エージェント)と会議室予約システムを交えて会話し、最適な日取りと出席者を決める。最後には出席要請から会議室予約までが完成している。
このように、複数のエージェントと予算や時期、都合などを摺り合わせながら一つの仕事の計画を立てる、という場合に、同じUIで情報交換が成立する、というのは凄く嬉しいことだ。そのUIが人間の自然の会話でできること、エージェントの中には本物の人間とAIが混じっていても良いことを考えると、今後のUIとしては結構重要な位置付けになるのではないかと考える。

音声OSの規格統一は望み薄でも、こういった「刷り合わせ」が前提なら統一せざるを得ないはずだ。ぜひここを推進して欲しいものだと思う。

2018年10月12日金曜日

バイオトイレの工夫


防災ではトイレがよく話題になるが、バイオトイレが究極の答えであるということは間違いない。簡易トイレでは処理剤や袋が大量に必要で、これが切れてしまえば終わりだが、バイオトイレでは無限に近い処理が可能だからだ。

しかし、そのための設備は高いしかさばるし、下手に作れば上手く処理できず臭ってしまう。デザインも悪い。既存のものは多数存在するが、もっと工夫の余地があるように思う。

まず、現在のバイオトイレの確認からしておこう。それは、おがくずの上に排泄し、攪拌保温の上放置するだけだ。体内やおがくずにある微生物がこれを発酵分解する。一日でほぼ完全に終了する。仕掛けは攪拌と保温であるが、攪拌は自動(モーター)と手動のものがあり、また保温はあるものとないものがある。保温があるものは早く分解し、ないものは時間が掛かったり、特殊な菌を含ませたおがくずを毎回掛けなければならなかったりする。

また、小さいものでは大小分離が必要になる。小が多いと水分過多になり発酵が上手くいかないためだ。このため小はただ溜めるだけになる。タンク(おがくず)が大量にある場合はこれは問題にならない。発酵すると水蒸気が発生するので、換気は必要である。

おがくずは大きなタンク内に大量に入っていて、攪拌のためのプロペラとおがくず交換や掃除のための排出口、発生した水蒸気を逃がすための換気口がある。換気をある程度強制するものも存在する。掃除は大量の水は使えず、菌を殺すような洗剤は不可。またトイレットペーパーは使えるが、大量に使うと発酵が上手くいかないらしい。

問題になるのは、①大小分離は避けるべき、②おがくずとタンクを大量には置きたくない、③ヒーターの電力が馬鹿にならない(手動では使えない)、というものだ。②の弊害として、尻の下が巨大になる、という問題がある。

おがくずが大量に必要なのは、制御が適当だから量で解決しよう、という発想だからだ。そこで、排泄毎におがくず量、攪拌の程度、温度を最適化すれば、最小のスペースで発酵できるはずだ。

このためには、おがくずに直接排便するのではなく、泡洗浄で流したものを粉砕の上搬送する。発酵スペースと便器を分離するのだ。ポンプで陰圧を起こし吸い込むと同時に、途中でプロペラを使い破砕する。泡と一緒に送るので、パイプ内はそれで自動洗浄される。

発酵スペースは、連続投入が可能なように設計されている。糞便が投入されたらセンサが検知して、おがくずをふりかけ、攪拌する。所定の温度と湿度になるまでおがくずが投入され続け、適量になったら徐々に排出される。ここはアルキメデスの螺旋になっていて、保温と攪拌を行いながら発酵を進める。出口ではすっかり発酵は終了している。

発酵が終了したものは、おがくずスペースに投入され、再度攪拌される。このおがくずは、また発酵スペースに投入するものとして使用される。ここは保温されない。

最初に糞便を粉砕すること、温度湿度を適切にすることによって、短時間で発酵が終了することが期待できる。おがくずの量も少なくてよい。だいぶメカメカしいトイレになってしまうが、これなら小さくても十分に機能的なトイレになるはずだ。

残念ながら電源は必要だが、既存のバイオトイレのように全体を暖める必要はないこと、発酵が必要ないときは切れるので、消費電力は大幅に抑えられるはずだ。

2018年10月11日木曜日

カスタマイズド雑誌


キュレーションメディアというのが既に多数排出しているが、その次に来るのはカスタマイズドマガジンではないか、というのが本稿の主旨だ。

キュレーションメディアの情報源は主に無料で公開されている記事だ。つまり雑誌の記事の多くはここには入らない。見ていると徐々に記事がカスタマイズされていくが、その先には有料記事への扉が開いている、という寸法だ。

人は、ファッションとかモノとか時事とか趣味とかの視点で雑誌を買う。しかし一つ一つには読まないものもあるだろう。一方で定額制の雑誌サービスは、一冊丸ごとを複数選べ、読みたい記事だけ読めばよいようになっているが、そこには大きな手間がある。この隙間をAIが埋めてくれる。

キュレーションメディアを読んでいれば、その人の好みはある程度分かる。それを基に、有料メディアの記事を無償で紹介する。それが気に入れば次からは購入する。記事単位だから一つ十円などと安価だ。それがだんだん増えてくれば、レイアウトを整え、個々の記事の前後なども考えて、一冊の雑誌風にアレンジする。できた雑誌は、最初から最後まで読まないところのない、個人にとって最適化された雑誌である、という具合だ。

もちろん手動でカスタマイズもできる。例えば最初の広告枠には、好みの雑誌の見出しが載っていて、特集記事のイントロが見られる。それをクリックすれば即時に雑誌の構成が変更される、といった具合だ。スマホ用、タブレット/電子書籍端末用、などとレイアウトやページ数を自動調節することもできる。必要ならボタン一つでオンデマンド印刷し、届けてくれる。

これが更に発展すると、記事の提供者(記者、ライター)は中抜き(雑誌)を経由せずに直接読者に記事を届けて儲ける、ということも可能になる。最初は人気雑誌に掲載して知名度を上げ、ある程度になったら独立する、などだ。ここまで来るとYouTuberなどと同じく、高額所得者の仲間入りをする人も出てくるだろう。

雑誌の読み放題サービスとキュレーションメディア、どちらから出てくるか。注目はしているが、まだ時代の波は来ていないようだ。

2018年10月10日水曜日

変態Chromebookの提案


先日、Acer Chromebok Tab 10が欲しい、と書いたのだが、同時にまだ満足もしていない。そこで今回は、その点も含めてさまざまなChromebookを提案してみたい。
  1. まずはTab 10の修正から。ペンは右(縦にしたとき)から出るようにして欲しい。また、せめて400g台、できれば300g台にして欲しかった。更に、防水や落下衝撃に対して適当な基準を満たすようにしてほしい。子供が使うには丈夫で軽くなければ。
  2. 8~20インチクラスのタブレットも出して欲しい。プロジェクタタイプもいい。フォトフレームからテーブルまで、色々応用はある。
  3. ワイヤレスHDMIの標準実装。これはChromebook側と自宅やホテルなどのテレビ、会社の机のモニタなど、あらゆる映像機器に付けてほしい。
  4. HMDないしはスカウタータイプのディスプレイにもこれが欲しい。
  5. これらとディスプレイ無しキーボードタイプChromebookを組み合わせる。
  6. スマホサイズのChromebook。もちろん電話機の機能はついている。
  7. いわゆるIoT。ワンボードマイコンやワンチップマイコンのChromebook。
Chromebookでなくてもいいじゃん、とはならない理由は、それがあくまで端末である、ソフトやコンテンツは機械側に一切紐付けされない、というところだ。これなら将来幾ら機能性能が上がっても、新しいサービスができても、端末は同じでよい。

例えば、最後のIoT。普通だったらソフトを入れ替えなければならないところ、ChromebookならログインIDを変えれば済む。事前にテストするのも、別の端末で行える。もし不具合があっても、簡単に元に戻せる。IoTなら数も多いから、ソフトの入れ替えと一言で言っても大変だが、キーボードエミュレーションをするUSB端子端末をもって差し込むだけで完了、なんてことも可能なはずだ。Class Roomやファミリーリンクと類似の機能を使ってソフトを一斉配信するとかバージョンアップを一斉に行うなども考えられる。

今のChromebookはI/O周りが弱いが、これはWindows以外なら何でも同等なので、あまり不利というわけではない。それでもここはもう少し充実して欲しいと思う。そうすれば業務端末(宅配のお兄さんとかコンビニのレジとか)にも使えるだろう。世の中全部Chromebook、というのも、あながちありえない未来ではない。

2018年10月9日火曜日

伏せたコップで防災


2018年9月の台風によって浸水した関西国際空港。連絡橋が流されてきたタンカーに破壊され、この連絡橋にはガス電気などインフラ全てが通っていたため、停電になり且つ行き来ができない状況になって陸の孤島になった。

インフラを一本の橋に頼ることは、当たり前だがリスク管理上は最悪の選択である。もしそうするなら、それなりの対策をしておくべきであり、発電機はその一つだ。しかしそれが地下にあって冠水したため使えなかった。

発電機は重いので、建物の上に設置すると今度は地震が心配になる。大量の燃料を高いところに置くのも不安だろう。やはりタンクと発電機は地下が適切だ。であれば、冠水しても大丈夫な発電機を作ればよい。調べてみたら、あった。

http://www.showa-kiki.co.jp/products/search.php?category=15

これがそうだ。簡単に言えば、「伏せたコップ」の中に発電機を入れるわけだ。これ自体はポンプを守るものだが、原理的には濡れては困るもの全てにこの構造は使える。
  1. 最初に入れるべきは排水用のポンプとその電源(バッテリー)だろう。
  2. 次に、発電機と燃料がくる。これは排水が終わるまで動かせない。空気を使うためだ。
  3. 後は備蓄があるとよい。食料、浄水器、着替えなどだ。濡れてもよい備蓄は別に準備する。
「伏せたコップ」を作ること自体はそれほど難しくない。単純には、小型ボートをひっくり返しておくだけでもよい。地下でなくても、例えば二階の一部にこういう場所を作っておけば、想定外の津波が来てもそこに退避できる。目地を塞ぐゴム塗料などでくぼみを全部塗ってしまうだけでも、できるはずだ。完全でなくとも、例えば数時間耐えられるならとりあえず落ち着けるし、その間に少しでも水が引くか、少なくとも水流が落ち着けば水面を目指せる。

南海トラフ地震では、津波が予想されていて、被害の多くは津波でもたらされるはずだ。高い避難塔を作っても、想定外の高さが来れば助からない。高齢者など生活弱者はここにたどり着けない可能性が高い。

この「伏せたコップ」は、各家庭で気軽に考えられ、且つ効果が高い案として、大いに注目すべきである。

2018年10月8日月曜日

取りに行くドローン配送


ドローン配送が未だに実現しない一つの原因は、法的な問題だろう。市街地をドローンが飛び回る、しかも商用で、となれば、認可側にもそれなりの覚悟が必要だ。だが受け取る側が飛ばしたドローンならどうだろう。法的には受け取る側の責任と言えないだろうか。

もちろんやはり市街地ではダメだと思うのだが、ある程度の田舎であればルートはあると思うし、当然需要もあるはずだ。ドローンを持つ客がそんなに大量にいるはずもないので、特定の数件との取引だけであれば、あるいは道路が混んでいなければ、など、条件は色々あるだろうが、個別認可される可能性もある。

店側の対応は、ドローンが留まれる駐機場の用意だけだ。あらかじめ連絡しておいて、飛ばしたドローンに荷物を入れる。料金は電子マネーやクレジットカード払いにすればよかろう。配達をしないコンビニのような業態において、これは配達をタダで行うのと同等の効果がある。店にとってもおいしいサービスとなるのではないか。

これは必ずしも飛ぶドローンだけではなく、自動運転車でも同様だ。軽自動車より更に小さい、荷物専用の自動運転車を作っておいて、やはりあらかじめ連絡しておいて店の駐車場に止めると、店が品物を入れて送り返す。こちらは自動運転車の許認可さえ出れば誰でも使えるから更に有望だ。地方活性化の切り札にすらなり得る、重要なサービスであると言えるだろう。

2018年10月7日日曜日

擬人アカウント


Googleの特定のアカウントに対して、メールやSNSで仕事を依頼すると、オンラインで出来ることなら何でもしてくれる。しかし実はそのアカウントはAIである。そんなサービスを考えてみた。

Google Duplexは、店に予約をするエージェントだった。逆に、チャットでいいから自然言語で依頼すると仕事を受けてくれるようなアカウントがあっても良いはずだ。例えばクリーニング屋に集荷を依頼するとか、ネットスーパーで買い物をするといった時に、アカウント(相手)が違うだけで全部LINEやGoogle+で行える、というものだ。

相手は店とは限らず、家の執事(実はHAのサーバ)とか、家庭教師(実はAIの学習プログラム)とかでも良い。家族一人一人に秘書がついていて、秘書と会話をすれば後で本人に話をつけてくれる、というのもアリだろう。とにかく何でも口頭に近いやり取りで仕事が進めば良い訳だ。

既存のプログラムもここ経由で扱う。例えば天気予報などは今でもGoogleアシスタント経由で行えるが、これを進展させたものだ。だれそれにメール、というとき、今のアシスタントでは細かい文言の修正は困難だし、長文も難しい。これを、アシスタントと会話しながら、また提案もしてくれるようにして、秘書と会話するように作れると凄く重宝する。

今のAlexaがエージェントを最初で振り分けるような感覚と似ている。後はエージェントに全て任せるのではなく、音声認識と構文解析は手前で行って、エージェントとの接続はそこが行うようにすれば、エージェント側の負担は少なく、複雑なことは幾らでも可能になる。

普通のアカウントとAIアカウントが混在している空間において、全てをGoogleアシスタントに頼むのではなく、ある仕事はリアルアカウントに、ある仕事は店のAIアカウントに、同じようなインターフェース(チャットや会話)で頼む。これなら人はソフトの操作法を覚える必要はなく、全てを同じように処理することができる。

これが高度化すれば、同業者が一同に会するグループで逆オークションをする、運送業者と宿泊業者が会するグループで旅行相談をすると、チケットと宿泊予約が連動して行えるなど、色々と夢は広がる。

ただ、会社でSlackで会話していたら、いつの間にか自分以外の全員がAIに変わっていた、などというゾッとする落ちも想像できる。

2018年10月6日土曜日

DApps考


中央サーバがない分散アプリケーションというのは、あるようでなかなか無かったのだが、DAppsはそういうものなのだそうだ。一時期流行ったWinnyのようなファイル共有ソフトは中央サーバがないから似たようなものだが、DAppsの場合はブロックチェーンを使用していて、暗号通貨(暗号トークン)による報酬のやり取りが発生する。仕掛けとしては複雑だが、なかなか面白い。

Winnyは非合法的匂いが漂っていたが、アプリはファイル共有だけではなく合法で有益なものもある。例えばSNSなら、世界中どの国に行っても封鎖されることなく使えるし、サーバダウンで使えなくなることもない。送金なら銀行より速く確実にできる。ただ、中央による監視がないことは、例えばSNSならアカウント封鎖ができないとか、送金なら誤送金しても返してもらえない、というリスクもあるので注意は必要だ。

さて、そんなDAppsは、まだ企業内で大々的に使おうという雰囲気にまではなっていない。DAppsでは中央サーバが無いため、ノードのデータ領域と計算能力の負荷が大きくなる。中央サーバの全能力と、各ノードの全能力の合計は、後者の方が圧倒的に膨大となる。つまり、総額としてみれば、企業の負担はかえって重くなってしまう。

この問題を解決しないと、DAppsは企業に普及しない。すなわち、サーバに、しかも複数のサーバに分散した上で何とか動くような巨大なプログラムとデータを、如何にして非中央集権の各ノードに置くか、である。

多重化を目指す以上は、一つのアプリケーションやデータを複数に配置することは避けられない。だが、単純なブロックチェーンのように全ノードに配置するのはやり過ぎだ。だとすればこの中間、すなわち全部ではないが十分に有意な分散をする、しかもそれで信頼できるようにする、ということになる。

このためには、従来とは違ったノード情報が必要になる。分散が十分であるかどうかを確認するための指標だ。例えば地理的に分散しているかどうか、同じないしは類似の組織に所属していたり似たようなソフトをインストールしていないか、通信の相手先が偏っていたり、同じ人と通信していないか、など。要するにお互いが独立しているかどうかだ。

アプリやデータは、この指標を基に分散しなければならない。独立度が高ければ分散数は少なくてよいし、低ければ多数のコピーが必要、ということになる。また、アプリに関しては当然計算機負荷の軽重が問題になる。貧弱なアプリは貧弱なノードに、重いアプリは重いノードに、というわけだ。

このアプリは単独で閉じるものとは限らないから、例えばミドルとUIで各々グループを作るような動きになる。そして、そのグループ間が通信をする。負荷が増えればグループ内でノードを複製し負荷分散する。そういったバックグラウンドが必要だ。

これら、すなわち個々のアプリ(モジュール、ミドル、ブロックと言っても良い)の分散度やリアルタイム負荷分散、当然故障検知や代替などが全て自動で行え、そのためのパラメータはアプリ作者が調節できるような仕掛けが必要である。

ここまで来ると、従来のDAppsやWinnyレベルではなく、業務用の監視ツールにも匹敵するソフトが必要になる。それがアプリにとってはバックグラウンドソフトになるわけだが、ここまででも相当に高度であり、計算機負荷も高く、容量も必要だ。

そんな仕掛けが開発可能なものなのかどうか、合理的な計算機負荷で納まるものなのかどうか、分からない。だがもしこれが出てくれば、従来のサーバビジネスが吹っ飛ぶような重要な可能性を秘めている。ここまで考えて作ってくれる人がいるものなのかどうか、注目している。

2018年10月5日金曜日

採点AI


小学校のテストや小テストのマル付けに人工知能を使えないだろうか、というのがこのアイデアだ。

アイデア自体は陳腐なものだが、考えてみれば小学校におけるこの「マル付け」の手間は実に膨大であり、少々精度が悪くとも大いに労働状況の改善に繋がるものだ。

代表的には算数ドリルや漢字の書き取りだろう。こういうものは毎日のようにやるものだし、それに生徒の人数が掛かるわけだから、マル付けだけでも膨大な量になる。この手間が少しでも省けるなら、その価値は十分だ。

小学生だから文字は汚い(読みにくい)だろうが、読み取れないほど汚ければバツにする、という考えも適用できるだろう。そう考えればAIの精度はむしろ高めすぎない方が良い。これは従来とは逆の発想だ。

また、テストは完璧なバックエンドがなくても採点できなければならない。例えばテスト業者のテストならそういうことも可能だろうが、先生のオリジナルの問題に対応できなければ始まらない。すると、必要なのはこんなシステムになる。
  1. シートフィーダー付きのスキャナ兼プリンタが必要だ。そして赤外線インクによる高速バーコード印刷機能を付けてもらう。
  2. これに無線で繋がるタブレットに専用ソフトを搭載する。
  3. 最初に、問題をスキャンする。スキャンしたシートに赤外線バーコードがなかったら、自動でこれを印刷する。以下、他のシートでも同様とする。
  4. ソフトは、イメージデータから各問の境を自動で切り取り、問題をOCRで読み取り、氏名枠も読み取り、可能なら配点を読み取る。教師はこれを手で修正する。
  5. 次に、教師が正解を記入したシートをスキャンする。答えがOCRで読み取られ、ソフトにインプットされる。必要なら教師はそれを修正する。ここまでで準備完了だ。
  6. 次に、生徒のシートを1枚投入する。明らかに正解の場合には自動でマルが付けられ、明らかに間違いであればバツが付けられる。曖昧なものは教師が判定する。そのこと自体も学習される。また、必要に応じてコメントも入れられる。
  7. 生徒の名前もOCRで読み取られる。生徒の名簿はあらかじめ入っており、通常なら読み取れない汚い字でも、その生徒の範囲という条件で予測する。点数も自動計算される。
  8. これを繰り返す。後半になるほどマル付けの精度は上がり、一瞬で採点が終わるものも出てくるだろう。また、採点の間違いや△のさじ加減を修正するなど、必要に応じて先生は採点をやり直すことができる。
  9. 全部の採点が終わったら、再度シートを通すと、赤外線バーコードを元に、採点結果やコメントを印刷する。当然点数は名簿と紐付けられてデータベースに入る。
  10. オプションとして、生徒の親へ点数やテストイメージがWebで閲覧できるようにする。
ハードウェアは新規開発が必要だが、それほど難しいものではなかろう。ソフトとしてもそれほど高度なものは必要ない。問題が同じなら複数のクラスで使えるから、例えば3クラスもあれば百人の効率化が可能だし、業者が導入すれば殆ど採点の手間は必要なくなる。

台数が欲しいところだが、スキャナプリンタだけは例えば3台ほどとして、どのスキャナでも使えるようにしておき、テストを回収したら直ちにスキャンしてから、自席で採点し、採点し終わったら再度通す、というふうにすれば、恐らく数倍の公立は見込めるだろう。

価格設定と精度は問題だが、根は良いアイデアだと思う。売れるぞ。これは。

2018年10月4日木曜日

電脳コイルの世界


もう十年経つのか、と思うと感慨深いものだが、電脳コイルの世界にまだ実社会は追いついていない。その大きな理由はデバイス開発が進んでいないところだが、なぜもっとスピード感をもって開発してくれないのだろう、と思う。

この分野は、マジックリープだけが突出している。それも開発費だけだ。他のHoloLensやEpson等はまだ研究所レベルであり、恐らく研究費も少なく、有用な応用アプリケーションが無きに等しい。

投資が進まないのは、この応用への期待感の弱さもあるのだろうと思う。ゲームでは殆ど意味がない。普段使いとしてどれだけ役に立つかをまず考える、そうすれば研究費もついてくるはずだ。

この手の製品では、①ゲーム、②コミュニケーション(アバター、会議室、サロン等)、③映像コンテンツ(インタラクティブなもの、映画、ショートムービー、スポーツ、コンサート等)、④情報表示、⑤電脳ペット、等がアプリケーションとして挙げられている。このうち①の一部、②、③は没入型である必要があり、半透過型にはそぐわない。また⑤は、現地の3D形状把握が必要であり、敷居が高い。

こう考えると、まともなアプリケーションは④しかないことになる。これはナビゲーションと映った物の検索、ということになるのだが、多分にここまでで思考停止してしまいがちだ。ここで踏ん張らないと、夢の世界にはたどり着けない。

ここから先はUIの秀逸さで勝負しなければならない、ということだ。そしてその優秀さだけで、十分に需要が出てくるはずだ。それを考えてみよう。

まず、メガネやスカウターのように常時着けっぱなしにする用途はあるのか、という疑問。もちろんゼロではないだろうが、映像コンテンツを見る用途でもない限り、必要に応じて取り出して使うのが筋だろう。これが必要なのは業務用や、警察軍隊などだ。今のデバイスはまずここで転んでいる。

電脳コイルに出てくるような、片目に掛けてちょっと使うというような小型デバイスは、当分は出てこないだろう。もっと現実的な解として、オペラグラス型を提案する。胸ポケットに入れておける大きさで、覗き穴があり、周りをざっと見回して、またサッと胸ポケットに入れる、という動作だ。

この場合は、必ずしも半透過型でなくとも良く、カメラ映像との合成で構わない。相手から瞳が見えなくても良い。せいぜい数秒から二十~三十秒程度の使用だ。スマホ兼用でも良いが、スマホと接続するBluetoothデバイスの方がスマートだ。形状は色々考えられ、単眼鏡型、昔の婦人用オペラグラス(取っ手があるもの)風、遮眼子(視力検査で目を覆う道具)型、スカウター型など色々だ。電池の持ちも悪くて良いし、重くとも構わない。

ボタンを押して覗き穴から覗き、対象が中央になるように映すと、その形状を把握してネット検索し、情報を出してくれる。ナビゲーションの途中だったら、映像に矢印を重ねて出してくれる。その情報は即座にスマホに転送され、詳しく知りたくなったり更に複雑な検索をしたくなったら、スマホを操作するようにする。

問題は、何を映して何を調べるか、である。
  1. 景色や風景、建物等の場合
    1. ランドマークの情報(建物名、定休日、開館時間、混雑度、高さ、築年、耐震基準、防火基準)
    2. 物件の情報(家賃・販売価格、条件(ピアノ可否、ペット可否等)、付帯情報(事故物件など)
    3. 計測(長さ幅高さ、コンセントの位置、天井ソケット形状、等)
    4. 植物・動物の名称、生息地、季節の特徴など
    5. ナビゲーション(目的地までの方向・距離・時間、乗り口の位置推奨等)
    6. その場所の気象(温度湿度風向風速、ガス濃度、PM2.5、予報注意報警報、天気予報、災害情報等)
    7. 緊急行動支援(公衆電話の場所、AEDの場所、勤休避難場所等とそこへの誘導、津波の予想高さをリアルに表示する、等)
    8. 店舗のセール情報、クーポン、買い物リスト、会員証の有無
  2. モノの場合
    1. 店などで
      1. 品名、価格、成分・材料、産地、温度、消費期限等
    2. 外で
      1. 品名等の他に近くで売っている店、通販の欲しいものリスト登録等
      2. 同じもの、似たようなものの購入暦
    3. 手持ちの品
      1. 使用期限、購入からの経過年数、修理暦、使用頻度
  3. 人の場合
    1. 氏名、以前会った場所時間用件、SNSやメールでのコンタクト履歴、借金や貸し借りの有無、住所、職業等
    2. 感情分析
後はアプリケーションとして複数を繋げることが可能かどうかだ。例えば旅行であれば購入済み切符との連動、チェックインの自動化ないしは事前準備などだ。使い勝手さえ満足できれば、幾らでもヒットのチャンスはある。

2018年10月3日水曜日

WHSの復活を望む


Windows Home Server、略してWHS。当時は嬉々として導入したものだが、あっという間にサポート終了、後継も続かずに終わってしまった。

今となっては、早過ぎたのだろうと思う。また、Windowsを前面に出しすぎていたかもしれない。今、改めて本格的なネットの時代が来たことを想い、WHSの再興を望むものである。

だが、やはり時代に合わなくなってきたところは色々ある。そこで、新たなWHSはどんなものになって欲しいか、考えてみた。

多くの人にとって、OneDriveやGoogleDriveで容量は足りる時代である。しかし、ビデオカメラで撮った大量の映像や、4Kカメラで撮った高精細な写真は、これらには納まらない。どうしてもローカルに大量のストレージが必要だ。これはファミリー層に多いはずだ。第一のターゲットはそこになる。

これより、「Windows 10ベースの記憶域スペースを使って二重化したリムーバブルHDDを持つ小型サーバ」というのが最初のコンセプトになろう。ここで非常に重要なのは、UPSを内蔵とすることだ。勿論安全にシャットダウンするだけでよいので、本格的なものである必要はない。ソフトの構成もそれを前提とする。

また、Windowsパソコン自体をバックアップする必然性は薄くなっている。だが、ローミングは必要だ。バックアップ・リストアではなく、ローミングさえできれば良いのが今の時代ではないか。Chromebookのような尖ったものではなく、Windows 10がローミングできれば良いのだ。

その場合、Windows 10にインストールするエージェントは、①主なローカルストレージをWHSのキャッシュとして設定する、②ライセンスやID、設定等のプロファイル情報をバックアップする、となり、通常のバックアップよりはずっと高速になる。

但し、バックアップ自体の有用性は指摘しておきたい。つまり、ごみ箱ではなく世代管理をして、例えば数世代とか数ヶ月前まで巻き戻すことは、容量の許す限り可能な構成にしておいて欲しい。

外との接続に関しては、WHSを踏襲して欲しい。つまり、Microsoft側にネームサーバを持って、登録でWebベースでの接続が可能なようにする。ストレージもWebベースで見られるようにする。但しセキュリティはパスワードだけではダメだ。最低でもSNS認証、できればスマホの二要素認証が必要である。

オプションで良いのでもう一つ欲しいのが、VPNだ。今のスマホのVPNは何処に繋がっているか分からず、いまいち信用できない。また、無料枠が少ないのでこまめにオンオフしなければならないのが面倒だ。スマホ用の専用VPNソフトを入れておけば、常にそこ経由で通信できるので付けっ放しでよい。

細かいディレクトリ構造を弄ることができないようにするなど、素人からの不可視性はもっと高め、ビデオデッキと同じくらいの簡単さで使えるようになれば、中ヒットくらいはするのではないか。

2018年10月2日火曜日

汎用リモコンの工夫


Amazon Echoのレシピは何万だかに増えたらしいが、操作方法は稚拙なままだ。Alexa、XXを使ってYYをして。いまいちスマートでない。それにXXを的確に覚えないと動かないのも困る。数が増えれば相当に混乱するだろう。

リモコンが溢れる時代のこと、それを音声で集約するというのは良い考えだ。だが、頭を使わなければならないというのでは困る。もっと簡単にできないものかと色々考えてみた。
  1. 最初からスマホを前提とした機器の開発。機器には最低限のスイッチのみ搭載しておき、複雑な操作はスマホで行う。もちろんマクロ(シーケンス)や連動も可能とする。機器にQRコードでも貼っておけば、それをスキャンすれば専用リモコン画面が出る、というので十分だ。
  2. 上の応用として、QRコードでなく機器そのものを画像認識させる。また、その上で音声リモコンにする。
  3. GoogleCastのような、TVに繋がる情報機器を設定しておく。テレビを除く全ての操作をここ経由で行う。つまり、「おいリモコン」というとテレビが点いて、操作可能な機器の一覧が映し出される。そこには機器の名前が記されているから迷わず操作できる。
  4. ウェイクアップキーワードに任意の機器の名前(ニックネーム)を設定できるようにする。Alexa、XXを使って、ではなく、XX、で起動する。勿論XXには一定の制限があってよい。ベンダが提供するものから選ばなければならない、筆頭語を共通とする、などだ。
リモコンの氾濫から、マルチリモコンという概念が出てきて久しい。しかし、もうそろそろ音声やスマホでの統一を優先するような風潮が出てきて欲しいものだ。そこには業界の合意が必要である。我を出さずに素直に従って欲しいものだ。

2018年10月1日月曜日

液滴化技術応用


https://japanese.engadget.com/2018/09/04/sound-based-liquid-printing/

久々に面白い研究を見つけた。超音波を使って、高粘度の液体でも液滴化して射出できる装置が開発されたそうだ。

高粘度というと直ぐに思いつくのが蜂蜜だが、これが例えば0.1mmの滴になるわけだ。これは想像力をくすぐられる。大きくは、以下のような応用が可能なはずだ。
  1. 微細な液滴にしてそれをコーティングすることで、粉状に作ることができることに関する応用
  2. 正確な計量ができることに関する応用
  3. 薄く散布ないしは噴霧することができることに関する応用
  4. 液溜まりを破砕することができることに関する応用
  5. 新しい物性の発見とその応用
1.として考えられることは、取り扱いが便利になることだ。例えば容器での保存やパイプでの輸送が簡単になる。サラサラの顆粒のような蜂蜜ができれば、塩のように食卓に並べて置くことができる。砂糖の代わりにこれを使う人は増えてくるのではないか。

2.で直ぐに思いつくのは創薬だ。従来扱いづらかった薬剤が新たに使えるようになれば、応用も広がるだろう。単に素材だけでなく、従来はカプセルだったものを粉剤にしたり錠剤にしたりすることもできる。粉にするだけで、コーティングを工夫することにより、胃で溶けず腸で溶けるようにするなどが可能になる。

3.で言えば、溶剤を減らした医薬や塗料、コーティングなどが考えられる。これも応用が広そうだ。単純に運搬の負荷が減るし、薄く均一に塗れるなら有効成分の量も節約できる。

また、食品でも応用が可能だろう。薄いバイオポリマーで食品を覆うことで、食感を損なわずに肉汁の流出を減らしたり、保存性を高めたり、極端な味や匂いを抑えた栄養補助食品を作ったりできる。サプリメントの作り方も、薬と同様バリエーションが増えるはずだ。

4.で言えば、代表的なのはバイオフィルムだ。超音波歯ブラシの原理はこれだったのかもしれない。となると、風呂や洗面所などのバイオフィルムは、超音波で剥がすことが可能なのではないか。単に超音波を当てるのではなく、引き剥がすような当て方になるから、その効率も高いだろう。

5.はまだ何とも言えないが、例えば新しい粘着剤や滑り止めができたり、光触媒のような抗菌消臭ができたり、光学特性の優れたコーティング剤ができたりする可能性がある。空中に噴霧することで抗菌できる、といったことも考えられるだろう。

研究はまだ初期のものだそうだから、長い目で期待しようと思う。

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