2016年10月27日木曜日

Apple Payの優位性


発表があったので調べてみたのだが、あまりの複雑さに辟易としてしまった。別にAppleのせいと言いたい訳ではないのだが、何時の間にこんなに複雑になってしまったのだろう。

思い起こせば、Mondex辺りから始まる電子マネーの黎明期、EdySuicaが二強だった時代に何とか手を打てば良かったものを放置したものだから、クレジットカードやデビットカード、決済手段と貨幣価値が入り乱れたぐちゃぐちゃな時代になってしまった。ポイントまで考えると人間の頭では追いつけなくなるほどだ。

よく読むと、Apple Payという支払の方法は確かにあるのだけれど、店舗では殆どSuica、QUICPayiDとして使うことになるようだ。Apple Payが使える店としてイオンやセブンイレブンが挙げられているが、Apple Payにすることでも各々のポイントが付くのでなければ、使う人は限られるだろう。従来のWAONnanacoを使い続けることになる。もちろんこれらはおサイフケータイには対応していて、ポイントも付く。

また、Suicaでは詳しい手順がJR東のHPにあったので見たが、非接触で情報を抜き出すようになっており、拾った(盗んだ)カードの登録に何の支障もないように読める。これは気になる。

一見、拾ったカードそのものを使われてしまうのとリスクは殆ど変わらないようにも見えるが、実態はずっと危険だ。満員電車などでカード情報(だけ)を盗まれる可能性がある。類似の手段は昔からあったが、今度は専用の機械が要らず、近づけるだけで誰でも簡単に盗めるからだ。

まだ情報が不足していて、おサイフケータイからApple Payに、またApple PayからApple Payに情報を抜くことができるのかどうか、良く分からない。それまでは、地道に磁気遮断カードなどに頼る他ない。

クレジットカードの方は、SMSやe-mailなどによる確認が必要のようなので、店舗の裏でカードを撮られても(クレジットカード情報の入力はカメラの撮影で行う)まあ対抗できるようだ。

Appleは安全安心を強調しているようだが、遠隔での使用停止機能はAndroidにもある。使用時のロック解除も同じく存在しており、機種によってはAppleと異なり指紋認証以外も選べる。よって、特に有利な点とは言えない。

結局、Apple Payの(おサイフケータイに対する)特徴・優位点というのは、Apple Pay自身ではなくてWalletやPassbookとの連携にあるのだろう。つまり、例えばSuicaのチャージに関して、その時の気分で好きなクレジットカードを選べる、というものだ。報道する側も良く分かっていないのかもしれないが、きちんと整理して説明してほしいものだ。

尚、これに対抗するAndroid Payというのも来るらしいが、既にAndroidにはおサイフケータイがあるから、どうサービスを展開するのかは「お手並み拝見」というところだ。ウワサによるとGoogleはAppleと違って決済手数料を取らない方針らしいが、もしそうならあっというまにこちらが世界を席巻する可能性はある。
 
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