まず、バッテリの問題か、本体の問題かだが、実はバッテリの構造というのはそんなに複雑ではない。電池メーカーから買ってくる電池ユニット、保護回路としてのICチップ、温度測定用のサーミスタ、配線、後はシュリンクラップ、以上である。機種が変ったからといってそれほど大きな変更はなく、高度な組み立て技術が必要というわけでもない。また他の機種で問題になっていないところを見ても、ここは考えにくい。
もちろん絶対に違うということはなくて、新しいセルを使ったがその品質が安定していなかった、新しい保護回路チップの歩留まりが悪かった、組み立てで局所的に力が掛かっていた、端子の材質やめっき厚を変えたために保護回路が電圧を正しく測定できない、などは考えられることだ。特に携帯電話は時代と共にどんどん薄くなっているから、力が掛かることに対する懸念は毎回新たに考えるべきことだ。
本体の問題だとすると、過充電、過放電、短絡の三つが考えられる。電源を切った途端に発煙した例があったことを考えると、短絡が最も疑われる。
知っての通り、スマホの電源スイッチは、電線を物理的に切るものではなく、したがってオフにしてもどこかが動いている。例えばIC一つ二つだけは常に動いていて、電源スイッチを監視していたりする。近年のAndroidは、Dozeモードの導入など、バッテリ周りのロジックが複雑になっているから、新たな設計で何か手を入れた可能性はあるだろう。そこで何らかのミスロジックが入ってしまったのではないか。
例えば、Galaxy Note 7は以前のGalaxy Noteと比べてバッテリを内蔵する(ユーザの交換不可)ようになった。薄型化と防水のためにやったのだと想像するが、これを機に保護回路を本体側に移して回路(チップ)を整理した、というのはあり得る話ではないか。
まあ、何れにしても機器は発売製造停止になってしまった。Qiが使え、ペンが使え、またGear VRが使えるなどと興味があったのだが、残念なことだ。しっかりと原因を究明し、再帰を期待している。
尚、分解レポートがあったが、決定的と思えるような情報は見当たらなかった。ただ、コネクタで繋がれていることは判明した。これは従来の端子接触とは異なるものだ。単純な接触不良や端子のショートのようなことは考えられる。また端子が小さい。充放電の大電流に耐えられるのか、少し心配だ。また短いケーブルは複雑に折れ曲がっていた。この成型が不完全だと同じ不安がある。
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