現在の日本では、下水道がある地域では水洗トイレを、そうでない場合は浄化槽の設置が義務付けられている。この浄化槽に対する規定は、現状の浄化槽には合っているが、逆に言うと新方式への配慮は全くない。
下水道も合併浄化槽も使わないトイレとしては、燃焼式トイレ、バイオトイレ、独自の浄化システムを持つトイレなどがあるが、何れも通常の住宅には使えない(使っても良いが、水洗トイレないしは浄化槽がある前提での補助的な用途のみ)。だが、そもそもなぜ(国の規定する)浄化槽と水洗しか認められないのだろうか。
調べてみると、もともと汲み取り式だったトイレを近代化するためだったらしい。高度経済成長期の話なのだが、その頃にはまだ技術的に水洗と浄化槽以外の選択肢はなかった。上の新しいトイレが出てきたのはその後の話で、要は法律が着いてきていないのだ。
現状の合併浄化槽は常に電力が必要で、震災時には機能が停止してしまう。下水道は言わずもがなである。個人的にはバイオトイレに興味があるが、これも電力が必要である。攪拌にモーターが必要なのと、菌を活性化するのに保温するためらしい。
独自の浄化システムとして、完全に非電化のものも存在している。またバイオトイレでも、手動で攪拌し、菌も低温に強い特殊なものを混ぜて、停電時にも対応するものもある。下水や電気に頼らない、かつそこそこ清潔なトイレがあれば、認可してやってもよいのに、と思う。
トイレの問題はビル・ゲイツも関心を示しているらしい(新興国用だが)。震災時にはトイレが問題になった。サバイバルとしても、意外に身近な問題だ。
2016年10月3日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
こんなキュレーションメディアがほしい
SmartNewsやGunosyなど、いくつかのキュレーションメディアをインストールして使ってみて、やっぱりダメだと削除する、ということを、数カ月毎にやっている。なぜ数ヶ月毎にやっているかというと、進歩しているかもしれない、使えるようになっているかもしれない、と淡い期待を寄せ...
人気の投稿:
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
屋根に超音波振動装置を取り付けておく。これによって屋根と雪の間の結合が破壊され、雪が滑り落ちやすくなる。これが題記装置の原理だ。角度によっては放っておいても落ちるだろうし、そうでなくても楽に雪下ろしができる。 まあ超音波でなくて低周波でも良いのだろうが、超音波の方が簡単...
-
ディーン・ケーメン氏が発明した浄水器「 スリングショット 」の原理は、いわゆる蒸留である。つまり水を沸騰させて水蒸気にした後、冷やして水に戻す。汚水と蒸留水の間で熱交換を行うことで効率を上げている。 日本では、防災用の浄水器としては中空糸膜や逆浸透膜が殆どだ。これと蒸留式には...
-
書籍「糖質疲労」「脂質起動」がベストセラーになっているらしいというので、少し読んでみた。そこに書いてあったことでいくつか気になったことがあったので、これをネタに生成AIをイジメてみようと思い、会話してみた。 その疑問とは、いわゆるベジファーストへの反論である。 まずベジファー...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
高市新総理がかつて主張していた「スパイ防止法」。巷でもスパイ防止法の制定を望む声は強いのだが、調べてみるとそんなに単純な話ではない。特に、世間のイメージと実態はかなり異なっていることが分かったので、ここでメモしておく。 まず、「スパイ防止法がないのは日本だけ」とよく言われて...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
あるいは家庭用自販機、とでも言おうか。自宅のすぐ脇にあって、品揃えが少数多種、単に飲み物だけでなく、生鮮品や惣菜などもラインナップに加え、複数台並べて簡易コンビニ的に使用する。 自販機コンビニと似ているが、大きく違うのは次の通りだ。 品揃えはカスタマイズできる。 ...
-
免震構造については過去いくつか提案しているが、これの新しい版である。 以前、難燃性の油の上に浮かべた船の構造を提案したことがある。あれの砂版である。つまり、砂のプールを作っておいて、その上に浮かべるというものだ。砂が抵抗となって振動を軽減する。 ただし、油や水と違って砂の...
-
通常のマットレスのコイルは円柱状に展開されるが、これを山型に展開するようにすると、潰れるときは渦巻状になり、完全に潰すことができる。キャンプに使われる簡易マットにこれを使うと、持ち運びに際しては薄く、使うときは快適なマットが作れるのではないか。 キャンプ用のマットとして...

0 件のコメント:
コメントを投稿